サブスクリプション音楽サービス(音楽聴き放題サービス)は悪なのか?善なのか?

3)悩めるアメリカのバンド

アメリカのバンドは新譜でも躊躇なくサブスクリプションでリリースします。
新譜リリースはレコードやCDやカセットを売るチャンスなのに。
彼らはツアーをするためのプロモーションの一貫としてサブスクリプションを使っているのです。もはや音源がツアーの為のプロモーションの道具なのです。
お客さんにまず曲を聴いてもらって判断してもらう。そしてツアーに来てもらう。
しかし、この方法は、一生、ツアーしまくらないといけないという辛い現実があるとMASTODONのBillは警告しています。

アメリカのヘヴィロックの雄MASTODONのBillはこのままではアーティストが滅びると警鐘を鳴らします。「違法DLが問題となり始めた時、レコード会社は将来を見据えて対策を取るべきだったんだ。しかし彼らが唯一行ったことはApple, Spotifyの優秀なビジネスマンに権利を丸投げすることだけだった。」記事参照
サブスクリプションから得られる報酬は非常にすくないのです。
Spotifyは一曲の再生で0.4円ですから。一人から2000円もらおうとしたら、5000回聴いてもらわないといけません。アルバムだとしたら、一人が500回聴いてやっとCDが一枚売れたと同額くらいですね。厳しすぎる。。。

サブスクリプション一回の再生でアーティストに入るお金(サービス毎)
・Spotify 0.4円
・Apple Music 0.8円
・Tidal 1.3円
・Amazon Music 0.4円

しかし、最近は海外に出ていく日本のバンドはツアーにいく数カ月前くらいに旧譜をサブスクリプションに開放しているような動きがあります。
THIS IS HARDCORE 2018に出演したNUMBがそうでしたね。参加するフェスティバルで観てもらうためにまず、試食してもらう。で、よかったら、ライブを観てもらって、気に入ったら最新アルバムのLPやTシャツなどのマーチャンダイズを現地のライブ会場で買ってもらうような感じでしょうか。非常に理にかなっているやり方で流石だなぁと思いました。(新曲EPも開放していて、アメリカ人が好きそうな”忍者”についての曲だったのも凄く工夫されてると思いました!)

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