bed山口の「あの頃Shady Laneと」第一回-up and coming-

bed yamaguchi

LIVEAGEで新しく連載を書かせてもらうことになったので、まずは自己紹介を。京都で結成、今は全員大阪在住で活動しているbedというバンドのギターと歌、その他渉外、バンド窓口担当の山口と申します。

LIVEAGEには以前宇多田ヒカルのアルバムレビューを書かせてもらったことがあり、主宰の矢田氏とはもう10年を軽く越える付き合い。いつも各記事やコラムを楽しく読ませてもらっている。perfectlife板垣さんの日記、my exヤングパカパカのコラムは、それぞれ実際の人物を知っていたり仲が良いということもあってお気に入りだ。
LIVEAGEは東京中心で作られているメディアなので、その中における板垣さんの日記(長野県上田市での生活を中心に綴られる)とヤングパカパカのコラム(京都市での生活を軸に綴られる)は、それを声高に語ったりするわけではないけれど地方都市目線での発信として貴重であると思いながら読んでいた。
発足から一年が経ち、それらのコラムが連載終了となった今、このままではLIVEAGEから地方都市目線が消えてしまうのではないかと危惧していたところ、「それなら君が書け」と矢田氏よりTwitter上でリプライがあった。
では自分に書けることはなんなのだろうかと考えた時に、一地方都市である京都、関西で自分がこれまで見てきた音楽にまつわる悲喜こもごもやバンドのことについて、そろそろ語っても良いのではないかと思い立った。
京都で生まれ育ち、19歳の頃から本格的にバンドをやり始めて15年、まだSNSの発達もほとんどなかった2000年代初頭~現在、その中で自分が間近で見聞きしてきたものの、けして公には語ってこられなかったシーンが沢山あった。また思い出話だけでなく今現在も進行形で活動している一バンドマンとして自らが見たもの、刺激を受けたものをテキストに残すことは何か意味があるかもしれない。そういう連載に出来ればと思う。
もちろん自分が見てきたものや知っていることは極々一部だし、もっともっと詳しい人や中にいた人、現場に通いまくっていた人はたくさんいると思う。そういう人がもしこの連載を読んだならば、「いや、これは違う」とか「この時こうだった」とかガンガンに訂正してほしいし、そうやって盛り上がって、自分の見てきたものや参加してきたものが形を持って残っていく可能性があるのならば最高だと思う。

前置きが長くなりすぎてしまった。まず第一回は、タイムリーにも2017年9月9日に奇跡の復活(一夜限り?)を遂げることとなった京都が誇るバンド、up and comingについて書く。

up and coming…このバンドが伝説のように語られ、復活を熱狂的に迎えられる日が来るとは想像出来なかった。

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