未開の地・群馬にて吹き荒れた新たなるハードコアの息吹!!

群馬レポート

Guilty Forestという非常に緻密、濃密かつ膨大な量の激情ハードコアを中心としたレビューサイト(emoからJ-POPまで非常に幅広いです)があるのをご存知でしょうか。そのGuilty ForestさんからLIVEAGEにありがたいことに寄稿をいただきました。しかも、東京人にとっては未知の土地である群馬のハードコア企画のレポートです。

2017/9/23 @群馬SUNBURST

text by Guilty Forest

東京・名古屋・大阪といった大都市圏のみならず、日本全国には素晴らしいバンドが数多く存在する。
北海道や福岡といった地は、現在も素晴らしいバンドばかり生みだし、決して人口が多いとは言えないローカルな地域も個性あるバンドが活動を続けている。
東京という日本で最も多くの情報が常に交錯する様な都市に住み、その東京のライブハウスに行けば、都市圏のバンドのみならず、ローカルの素晴らしきバンドが東京バンドとガチンコの殺し合いを果たしている。
実際に青森のkallaqri、新潟のANCHOR、金沢のThe Donor、他にも多数のローカルを根城にするバンドはもっと多くの人に知られても良い存在だ。
その中で今年の4月のBROILER×TRIKORONAのスプリットリリースパーティに参戦した群馬を拠点とする若きネオクラストバンドixtabは僕に強烈な衝撃を与えた。
演奏自体は粗さこそあったが、全方位に放たれる圧倒的熱量のライブパフォーマンス。今は亡き姫路のsekienの影響を感じさせながらも、自らのネオクラストを確立させようとする気概。ささくれ立ったサウンドには予備知識無くライブを拝見し、惚れてしまった。
そんなixtabが地元高崎にて自主企画を先日開催した。
共演バンドに僕が大好きなTRIKORONAとSTUBBORN FATHER(大阪)が名を連ねていたのも大きいが、東京ではなく、群馬というローカルに足を運ぶことによって、東京では分からない何かを感じ取ることができるのではないか。そんな初期衝動に動かされ、今回は群馬SUNBURSTまで足を運んだライブレビューをここに記させていただく。

JR赤羽駅から高崎線特別快速でJR高崎駅まで約一時間半。なぜかインターネットでは『未開の地グンマー』などとネタにされる事が多い群馬県へ向かう僕は、文字通りこれまで行ったことのない個人的な未開の地へ出向くワクワク感にあふれていた。マイメンに高崎まで行く事をLINE で伝えたら「首刈り族に気をつけろよ。」ってひどい返信が来たのもここに書いておこう。
16時ちょっと過ぎにJR高崎駅に到着。せっかくだから御当地グルメ的な物を食べようと思い、駅内のフードコートにて群馬の有名イタリアンレストラン『シャンゴ』のシャンゴ風パスタ(TOP画像を参照)を食べる。
こちらのシャンゴ風パスタはミートソースにトンカツをトッピングした物で、お肉がたっぷりで濃厚なミートソースと、絶妙な茹で加減でおいしい麺をトンカツと一緒に食べるという、「おいしいもの×おいしいもの=すごくおいしい」の発想から生まれたエモヴァイオレンスな逸品でした。ぜひとも群馬に訪れた際はご賞味あれ。
そして食事を済ませて、初めての土地で少し迷いながらも無事に群馬SUNBURSTへ到着。
3階は広いバースペースで出演バンドの物販が並んでおり、転換中の休憩にはもってこいの場所、その一方で4階のライブフロアはステージもフロアもなかなか狭い。しかしその密室感は独特の雰囲気があった。

・piss all overs

トップは今回初見の秩父のpiss all overs。今回主催のixtabとのスプリットをリリースした事もあり、この日はリリースパーティな意味合いもあっただろう。
編成はドラムとギターボーカルのみの2ピースであるが、そのサウンドは編成以上に異質すぎる物だった。
どういう機材を使えばこんな音が出てくるんだというキテレツなギターの音がまず耳に残ったが、それ以上にショートカットな楽曲をノンストップで繰り出すスタイルに頭の理解が追いつかない。
サンプリング的なセンスを感じさせながらも、鹿コアのバンドに通じる愛すべきポンコツさ。
しかしながら奇妙なビートとフレーズの連続に奇妙な場所に迷い込んでしまった感覚に襲われた。
ライブはたった15分ほどではあったが最初からインパクト大であった。

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