THINK ABOUT FUTURE vol.5 (BROILERインタビュー)

さて最後はあのクールなジャケットをデザインしたじょうたさんのインタビュー、ただのインタビューではなくじょうたさん得意の!?プロレス的というか寸劇的というか独自の場所設定やキャラ設定がほどこされた内容になっていますが思いっきりメールでのやりとりなのでご安心ください(笑)そして一体佐藤穣太とは何者なのか?とあまり悩まず、ヌケよくイキオイよく読んでもらえればと!!ちなみに私のバンドTHINK FIX のロゴもデザインしてもらうなどお世話になっております。(前身のTHINK BRIGADE のロゴやCDのジャケットも)

– – – –

田端くん困るよ〜! いま大事な時期なんだよね。
今度出るSuchmosのジャケットデザインやceroの大規模な広告展開に携わってて、このタイミングでLIVEAGEやBROILERに関わってるのがバレたら仕事に支障をきたすのわかってる?
クライアントから蔑んだ目で見られたくないんだって!
ま、コンパル(名古屋ローカルの喫茶店。ソファーの上に正座で座るおばさん、タバコの煙でモクモクの店内など昭和マナー全開)の
エビフライサンドにつられて名古屋まで来た自分にも責任はあるけどな!

コンパル(大須店) 参考

—BROILERというバンドの印象はいかがでしょうか?じょうたさんが普段触れている音楽とは違う雰囲気だと思いますが?

そうだね、確かに普段聞いてるのはハウス、しかもビートダウンハウスやディープハウスという狭いジャンルのものだね。
そもそも僕は88年くらいまでのハードコアが好きで、90年代のハードコアには熱中してないんだ。好きだったのはNo Commentくらいで。
今回のCDの帯に「ベスチャル パンク メタル」と書いてあるけど、「パンク」と「メタル」はわかるからOKだと。
「ベスチャル」って意味はわからなかったけど、矢田くんが流行らせたい雰囲気を出してたから、ここは頑なに調べなかったよ(笑)。
普段は詳細に調査して仕事を進めるタイプなんだぜ(笑)。
おっと質問は何だったっけ、BROILERの印象か。
この手のジャンルに詳しくない自分にも、様式からハミ出してるBROILERの鬼っ子感はわかる。
こういうボーダーを越えていくバンドは好きなんだ。コースケ君が急に裏声になるのも必然性があっていいんだ。
あれは、良いなと思ってる女の子に急に声をかけられて声が上ずったくらいの説得力がある。

—デザインをするにあたり受けたオーダーやじょうたさんが意識した事を教えてください

矢田くんも平日は出来るサラリーマンとして働いてるから、打ち合わせはスムースだったよ。
ジャケットに使う素材(写真やロゴなど)を綺麗にフォルダ分けしてデータでくれたからね。
BROILER的には人間の皮膚で作ったズタ袋から『死霊のはらわた』に出てきた死者の書みたいなメモ帳で打ち合わせをするべきだとは思ったね。

死者の書 参考

それはともかく、矢田くんからはナパーム・デスの日本盤のイメージ、

イメージカラーはグリーンでとオーダーされたよ。
写真はフィルムで撮ったような加工をして、色味も青かぶりにして寒々しい印象にしたんだ。
最近のデジタルカメラは綺麗に写りすぎるよ。撮っている時に気が付かないものまで写し取っちゃうんだから。

—以前から矢田さんの持つ狂気(笑)を高く評価していたじょうたさんですがBROILERの他のメンバーで気になる人はいますか?

矢田くんから狂気は感じないぜ。真面目だし、仕事も丁寧で、エネルギッシュだ。
その力量を向ける方向が仕事だったら立派なサラリーマンになっていたと思う。そう思うと音楽って人生を狂わせるよな(笑)。
BROILERの狂気の源はコースケ君だ。田端くんも数々のエピソードを知ってるだろ?
普段は相当堅い仕事についてるのもいい。限定7インチのジャケットのイラストを見たかい?
あれはコースケ君によるものだけど、狂気が内包されているよね。
アウトサイダー・アートや犯罪者の残した絵を見た時と同じような印象を残すんだ。

—じょうたさんのメタル遍歴を教えてください。
世代的にはアンスラックス初来日にスケボー持って行って入り口で預けさせられた世代だと思いますが?

小5の時に4つ上の姉がパンクにハマったんだ。ピストルズやクラッシュ、シャム69、ジャムなんかを聴いたけど
意外に「ロック」で、自分の思っていた過激さとは違うと思ったんだ。UK SUBSは少しカッコ良いと思ったんだけど。
それで、その当時は全盛だった貸しレコード屋で「掘る」ことを始めたんだ。
ある日、アンテナに引っかかったのがアイアン・メイデンの1stだったんだ。ジャケに怖い絵が描かれてるって理由だけでね。
借りてみようかジャケを眺めながら悩んでる時に、高校生が「良い趣味してるね、それ最高だぜ」って話かけてきたんだ。
そいつは高校生なのに口ひげを生やしてた。学ランを着てるのに。
その時に本能的に「ヤだなあ」と思ったんだよ(笑)。
そいつの目もあったからメイデンの1stを借りて帰ったんだけど、やはり自分の求めてる過激さとは違ったんだ。
その後、本屋で宝島のラジカルスケートブックを見つけて、広告に出ていた下北沢のバイオレントグラインドに行くまでは
そんなに時間はかからなかったな。その話は今度の機会にしようよ。
エビフライサンド、ごちそうさま!
(2018.6.2 コンパル栄店にて)

いかかでしたでしょうか?なぜ横浜出身のじょうたさんがコンパルという名古屋ローカルな喫茶店の名前を出してきたのか?コメダではなくコンパルをチョイスする辺りのセンス…やはりじょうたさんからも狂気が漂っていると感じずにはいられません。(笑)

こうして全てに目を通してみると改めてコウスケ君によって引き起こされた化学反応がBROILER に眼と耳を強く惹き付けられる原因になっていると確信できます。こうして作品や彼らの言葉や想いに触れた後、ライブを体験するとどういった感情が呼び覚まされるのか?彼らの復活の日を待ちたいと思います。

1 2 3