今年の梅雨はちゃんと梅雨です!と言ってたと思っていたら、なんか思ったほど雨が降りまくるわけでもなく急に暑くなってきたんですが、もう明けてるんですかね。
仕事忙しくて低浮上ではありますが、秋には取材したいなー案件があるので、。
というわけでいってみましょう。
■CONVERGE『LOVE IS NOT ENOUGH』&『HUM OF HURT』

アメリカ、マサチューセッツ州のカオティック・ハードコアの11および12作目。1枚目の時は触れられなかったし、せっかくなのでまとめて。
1枚目の時点で、その前のアルバムから9年ぶりでだいぶ間があった(企画ものはあったけど)ところから、まさか同年中に2枚も出すとは思わなかったですね。メンバーによれば「最近のリスナーは2枚組を聴く忍耐力がないから、短いアルバムを2枚出すことにした」のだそう。とはいえ2枚のアルバムで、音楽性が極端に違うということはなく、地続きになった作風です。前作がちょっとひねった作風&チェルシー・ウルフとのコラボ作を挟んだせいか、7作目以降の、ストレートで激しめな作風に回帰したようにも感じられます。
まず1枚目の『LOVE IS NOT ENOUGH』。冒頭から一気にかっ飛ばしたかと思えば、2曲目ではもろにENTOMBEDな初期スウェディッシュ・デスなリフをかまし、3曲目では痙攣ブラストを繰り出しと、序盤はとにかく前のめりな激しさが目立ちます。昔ほど変拍子や突拍子もない展開が多くないにせよ、曲中で激しくテンポチェンジしていく様は、目の前のあらゆるものを切り捨てていくかのよう。かと思えば後半ではぐっとスピードを落とし、陰鬱なメロディを紡ぐ場面を見せる場面もあり。従来のCONVERGEらしさを求めるならこっちですね。
そして『HUM OF HURT』は、むしろメタリックな感触は控えめで、若干ハードコアやノイズロックに寄った作風にも感じられます(実際、今回の2枚はノイズロックを目指していた部分があったそう)。全体的なスピード感が控えめなせいか、たしかに神経に障る不協和音や、ビリビリと焦げ付くような張り詰めた緊張感が目立っている印象も。沸騰したフラストレーションが吹きあがる『LOVE IS NOT ENOUGH』に対し、フラストレーションがこぼれないままぐつぐつ煮えたぎる『HUM OF HURT』と言えると思います。
前述の通り、今回なにか音楽的に新しいことをやっているわけではない…のが正直なところです(2枚分、20曲を作ったのはかなりの挑戦とはいえ)。とはいえ結成から35年超のキャリアで、賛否分かれつつも質もテンションも保ち続けているのはすごいこと。前回来日が2019年だし、正直「いつまでできるかわからない」フェーズにもいると思うので、ぜひ今のうちにまた雄姿を見せてほしいところです。
■ENDALL『HAIL MIND』

日本のスラッシュメタル・バンドの3作目。2024年にリリースした前EPに続く、現編成になって初のフルアルバムです。
前EPについて「スラッシュメタル化したFOO FIGHTERS」的なことを書いたんですが、今回もそれを基準にしたような作風です。ただ力強い声で大らかなメロディを押し出すさまは相変わらずではあるものの、前作では味付け程度だったプログレ/テクニカル要素が倍化。それでいて曲が複雑になったわけではなく、むしろ実際のBPM以上のスピード感を付加しつつ、メロディのポップさを際立たせる形になっています。どの側面からも明らかに振り切らせているのに、どこにも押しつけがましさや過剰さがなく、繊細で絶妙な、そして危うさのないバランスのうえに曲が成り立っている。アルバムの曲を聴いても、実際にライヴを観ても感じますが、今のENDALLって曲だけでなく、メンバー同士の呼吸含めてバンド内の様々な要素がガッチリ噛み合っているんですよね。とにかく土台が固くて、100人乗っても大丈夫みたいな感じ。
これまでのピークだけど、全体ではまだピークではないみたいな、これからまだのし上がっていきそうな感じがします。何かのきっかけで邦ロック系のフェス(それこそ京都大作戦とかめっちゃウケそう)に出て、一気にブレイクとかしてもおかしくないし、それくらいまでいってほしいですね。
■100 DEMONS『EMBRACE THE BLACK LIGHT』

アメリカ、コネチカット州のメタリック・ハードコア・バンドの3作目。なんと22年ぶりのアルバムです。加えてかつて在籍した、元HATEBREEDのショーン・マーティンが参加しています(以前はギター、今回はベース)。
いわゆる極悪系ハードコアの一角として認知されているバンドですが、四半世紀近い年月が経っても、その基本路線は変わらず。図太いグルーヴとデスメタリックなリフで、ブルータルに攻めまくるサウンドです。同時に売れっ子であるウィル・プットニーがエンジニアを務めているだけあって、音質はフィジカルの強さを生かしつつも、クリアで現代的なもの。殺伐とした音が身体にダイレクトに響いてきます。先輩格のALL OUT WARが、3年前にブラックメタル要素を大胆に注入した、ブラストビートまみれのアルバムをリリースしたのとは対照的な方向ですね。スラッシュメタル由来のリフの刻みの中に、ほんのり叙情味を見せる瞬間があったり、渋く哀愁のある歌メロを少しだけ味変に入れたりと(6曲目にTWITCHING TONGUESのメンバーが参加)、脳筋一辺倒ではないのも相変わらずだし、いい感じのアクセントとして機能しています。どこまで狙っているかはともかく、なんやかやキャッチーに聴かせるのがうまいんですよね。
CONVERGEもそうですが、頻度やペースを度外視しても、このあたりのバンドがまだまだ現役なのはすごいことだと思います。メタルもハードコアも、まだまだ上の世代が立ちはだかってますね。
<LINK>
CONVERGE:https://www.convergecult.com/
ENDALL:https://x.com/beerpatrol2022
100 DEMONS:https://www.100demons.com/

