川瀬拓郎のメロディック道場 reloaded vol1

takurock

—閑話休題—

どんな金持ちにも貧乏人でも平等に時間が過ぎ、死が訪れる。

昨年は、よく一緒に仕事でお世話になった同年代のスタイリストが白血病で亡くなってしまった。また、とある友人のお子さんが長く生きられない先天性の難病を抱えていることを知った。もっと前まで遡れば、自らのガン体験を綴ったブログが書籍化された同僚がいて、テレビ出演までして有名になったなと思っていた矢先に早すぎる死を迎えてしまった。40歳を過ぎると、結婚式や出産祝いよりも病気や葬式の知らせの方が多くなる…。

結局のところ、誰も病から逃れることはできない。

長く生きることだけが人生の目的などではないし、一日一日を悔いのないように生き抜くことを自分に言い聞かせる。もし自分が大病になって、今までの不摂生を悔いても遅いのは分かりきっている。むしろ自分が大切にしたいと思うことは、どんな人と関わって、どんな風にその人の記憶に残るのか…。この不条理なことが渦巻く世の中で、ほんの少しでも自分の居場所を見つけられたのなら、それは最高の瞬間なのだろう。

自分にとってそれは、音楽と映画と気が向いたときの読書であった。これからも言いたいことを言い、やりたいことをやり続け、自分勝手に生きていこうと思う。例え他人から何と言われようが、知ったことではない。もちろん失敗や反省ばかりなのだけれど、周囲の空気や体面ばかり気にして何もやらないのでは後悔ばかりが残る。どうせ自分はかっこいい人間でもないし、他人に誇れるようなことは数少ないのだから。それはパンクロックが教えてくれた最高のメッセージのひとつ。例えば、冒頭で挙げた“Do Anything You Wanna Do”は、まさにそういう曲。

自分にとっては、それこそが最善の健康法なのだから。

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