あっついですね。しかも仕事が9月くらいまで超繁忙になってしまったので、わりと低浮上な感じです。SNSも瞬間的に時間があるときに覗く程度(週末にこれ書いてる間にも3件電話が来た)。まぁしょうがないですね。お盆はいくつかライヴに行く予定があるのと、以降もいくつか無理やり行きたいなと画策しているものがいくつか。忙殺されてもそれだけって感じにはならないように心がけたいです。
というわけでいってみましょう。
■DEVILDRIVER『STRIKE AND KILL』

アメリカ、カリフォルニアのグルーヴメタル・バンドの11作目。元々90年代にCOAL CHAMBERとしてデビューしたデズ・ファファーラ(vo)が2002年に立ち上げたバンドで、ゴシカルなニューメタルだったCOAL CHAMBERとは違い、LAMB OF GOD以降のアメリカンなグルーヴにメロデス風味も加えたエクストリーム・メタルといった趣で活動。デズ以外のメンバーの入れ替えが激しいといはいえ、こちらはCOAL CHAMBERとは違い停止することなく続いてきた歴史があります。正直これまでは「まぁ好きな曲はある」くらいの距離感だったんですが、今回はCOAL CHAMBERも含めたデズのキャリアでも屈指のアルバムじゃないでしょうか。
少し前に来日したデスコアバンド、ENTERPRISE EARTHでも活動するギタリストをメンバーに加えたことで、突進力と殺傷力が格段に向上&ブレイクダウンを多用することで、明らかにサウンドが現代的になっています。とはいえバンドが乗っ取られたわけではなく、デズの特徴的なダミ声を活かすリフの間の取り方を心得ているし、従前の豪快なグルーヴもしっかり保持。スピードを落とせばKORNになりそうなリードフレーズも飛び出したりと、バンドとデズのキャリアを踏まえて仕上げた、絶妙なバランスのアルバムです。ただ今後この布陣がいつまで続くか…にもかかってきちゃうのかなと。せっかくの全盛期、できれば長く続いてほしいです。
■BRING ME THE HORIZON『COUNT YOUR BLESSINGS | REPENTED』

UK、シェフィールド産バンドが2006年にリリースした1stアルバムの再録に、新曲を追加した企画盤。今では音楽性を拡大し大型フェスのヘッドライナー級にまでなった彼らが、まだいちデスコアバンドとして目されていた時代のものですね。ただぶっちゃけ、このアルバムがリリースされた当時、そんなに好きじゃなかったんですよね。2ndの大化けで、バンドに対する印象は変わったんですが。
で、今作。当たり前ですが再録によって音質は別物に向上。ヴォーカル含め各パートの演奏力も向上しているので、かつて感じた弱点はすべて克服しています。おかげで見えてきたものも色々あります。最大の気付きが、これは同時期に注目されていたアメリカのデスコアとは、似て非なるものということ。BMTHはデスメタル要素が希薄で、初期NORMA JEANやTHE RED CHORDあたりのマスコアを基盤に、スクリーモやポストハードコアをブレンドした形。となると、当時のメンバーのメタルらしからぬファッションも合点がいきますね。結果的に近似値があるからデスコア認定されてしまったものの、周囲もリスナーも、そもそもバンド自身もやっていることがよくわかっていなかったのでは。だからこそ2nd以降の、多ジャンルとのクロスオーバーやメジャー化もうまくいったんだろうという気もしてきます。
さすがに手のひら返しはできないけど、20年を経てようやくチューニングが合ったような感覚です。今回書き下ろした新曲も、アルバム内に並べても違和感のない出来だし、バンドとしてもキャリアの選択肢が大幅に広がったんじゃないでしょうか。BMTHの面白さの再確認と、次に期待が持てる20周年企画だったと思います。
■QUICKSAND『BRING ON THE PSYCHICS』

アメリカ、ニューヨークのポスト・ハードコア・バンドの5作目。再結成後3枚目のアルバムにして、Equal Visionに移籍してのリリースです。
まぁもう説明不要ですよね。ニューヨーク・ハードコアにオルタナ由来のメロディや変則的なリズム等のアプローチを取り入れることで、二段も三段も進化させたバンドです。2012年の再結成後は、各メンバーの他活動もあってペースはゆるやかながら、しっかり活動を継続してくれているのはうれしい限り。
前作から5年ぶりとなるアルバムですが、再結成後の2作で見せていた実験的な方向性を引き継ぎつつ、初期の激しさや緊張感が戻ってきたような質感があります。ここ2作について、良し悪しとは別に「ウォルター(・シュレフェルズ/vo,g)の他のプロジェクトとの違いがわからない」という声が聞こえてくることもありましたが、今回はそういった人も納得しやすいんじゃないでしょうか。とはいえ7曲目のようなクリーンに歌い上げる落ち着いた曲もあったりと、QUICKSANDらしさとウォルターらしさのバランスをうまいこと成立させたような感じ。加えて研ぎ澄まされているというか、キャッチーなリフにもメロディにも必然性がある、ムダのないアレンジはさすが。尖った初期とまろやかな再結成後、どちらへの入り口にもなり得るアルバムだと思います。
ちなみに前回(2022年)来日の時期にサポートメンバーとして参加していたCAVE INのスティーヴン・ブロッズキーは、もうライヴに参加しておらず元々のスリーピース体制になっている模様。
■LOATHE『A STRANGER TO YOU』

UK、リバプール出身のメタルコアバンドの4作目。ここ何年かで盛り上がったdeftonescoreと言われる一派のひとつ…という印象だったんですが、これすごいですね。
Djent勃興以降のメタルコアに浮遊感や空間の広がりを付加した、アトモスフェリックな作風というのはたしかにそうなんですが、要素のバランスが大胆に見直されています。重量級リフはあくまでいち要素として扱われ(だからこそ、急にぶち込まれるリフの破壊力が際立って響いてくる)、代わりに息の長いリード的なフレーズや霧がかかったようなアンビエント的レイヤー、インダストリアルやEBM的なアプローチがより目立つようになっています。曲によっては、PINK FLOYDやTAME IMPALAにも通じるようなサイケデリックさが感じられる場面も。メンバーの発言には映画のサウンドトラックや芸能山城組(AKIRAのサントラで有名)からの影響もあるらしく、なるほどという感じ。ほかにもヒップホップやR&B等もスパイスとして混ぜ込むことで、さらに音のスケールを拡大。聴いた感覚ではメタルバンドというより、解散直前のスマパンだったりJESUだったりの方が近い印象だし、ULVERやMUSEなんかにもつながっていくような気もする。しかし何を言ってもどれも芯を食ったような感じがしない。捉えどころがないけれどわかりにくさはなく、聴くたびに何かしらの変化と、他ジャンルの解像度が上がっていくような気がします。
レビューするタイミング間違えたかも。繰り返し聴きつつ、いろんな角度から見られるように勉強したくなりますね。長い付き合いになりそうです。
<LINK>
DEVILDRIVER:https://devildriver.com/
BRING ME THE HORIZON:https://www.bmthofficial.com/
QUICKSAND:https://quicksandnyc.com/
LOATHE:https://astrangertoyou.com/

