――『Bereavement』というタイトルは訳すと「決別」っていう意味だよね。
Yuu「永遠の別れみたいなものをイメージしていたんですけど、それが特に強く出ているのが“Frozen”と“Farthest”、“Bereavement”“Towpath”ですね。もともと『Bereavement』っていうタイトルに決めたのも、遠藤周作の『深い河』っていう小説にあるような死生観や、彼岸と此岸など…そういったことテーマにしていった形です。“Bereavement”のPVも、そのコンセプトで、入水自殺を思わせるものになっています」
Sota「一瞬だけだからよく観ないとわからないかもしれないですけど、女の人が死体のように映っているシーンがあるんですよ。沖縄でジャケ、アー写、PVも統一しています。ジャケなんかは、沖縄の海だけど冷たい感じがありますよね」
――さっきも触れたように、Graupelの楽曲にはニュースクールやブラックメタルの要素があるよね。メタルコアに影響されたというよりも、ニュースクールからもメタルからも影響を受けているから、結果的にメタルコアになった、というのが正しいのかな。ルーツを知っているからこそ、同世代のほかのバンドよりも幅広い年齢やジャンルのファンにもアピールできるものだと思う。
Yuu「いろんな年齢層の人に聴いてもらうことは、かなり意識していますね。僕が最初にGraupelをやるにあたって、特段意識していた層がいくつかあるんです。1つ目は、メタルコアとかは元々好きだけど、年齢を重ねてライヴハウスに行く機会が減ってしまった人たち。コテコテのメタルって感じではなくて、音質もアートワークもきれいなイメージを意識したのはそれですね。2つ目は、今ライヴハウスに通っている、若い子たち。まだまだメジャーなものを聴いていて、これからメタルやハードコアに行き着くであろう層を取り込みたいと思っているんです。ついこの間も、ELLEGARDENの復活をものすごい数の人たちが喜んでいましたよね。やっぱり、最初に聴いたバンドって特別な存在だと思うんですよ。僕たちもCrossfaithとかCrystal Lakeとかを聴いて、国内の激しい音楽を聴くようになったし、すごく大きいバンドなんですね。なので、中学生や高校生がGraupelをきっかけに、激しい音楽にハマっていってくれたらすごく嬉しいです」
――Graupelを見ていると、いい意味ですごく上昇志向を感じる。今後、もっと売れて上にいきたいと考えているだろうけど、具体的にはどんな構想なの?
Yuu「やっぱり音楽を続けていくためには、お金が必要ですからね。例えば映画監督にMVを撮ってもらいたいと思ったら、ギャラもそれなりにかかりますよね。身銭を切るのではなくて、活動のために必要なお金を、ちゃんとまわしていけるようにしたいんですよ。売れたいといっても、音楽が身近な環境で育ってきたので音楽を続けていきたいというだけなんです。バンドとして作品を作るからには、いろんな人に見てもらいたい。売れるっていうのは、つまりたくさんの人に知ってもらうっていうことじゃないですか。いろんな人に知ってもらいたいという意味で、売れたいという気持ちはあります」
Sota「僕もほぼ同意見です。加えて、ライヴが好きで音楽をやっているので、お客さんからのレスポンスひとつ取っても、いいものであればモチベーションも上がりますよね。売れるっていうのはものすごくポジティヴな反応だと思うし、そういったものを求めている部分はあります」
Yuu「今って、まだまだバンドマンっていい加減な人だと思われがちですよね。だからこそ、これからは音楽で結果を出した上で、それ以外にも専門を持つバンドマンの存在が重要だと思うんです。多方面で活躍できる能力を持ったプロフェッショナルの集まりというのが、これからバンドに求められる姿だと僕は考えているんですね。Graupelもそうなることで、今よりもっと面白いことや価値を世の中に提供していきたいです」
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