MIRRORキモトのいつだって生涯原液 ~ コイめ・オオめ・カタさはフツーで ~ vol5

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ここからはバンド内の話になるのですが、若いころは、バンドメンバーに熱意・本気度を求めがち。その熱量が揃ってないと、そのメンバーはやる気がないヤツと思われて、他のメンバーからは足手まといのように思われて、オマエ、やるの?やんないの?どっち?という展開。かくいう私にもそういう時期があったのも事実。
今のバンドでドラムを叩くフクヤマとは、十数年前に別のバンドを組んでいて、彼は大学の後輩ということもあり、当時はある程度のタテ感強めな感じ。彼はスタジオに遅刻することも多く、時間キッチリ派な俺からすると、遅刻=やる気ないと見なしてしまって、ある日、遅刻してスタジオに入ってきた彼の胸倉掴んで壁に押し付け恫喝してからの練習@新宿ペンタという時もあった。
やがてバンドは解散し、それぞれ別のバンドを組んだり、彼は一時音信不通になったり、かと思えば、またバンドやりたいというようになり、今のバンドでドラムを叩くようになったり。
何年か前に、彼がバンドを辞めたいという話をしてきたことがある。理由の明記はしないが、簡単にいうと、生活部分とバンド活動の折り合いが難しい、と。
きっと、十数年前なら、オマエのやる気ってそんなもんなら、やめれば、イラネ、だったかもしれない。イカロス的対応。
けれど、その時には「少しでもバンドやりたいとか、ドラム叩きたい、だけど、今は生活のほうが優先で、やむを得ず、諦めなければいけないっていうんだったら、辞めんな。心からバンドもドラムも興味ない、どうでもいいっていうならしょうがないけど、少しでもまだ本当はやりたい気持ちがあるなら辞めないほうがいい。きっと、後悔するよ」と伝えて引き留めた。
オマエのそのスタンスにバンド側が合わせるし、きっとこれから先も、自分も他のメンバーも同じような状況になることがあるかもしれないし、その時はオマエの立場になるかもしれないから、だから、バンドを続けられるようにする手段をメンバーで考えよう、と。

イイ歳して、そういう青臭いやりとりをしたんですよね。

メンバーともあれこれ話して、一切否定的な意見もなく、やれるように考えながらやってこうとなり、今に至る。

メンバーもみんな30代中盤~後半。それぞれの社会的生活基盤がある。仕事であったり、家庭であったり。四六時中バンドのことばかり考えているわけにもいかない。バンドのことよりガッキーの恋ダンス見てニンマリホカァ~してるほうが有意義な今。

もっと、ざっくばらんに言うなら、四六時中バンドのこと考えるのは嫌だし、数あるいくつかの関心事のひとつとしてバンドがある、ということだろう。オンナ・ラーメン・バンド

バンドを好きでやっていくためには、バンドが実生活の中で重い負担にならないようにするという感覚になっている、そういうお年頃、落とし所。

手を抜く、とも違う感覚。スタジオに入り練習すれば、お互いのプレイを褒めたり、はたまた、もっとああしろ、こうしろと言っては不穏な空気になったり。それはそれは真剣そのもの。

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