bed山口の「あの頃Shady Laneと」第一回-up and coming-

bed yamaguchi

前身はNUTSという、NOFXやNO USE FOR A NAME等のUSメロディックパンクに強い影響を受けたバンドである。とは言ってもこのバンドは余りにも伝説すぎて僕は見たことはもちろん無いし、音源はチラっとテープを聴かせてもらったり、メンバーの結婚パーティーにて披露された曲を聴いたことがある程度。
しかしながら当時10代~20代前半で駆け出しであった10-FEETの初自主企画へオファーを受けたり(普通に断ったらしい)、REACHとSOBUTのスプリット「7songs」ツアーの京都編を企画したり(いきなり当時無名のCaptain Hedge Hogを追加ブッキングしたいと言われて焦ったらしい)とかなりハイセンスなバンドだったことは間違いない。実際チラ聴きした音源でもUSメロコアを自然に取り入れつつも憂いのあるメロディーと、確かな技術に裏打ちされたエネルギッシュなギタープレイが印象に残っている。
このバンドにてBa,Voを担当していた干川氏とGuの福本氏(二人は幼少期から行動を共にする幼馴染でもある)が後に結成したのがWorking Class Heroというバンドだ。
Sunny Day Real Estateに強い影響を受けた大きなエモーショナル・ギターサウンドに干川氏の儚げながらも所謂「emo」という型にははまらないメロディーセンスが合わさっており、当時20代前半と考えると恐ろしく早熟だ。今やセレブ青年実業家ZOZOTOWN代表として超有名になったSWITCH STYLEのYOU×SUCKこと前澤有作氏によるレーベルNO CODEより、DRUMKANとのスプリットシングルを経て初にして最後の単独作『It’s still there』を発表。今聴いても色褪せないのはやはりメロディーの強度が抜群であるからだと痛感する。この名作で当時盛り上がりつつあったemoシーンとの接点を築きつつも、あくまで孤高かつ確固たる地位へとたどり着いていく。

UP AND COMING

ジャケットのやるせなさが凄い。

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