Q)メジャーデビューしたときはGREEN DAYのような大ブレイクを望んでいましたか?
セルジー: Green Dayみたいになれるなんてことは無い、ことはわかっていた。Dookieがリリースされた時はまるでニルヴァーナが出てきた時と同じ本物の文化的イベントだった。色々な理由から俺たちのバンドはあのバンドでは無いとわかっていた。俺たちはもっとシリアスで、見た目も少し劣って、そしてダメなエンタテイナー。エンタテイナーになるには、素晴らしい曲があることは必然であるが、「見た目」が備わっていなければならない。そして自信たっぷりでプロのステージングが出来ないとならない。サムアイアムは自分自身を表現するのが常にへたくそだった。汚い服に、ダサいヘアスタイル、などなど。あとロックスターがするような照明やイントロなんかもしないし。サムアイアムはただ単純にステージにあがり、自分たちの表現も少し不器用で、もしくはとても一般的な感じになってる。(笑) そういう部分を好んでくれる人もいると思うし、他はただのガレージ・バンドと思っている人もいると思う。
色々いったけれども、もっと大きくなることを希望していたし、もっと宣伝活動みたいなことをしたかった。多少はTVやラジオには出たけど。そしてビッグツアーにも行きたかった。いすれにしても俺たち自身の目からはよくやったと見えるけど、Atlanticの目ではサムアイアムは大失敗(笑)。
Q)アトランティックから離れ、スウェーデンのBURNING HEARTとの契約しますが、どういったきっかけでBURNING HEARTと契約したのでしょうか。この時期、日本にはBURNING HEARTのCDがとても流通しており、このアルバム”You Are Freaking Me Out”をきっかけでSAMIAMのファンになった人が多くいます。
セルジー: スウェーデンのフェスに出たときにミレンコリンと仲良くなった。Atlanticから首になった悲痛の嘆きをしたら、北米以外の市場の販売権利をBurning Heartが買うという手配をしてくれたんだ。Atlanticは北米市場しか興味が無くて、またBurnign Heartも聞いたことも無かったから超安価で売ってくれたんだ。Burning HeartになったことでAtlanticでは無しえなかったほどの人気が欧州、南米、オーストラリア、そして日本で出てきたんだ。Peterと彼のチームは素晴らしい。
Q)BURNING HEARTのMILLENCOLINとの来日と、GREEN DAYのオープニングアクトで来日していますよね。日本で印象的なエピーソードがあったらお教えください。
セルジー: 彼らとのツアーでは素晴らしい経験が出来た。もちろんGreen Dayとのツアーの方が規模が大きかったけど、うれしかったのは日本にこれたことだ。欧州ツアーは慣れてしまったし、まるで地元にいるみたいなんだけど、日本は大違いで別の惑星に来たみたいだった。色々見どころ満載の場所があるし、人はいいし。お気に入りの思い出は、お昼時の混んでるときに麺を食べに行ったんだけど、その時のドラマーがアツアツの汁を足にこぼしてしまって死ぬんじゃないかみたいに叫んでいたことだね。他の日本人客は、なんだこの恐怖におののくへんてこな宇宙人は!みたいに見てたよ。夜食が好きだし、新幹線もいいし、もちろん素晴らしいShowもね。
Q) その当時行われたTEXAS IS THE REASON(ラストツアー)とのヨーロッパツアーはどうでしたか?
セルジー: そうだね。まだ彼らが無名の時に一緒に欧州ツアーに連れて行った。ツアーは良かったし、彼らとは生涯の友となったし。後にヴォーカルのGarrettとやっているSoleaで3回日本に来たよ。
Q) 結成当初からの不動のサイドギターのJames Broganが2000年に脱退していますよね。脱退の理由とSean Kennerly 加入の経緯をお教えください。
セルジー: Seanが加わったのはGreen Dayと日本ツアーに行く直前だった。だからSeanの最初のライブは何千人の前から始まった。帰国してすぐGreen Dayと米国ツアーだったから、大分時が経ってからかな、サムアイアムの通常の客数、数百人の前で演奏をしたのは(笑) Aaronが抜けて結婚したので、Seanは最初ベースからスタートした。その後3年の間、JamesとSean,JamesとJasonの間に緊張がでてきて、ある時期にJamesはバンドを抜けた。最初は4ピースでやってたけど、いくつかのツアーを終え、新しいベースが加入したのでSeanはギターになった。SeanはJamesや俺よりギターが上手なので、なるべきしてなったと思う。
Q) アルバム”Whatever’s Got You Down”をリミックスしてボーカル、ギターなど録音しなおして、リリースしていますが、その理由をおおしえください。個人的にはオリジナル版よりリミックス版のほうが何倍も素晴らしい作品だとおもいます。とくにジェイソンのボーカルが素晴らしくなりました。
セルジー: 誰もあのレコードの音は好きじゃない。ドラムの音は良くないし、ギターは弱々しいし、特にヴォーカルはダメダメだった。友達のJeffがリミックスの提案をしてくれて、そこではJasonも何曲か歌をかぶせることが出来たし、明確な音問題もJeffが修正してくれた。個人的には、ヴォーカルは良くなった、けど、そもそもの音源が悪かったのでノーマルに少し近づいたという感じ。仮に俺に感想を聞くのであれば俺はこう回答する。オリジナルの音はプロフェッショナリズムが劣るが、実際はリミックスよりいい。まあ、当然ですが俺はサムアイアム聞かないので俺の意見はあまり意味がないんだけども。
Q) あなたはSAMIAMのジャケットを手がていますが、それがSAMIAMのイメージを作っていると思います。どのようなイメージで作っていますか?また特に素晴らしいデザインの”Billy”や”Clumsy”のデザインコンセプトをお教えください。
セルジー: 沢山のバンドのアートワークを手掛けてきたよ。このサイト
www.slappedtogether.comに俺の作品を見れるよ。アートワークを作成するときはいつも何かオリジナルなものであったり、バンドにマッチしている作品になるよう努めている。兎も角、トライし続けることぐらいしか出来ないけど、たまには俺も他の人より好成果をだせるんだな(笑) Billyについてだけど、壊れた人形を映した写真をボルチモアにいる友達が持っていて、それらを使わせてもらって、バックグラウンドを切り離して、簡略的なイメージを作りたかった。明確なコンセプトというものは実は無くて、見た目がクールだ!と思っただけ。でも写真を撮った友達が一番賞賛を受けるべきと思う。唯一俺が手掛けなかったのがClumsy。あれはAtlanticのおばさんがやったやつ。当時はちょっとバンドメートに対して失望感があってね。というのは俺が継続的に作品を作ることに支持を示さなかったんだ。まあ今は時間もたって、実はみんなはただ単純に俺以外の人の作品を見たかったんだな、って気づいたよ。よくできた作品だと思うよ。少し人ぬくもり感が欠けていて、一般的には感じるけど彼女はよくやったと思う。
Q)FAT WRECKからリリースされた日本のHi-STANDARDの”Angry Fist”のジャケットをあなたはデザインしていますが、FAT MIKEやHi-STANDARDからどのようなオーダーがあったのでしょうか。
セルジー: それですか!コンセプト、デザインとも俺です。Mikeは気に入ってくれたし、ハイスタも気に入ってくれたんじゃないかなー、聞いてないけど。友達と写真撮影して、あの拳は実はサムアイアムのジェームス。彼の拳が一番ごつかったから(笑)。それからもいくつかハイスタのカバーを作ったけど何点かは採用されなかった。例えば、USバージョンのLove is a battlefield EP. Mikeはハイスタに前もって見せたんだと思っていたけど見せてなかった。1万枚刷った後、ハイスタが気に入んなくてボツになった。結局Mikeはすべてを廃棄処分したって。去年The Giftの為に描いた作品もあったよ。Face to Faceの鏡越しに自分を見ているジャケ作品をパロッてモンスターが鏡の前に立ってるバージョン。でもNGになって今日本で出ているジャケになったんだ。
Q) あなたはKNAPSACKやSOLEAといったバンドにも参加し、SAMIAMと違うこともチャレンジしていますね。それらのバンドではどういったサウンドを目指していましたか?
セルジー: Knapsackというバンドにいて、最近ではRacquest Clubのシンガーのやつとやっている。両方ともサムアイアムに似たサウンド。シンガーのBlairは彼専用の基本コードがどの歌にもあることを必要としていることが主な違い。彼独自のコードチェンジの中で、彼は彼の歌を歌うことが出来る。だから面白いと思うギターパーツを沢山作って、彼の基本曲へと導こうとしている。サムアイアムとSoleaで俺が作る曲の基本構想はすべて俺の頭に入っていて、デモもすべて俺が録音する。そしてギター、ベース、ドラムにどうするかを教えている。もちろんそのあと曲を彼らが自分なりにアレンジして良くしていく。だから他のバンドとの主な違いはメイン・シンガーの存在であって、俺の楽曲に違う人が歌詞、メロディーをのっけていくのはなんか素晴らしいと思う。
ハードコア野郎たちと新しいバンドも始めた。(ドラマーはBoy Sets FireでベースはTrapped Under Ice) いろんな人といろんな音楽をやるのは本当に好き。俺が作る曲は大体同じようになってしまうけど、他の人の感性が加わることで、最後に仕上がるものはまた別物になる。
Q) Dinosaur Jr.の名盤”Where you been”のカバーバンドFELLED TREESのプロジェクトの発起人はあなたですか?私も大好きなDinosaur Jr.のアルバムなので、嬉しかったです。
セルジー: そのレコードには16分間のギターソロがある・・・。俺がソファーに埋まり、J Mascisより下手にソロ弾けるかをどんだけの時間を費やして挑んでいたことは、誰も知らない(笑)。 最初は友達のThriceのRogerとEdとただやりたいからっていう理由で始めたんだけど、雪だるまのように、いつしかプロなみの録音をして、アナログレコードまで出した。そんな真剣つもりは無かったんだけど。