――SUNDRの曲は、基本的には長いよね。以前MASTODONのメンバーが「その曲が求める長さというものがある。俺たちはそれに従っただけだ」と言っているのを見たことがあるんだけど、どう思う?
スコット:完全に同意する意見だね。長い曲を書こうとはしていないけど、少しずつ緊張感を高めながら、物語を表現するためにこれだけの時間が必要なんだよね。僕たちは決して世界一ヘヴィなバンドではないし、ときにはヘヴィさを押さえ込んだりするのが、ストーリーをしっかりと表現するのに効果的なんだ。曲は長いけど、構造そのものは実はシンプルだし。
――曲名に「Prey(獲物)」「Talons(鉤爪)」という言葉が出てくるね。スコットはベジタリアンだったはずだけど、自然や動物の食物連鎖といったことがテーマになっているのかな?
スコット:曲のタイトルは、自然、それも捕食者と被食者から着想を得ているんだ。アニマルライツや現代社会の過剰消費は、僕にとっても身近なテーマだし、そういった個人的な戦いの比喩として、歌詞でも表現しているよ。この2曲は同時進行で作ったんだけど、その一ヶ月くらいは、メンバー全員にとって暗く、ストレスに満ちた日々だった。心身それぞれの病気が、僕たちの大切な人たちに降りかかってしまってね。“I Am Your Prey”は、さまざまなネガティヴなエネルギーに落とされて、見えない敵と戦っているような感覚について歌っている。“Talons From Within”でも同じものを取り上げているけど、こちらではより深くフォーカスしている。不安というのは、ときたま自己嫌悪に変化することがある。心の内側で、自分の心を引き裂くような苦痛を指しているんだ。でも、歪んだ反射から真実の自分の切り離す決意のことでもある。
――実はこのインタビューの時点では、今回のスプリットのタイトルやアートワークはまだ見れていないんだけど、どんなものになっているのかな?
スコット:タイトルは最初英語で考えていたんだけど、日本語に訳したときにしっかりと同じ意味を伝えるのが難しくてさ。今回はシンプルに『SUNDR : REDSHEER』にした。それぞれの曲のタイトルが、僕たちのストーリーを的確に伝えてくれるはずだよ。それに、サイダ・テッペイ(Outpsyde)のアートワークは、両バンドの音楽を完璧に形にしてくれていると思う。ダークで、神秘的で、それでいて自然が根底にある。仕上がりには本当に満足しているし、ハッピーだよ。
――このスプリットをリリースした後の活動予定は?
スコット:来年早めのリリースを目標に、次のアルバム制作に戻るつもりでいるんだ。もちろん、REDSHEERとお互いの国でいっしょにやることも考えているよ。REDSHEERがオーストラリアのオーディエンスに食らわせるのを考えると、今からめちゃくちゃ興奮するよ。当然、僕たちも早いところ日本に戻りたいしね。そのためにはいろいろとやらなければならないことも多いけど、2019年には実現させたいね。