入場無料の都市型フェス〈THE M/ALL〉を実現させたオークラ氏にインタビュー (前編)

THE M/ALL

<序文:Yoshinobu Yada>
THE M/ALL。やはり気になるフェスであった。SEALDsの元メンバーと元FRUITY/12XUのオークラさんが主催者として名を連ねているのもやはり見逃せなかった。私が大好きな田我流やDYGL、知人のODD EYESもでる。しかし、当日は子守でいけなかった。とおもったら、会社の同僚でハズミズム主催の橋本君が行っていた。非常に橋本君はこのフェスに感銘を受けたようで記事を書きたいと申し出てくれた。それなら、インタビューもしてみようと。ということでTHE M/ALLの主催者オークラさんに突撃インタビューしてみました!昔、FRUITYはよく観に行っていたし、オークラさんが今、どんなことを考えているのか知りたかった。会ってみるとオークラさんはFRUITY解散後にやっていたTWINKLEのメンバーであり、私のやっていたLINEと対バンしていたということがあり、初対面ではなかったことに気づいた!非常に気さくかつ、温厚な方で、濃厚なインタビューができました。それではハズミズムの橋本君のインタビューでGO!

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音楽フェスの本格シーズンの到来を目前に控えた5月末、渋谷で新たな都市型フェスが産声をあげた。音楽xアートx社会をひとつにつなぐ“カルチャーのショッピングモール”というコンセプトを掲げて誕生した祭りの名は〈THE M/ALL〉。MAKE ALL(すべてをつくる)というメッセージも内包するこの新型フェスは文字通り、フェスのシステム自体を刷新する画期的な取り組みにチャレンジしたことでも話題を呼んだ。なんと“入場料無料”を目標に、クラウドファンディングで支援者を募ったのだ。CAMPFIREでその全貌が明かされるや、賛同者から多くの支持を集め、クラウドファンドでは見事に目標額(=450万円)を上回る600万円もの資金を調達し、宣言通り“無料開催”を実現させた。

音楽ライブの出演者も、水曜日のカンパネラの〈コムアイ〉やASIAN KUNG-FU GENERATIONのGotch率いる〈Gotch BAND〉をはじめ、〈田我流〉〈Awich〉〈Bullsxxt × 仙人掌〉〈BudaMunk〉など、HIP HOPヘッズも唸る豪華アーティストが名を連ね、開催前から話題を呼んだ。また、カルチャーイベント「Making-Love Club」が主体となり、30時間ぶっ通しでトークセッションを行うなど、ライブ以外のコンテンツでも注目を集めた。

音楽だけではない多様なファクトや多彩なアプローチが絡み合った〈THE M/ALL〉は、社会というキャンヴァスのなかで、どのような色を遺せたのか? この新しい時代の挑戦に満ちた都市型フェスの全容を探るため、主催者のコアメンバーである12XU(元FRUITY)のオークラ氏に話を訊いた――

インタビュー・文:ローリングクレイドル・ハシモト

〈12XU〉オープンまでの軌跡。消えることのなかったバンド活動への思い――

――まずは、オークラさんのこれまでのキャリアを教えてください。

オークラ「20代の頃は広告業界に携わっていました。デザイン事務所を転々としながら広告デザインの仕事に就いていたのですが、仕事をしながら妻と二人で〈DELTA〉というウィメンズのセレクトショップを開きました。開業して2年目ぐらいから軌道に乗ってきたので、会社勤めを辞めて、お店一本にシフトしました。〈DELTA〉は今年で15年目になります。その後2011年に〈12XU〉というメンズラインのセレクトショップも開き、現在は代々木上原で2店舗を運営しています。店での役割は主に、バイヤーとディレクターという感じです」

――音楽活動などのキャリアも教えていただけますでしょうか。

オークラ「大学生の頃に〈FRUITY〉というスカパンクバンドに在籍し、ベースを弾いてました。FRUITYの解散後は〈TWINKLE〉というモッドパンクバンドをしばらくやっていたのですが、その後は長い間、音楽活動から遠ざかっていました。でも、今年からバンド活動を再開しまして…」

――オークラさん主体ではじめられたのですか?

オークラ「そうですね。元々は自分のバンドというより、女の子のバンドをプロデュースしてみたいなという気持ちがありまして。今、アメリカの東海岸で〈Firewalker〉や〈Krimewatch〉という新世代のガールズ系のハードコアシーンが盛り上がってるじゃないですか。ああいうのを誰かにやらせたいなという思いがありまして(笑)」

――仕掛ける側にまわりたいと(笑)

オークラ「はい。この年になると、もう仕掛ける側にまわらないといけないなと思いまして(笑)。それで、若いコにいろいろ声をかけてみたのですが、10代、20代のコたちって思っていた以上にハードコアのことを知らず、なかなか話が通じませんでした(笑)。そんなこんなで行き詰まっていた時、ちょうど〈TADZIO〉というバンドにいたモモちゃんと知り合いまして、ヴォーカルのオファーをしました。そしてイメージを膨らませて曲を作っていくうちに、気がついたら自分もバンドをやることになっていました(笑)。一応ほかのメンバーも紹介しておくと、元BREAKfAST/現DREADEYEのケミー君がギターで、REDNECKSのエビネ君がドラム、ボクがベース担当で、ただいま絶賛練習中です。結果、全然新世代ではないです(笑)」

――やはりハードコアをやられるのでしょうか?

オークラ「そうですね。サウンド的には80年代ジャパニーズハードコアのようなバンドをやろうと考えています」

矢田「日系人の女性ヴォーカルを擁した〈Krimewatch〉などは、まさにComesなどの80’sジャパニーズハードコアの影響を受けているバンドですよね!」

オークラ「ジャパニーズハードコアとかユースクルーとかオールドスクールの影響を受けつつも、新しいノリを出しているところが魅力的ですよね。おそらく、ああいったノリは〈G.L.O.S.S.〉以降の感じなんでしょうね」

矢田「たしかに! ちょっとオシャレだったりしますよね。〈Firewalker〉のライブ映像も見ましたが、若い女の子たちがすごいモッシュしてて新しい波が生まれてると思いました!」

オークラ「余談ですが、〈Firewalker〉のヴォーカルのコと〈Krimewatch〉のベースのコは双子の姉妹なんですよ。なので、シーンはそんなに広くなくて、みんな繋がってるんですよね。自分のバンドも海外のシーンとリンクできるようなサウンドを構築できたらと勝手に理想を描いていますが、まだどうなるか全然わかりません」

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