入場無料の都市型フェス〈THE M/ALL〉を実現させたオークラ氏にインタビュー (後編)

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――社会派でいうと、WWW Xのオープニングアクトを務めた〈Gotch〉さんもさまざまな社会活動に対してコミットされているアーティストの一人ですよね。CAMPFIREでクラウドファンディングページを立ち上げた頃から応援コメントを寄せてましたが、Gotchさんは早い段階から出演が決まっていたのでしょうか。

オークラ「そうですね。おそらく、奥田君がGotchさんの出演する〈NO NUKES〉フェスに呼ばれた経緯もあって、この企画が立ち上がった段階からアドバイスをいただいていたりしてました。なので、実は〈NO NUKES〉フェスの流れも、ちょっと入ってたりするんですよね…」

――フェスのやり方みたいなところを、Gotchさんからアドバイスされた感じでしょうか。

オークラ「そうですね。最初のコンセプトづくりやブッキングなど、要所要所でお世話になりました。Gotchさんは東日本大震災後のカウンターカルチャーにおける重要人物なので、大切な繋がりだと思います。とか言いながら個人的にはお会いしたことがないのですが…」

――役割が多岐にわたると、なかなか演者さんと個別の挨拶をする時間も取れないですよね。

オークラ「そうなんですよ、ちゃんとご挨拶したかったのですが…。ただ、本当に〈THE M/ALL〉開催までの流れのなかで、Gotchさんは重要な存在だったと思います。もちろん知名度もありますし、ブランディングと言っては語弊があるかも知れませんが、〈THE M/ALL〉というまだ誰も知らないイベントを周知させる上で、安心感を与えてくれたと思います」

――オークラさんが当日ご覧になったライブアクトのなかで、一番印象に残ったアーティストはどなたですか。

オークラ「ボクは裏方だったので全部は観れていませんが、〈Awich〉さんは印象的でしたね。それと〈odd eyes〉はプッシュした立場上、“ちゃんと観ておかないと”と思い、しっかり観ました(笑)」

――〈odd eyes〉とコラボ出演した〈CARRE〉も、浮遊感のあるRAWなインダストリアルサウンドで空間を支配し、最高にヤバイ音で存在感を出してましたね。

オークラ「〈CARRE〉と〈odd eyes〉がセッションっぽくやったあのRAWな感じは、ほんとヤバかったですよね。お客さんも最初はキョトンという感じでしたが、みんなだんだん動き出していって、最後はモッシュになるという、一連の流れが凄くよかったです」

――〈CARRE〉とのコラボレーションもオークラさんのアイデアですか?

オークラ「いいえ、実はデザイナーとしても活躍している〈CARRE〉のMATERIALさんは実行委員会のコアメンバーなんですよ。今回もデザイン全般を担当していただいたのですが、開催の一週間前ぐらいになって、『あれ、そういえばMATERIALさん出ないの?』みたいな話になりまして(笑)。急遽出演が決まりました。もともと〈odd eyes〉の曲のなかに〈CARRE〉の存在を意識して作った曲があったと聞きました。コラボレーションは必然といえば必然だったんだと思います」

――あのライブはインプロだったんですか?

オークラ「一緒にリハーサルをしたわけではなく、電話で打ち合わせしただけだと言っていました。なので、ほぼ即興に近いのではないでしょうか」

――まさに〈MAKE ALL〉という主題を体現したようなライブでしたね。お客さんのモッシュも凄かったですし、ああいう爆裂する空気感をフロアに生み出せたのは、オークラさんのブッキングの賜物かと。

オークラ「いえいえ、〈odd eyes〉と〈CARRE〉という恐るべき若き才能の賜物です」

――〈Awich〉さんについても感想をお聞かせください。

オークラ「『こん中に渋谷のボスどんだけいんの!?』とお客さんをアジっていて、とにかくカッコよかったですね。最初、渋谷のボスってなんだろう?とか思いましたが、『お前ら一人ひとりが、お前らにとってのボスなんだよ!』と畳み掛けてきて、これって主権在民みたいなこと言ってんのかな? カッケーな、みたいな(笑)」

――容姿も端麗ですし、ファッションも攻めてて、〈Awich〉さんのようなオーセンティックなフィメールラッパーはやっぱり存在感がありますね。

オークラ「まさにステージ映えしますよね。ああいう煽り気味のMCの後に、完璧な曲をヤラれると、やはりグッときますね」

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