サブスクリプション音楽サービス(音楽聴き放題サービス)は悪なのか?善なのか?

2)「水道水」と「富士の天然水」

1903年に日本ではじめてレコードが販売され約100年以上「音楽を録音してパッケージしてお店で売る」という主流でした、バブルもありまたした。それが2020年を迎える前には次の形になろうとしているのです。

今、音楽はYoutubeやサブスクリプションで手に入ります。
言い換えると、水道のようなもので、インターネットというパイプがあれば誰でも手に入る”水”のような感覚になってきていると思います。
でも水道水なので質は悪いです。WAVデータではなくmp3が主流で、CDやレコードにくらべると情報量が少ないです。Spotifyは歌詞をデジタルで表示できますが、その他のクレジット情報もありません。サンクスリストもありません。紙質も分かりません。
私は上質な水、たとえば「富士の天然水」を飲みたいときはやはりCDやレコードを買います。

宇多田ヒカルなどは新譜をサブスクリプションしない派なので買うしかないのですが、やはり、最高音質な音でどうしても聴きたいと思わせるくらいなのは彼女か、ニール・ヤングをはじめそう多くはないです。
あと、特別なマスタリングやレコーディング方法をしたもの。オープンリール録音からデジタルを介さずLPを作っている作品(DAFT PUNKの最新作とか)などです。

ニール・ヤングはサブスクリプション(というかMP3)に対して非常に怒っていて「ミュージシャンがミキシングルームで聴いている5%の情報しかMP3には入っていない!」と言っています。参照記事
確かに情報量はそうかもしれません。でも耳が段々とmp3に慣れていくのが怖いです。
しかしサブスクリプションもブロードバンドの発展とともに音質があがってきています。

ちなみにSpotifyはナップスターの失敗と罪(METALLICAにめっちゃ怒られたサービス)から産まれたサービスではありません。Spotifyはスウェーデン人が音源データを不正にUPしつづける悪質リスナーに対抗するために考えたサービスです。そこはすごく重要で、2010年頃にはあらゆるサーバーにあらゆる音楽の不正コピーがアップされていました。
不正コピーをアップすると表示された広告で、悪質アップローダーにお金が振り込まれるようなシステムもありました。そこを打破するために、Spotifyは全ての音源を無料で聴けるようにした。しかし、定期的に広告の音声が入るし、アルバムの曲順に聴けない。
無料ユーザーだけになると思われたが、サービスの質が素晴らしいことから1億7000万人の会員を抱え、今では7500万人の有料ユーザーを抱える。
しかしそこから権利元レーベルに正確に支払いをする(ここがJASRACと大きな違い)のでSpotifyの利益率は驚くほど低い。

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