地下で繋がる、日豪の絆。新興ツアーカンパニー、Fortitude Artist Servicesインタビュー!

遠くない将来、オーストラリアのアンダーグラウンド・シーンは、良質なバンドの産地として認知されていくようになるかもしれない。そのきっかけとなるに違いないのが、Fortitude Artist Servicesだ。これは東京のハードコア・バンドNoLAのTakeru(vo)と、JACK THE STRIPPERのメンバーとして2度の日本ツアー経験を持つオーストラリア在住のルーク(vo/現TRAUMA BOND)が立ち上げたツアーカンパニー。昨年から、オーストラリアのバンドの来日ツアーを立て続けに実現しており、毎回外れのない企画を打つ存在として知名度を広げている真っ最中だ。今回はFortitude Artist Servicesの日本代表として、Takeruにインタビューを実施。自身とオーストラリアの関係、今後の野望、そしてシーンへの強い想いを語ってくれた。

Takeru(左)&ルーク(右)

――Takeruくん、ひいてはNoLAとオーストラリアの関係というと、2014年にNoLAがオーストラリアをツアーしたことが発端になるのかな?

「そうですね。元をただせばそうなるんですけど…もうあれも2014年なのか(笑)。初めてオーストラリアに行ったときは、BATEMANっていうバンドが仕切ってくれたんですよ。ベースのやつが日本に遊びに来たとき、NoLAのライヴを観てくれて、それで誘ってもらいました。そのツアーの初日に、メルボルンでルークがやっていたJACK THE STRIPPERと対バンしたんですけど、彼らには衝撃を受けましたね。とはいえ、そのときは軽く話した程度で、そんなに仲良くなったわけではなかったんですけど。でも1年くらい経ってから、“NoLAといっしょに、日本を廻りたい”って連絡をもらったんです。それで2015年にツアーを企画しました。そのツアーでルークたちと一気に仲良くなって、次の年にもう一度日本ツアーをやったんですね。そこでまたさらに仲良くなって…。でも、今みたいにツアーカンパニーを組もうって話が出たのはもっと後で。具体的に話が持ち上がったのは、去年の夏のSUNDR(サンダー)のツアーのときですね。あれがVol.0みたいな感じで」

――オーストラリアのハードコアやメタルのシーンはどうだった?

「僕らが行ったときも、そこまで盛り上がってる感じではなかったですね。バンドはいるし、面子や内容によっては盛り上がる日もあるんですけど。僕らが行ったときは、いろんな街を廻ったんですね。それこそ田舎のすごくちっちゃいところとかも。その土地ごとのローカルなイベントが多くて、各地で頑張っているバンドもいるけど、お互いにそこまで強く繋がっているわけでもないし。そういう意味では、少し日本に近いところもあったと思います」

――ルークはバンドとしてだけじゃなくて、プライベートでも何度も日本に来ているよね。日本の何がそんなに気に入ったんだろう?

「やっぱり、オーストラリアだけでやるのではなくて、ほかの国のパンクやハードコアのシーンと絡んでいきたいっていう気持ちだったみたいです。そういったエクストリームでアンダーグラウンドな音楽については、日本のシーンがすごいっていう印象を受けたんじゃないかな。それが超親日家になるきっかけというか、そんな感じだと思いますね」

――さっき、去年の夏に日本をツアーしたSUNDRが、Fortitude Artist Services(以下Fortitude)を立ち上げるきっかけだったって言ったよね。あれはどんな経緯で決まったの?

「ルークから“オーストラリアにSUNDRっていうバンドがいるんだけど、日本でツアーをさせてやってくれないか?”っていう話があったんです。それで、僕とMakino(g/NoLA)といっしょに日程を組んでいきました。Makinoは新松戸にあるFIREBIRDの元スタッフっていうこともあって、今もツアーでいくときは連絡をお願いしたりもしていますし」

――そのSUNDRで手応えがあったから、ツアーカンパニーをやろうっていうことになったのかな?
「手応えというか…楽しかったですからね。SUNDRのほかにも、ルークからオーストラリアのいろんなバンドが日本に行きたがってるっていう話が来たんですよ。それじゃあ、いっしょにツアーカンパニーを作って、もっと日本とオーストラリアのシーンをごちゃ混ぜにして、盛り上げることはできないかなという話を、SUNDRのツアーのときにルークと話し合ったっていう感じですね」

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