CAROL JAPAN TOUR予習コース「めくるめくブレーメンコアの魅力をあなたに」

LIVEAGEの読者の皆さんこんにちは。無礼綿太郎と申します。

この度ドイツはブレーメンよりCAROLというバンドが来日します。発端はFacebookでメンバーから「日本遊びに行くから会おうよ」と連絡が来て、何回かの来日を経て「実はドイツで再結成ショーやるんだ」「日本でもやりたいなぁチラッ」という経緯。 当時からブレーメンコアに心酔していた私にとっては願ってもない知らせ、90年代のハードコアの中で重要な遺産としながら限られた情報でしか知りえなかったブレーメンコアを知り、また日本のみんなに紹介できるチャンス、断る理由がありません。 現にマレーシアやシンガポールの後追い世代が異常に騒いでいるということからも、ここ日本だけでも歴史を残しておいた方がいいだろうと考えました。ホントは韓国やシンガポールにも行ってほしいんですけどね。 まぁそれはそれとして、この私の興奮は多分皆に伝わってない気もするので彼らのこと、そしてブレーメンコアについて紹介をさせてほしいと思います。

題して「めくるめくブレーメンコアの魅力をあなたに」

CAROL Japan tour dates

  • 1/4 op15:00 西横浜El Puente w/DISASTER, FLOATERS, MARUBULLMEN,NECROPHILE, RYDEEN, VERITAS CONC75,SECRET TEMPLE
  • 1/5 op17:00 西荻窪PITBAR w/NO YARD, SUPER STRUCTURE, CRUCIAL SECTION, Redsheer
  • 1/10 op19:30 小岩BUSHBASH w/FIXED, KLONNS
  • 1/11 op18:00 鶯谷WHATS UP w/Kowloon Ghost Syndicate, 満州候補者, BLue Sketch.(岩手), BUTCHER ABC
前売り2500円+1D 当日3000円+1D 横浜のみ2000円+1D

ブレーメンコアを構成する3要素

CAROLはドイツ北部のブレーメンという都市で誕生したハードコアバンドです。 同じ地域で活動していたバンドと合わせて作られたメタルとハードコアのミックススタイルから「BremeCore:ブレーメンコア」と名乗り、情報源が少ない時代ながら大いに注目される地域、そして音楽性を生み出しました。

 

ではそのブレーメンコアとはなんでしょうか? ブレーメンコアを紐解く要素に欠かせないものが3つあります。

Slayer – South of Heaven

88年発表のこのアルバム、メタルに馴染のない方でもバンド名は知ってるはずのスラッシュ4天王の4thアルバムにして代表作の一枚ですね。
当時の私はRevelationのバンドたち、そしてACCUSED、DRIにぞっこんでリアルタイムで聞かなかったのですが(ハードコアの方がかっこいいのでメタルなんか聞かない、言い換えればAKB48に忠誠を誓い西野カナとか見向きもしない感覚に近い。すいません童貞だったんで) スラッシュメタルにスピードの幅を持たせてかつSlayerらしさは失わず、その後のスラッシュメタルのバンドにも発想の仕方を教えた素晴らしいアルバムだと思います。 ついでに言うと、ケリーキングのギターソロもちょっと普通じゃないですよね。機種転結がないというか「そんな軌跡を描いてそこに落とすの?」みたいな従来のメタルのソロの美学と違う気がします。ブレーメンコアの人たちの核となるのはSLAYERでも特にこのアルバムへの愛による、と言います。
なお、このアルバムはUNBROKENやEARTH CRISISなど、メタリックなストレートエッジバンドにもベースフォーマットとして多大な影響を及ぼしていますね。

BOLTTHROWER

「お前BOLT THROWER好き?」高校時代の音楽教育はEARACHEとPEACEVILLEとREVELATIONで育ったようなものですもの。もちろんYes。好きなもの一致すると一気に距離縮まりますよね。 NAPALMDEATHと並ぶグラインドコアの元祖として、21世紀でも大きな影響を与えるバンドですが、80年代後半から90年代前半に彼らの生み出した音の暴力はその後のハードコア/デスメタル界双方への影響が大きかったと思います。地を這う泥土のような音波と絶望感しかないメロディ。Play Loudを真に受けて音量全開で流したら「御宅のお子さん頭がおかしくなったの?」とお母さんを困らすレベル。 TERRORIZERと合わせてデスメタルにブラストビートを持ち込む潮流の契機になったと思いますし、自分が大好きだった某ハードコアバンドが「これからはデスメタル」と大きくスタイルチェンジしていくさまを体験するなど、80年代後半から90年代前半のEARACHE Recordsは1種のトレンドセッターとして機能していたと言ってもおかしくなかったのです。その中でBOLT THROWERの登場は彼らにとって大きな存在だったそうです。

RORSCHACH

日本ではほとんど好きな人がいないのではないかと思うこのNYのバンド、NYHCの表会場がCBGBならば、その裏会場として存在していたスクワットべニューABC NO RIOにたむろしていたキッズが集まって結成されたバンドです。BORN AGAINSTやCITIZEN’S ARREST、GO!等と並び、パンクのリベラルな精神を継承し、CBGBのイベントに出演していたバンドとは距離を置いて活動していました(両者は断絶しているわけではなく、Rick Ta LifeやRaybeezらと一緒にいる写真なども見つけることができます。Ray CappoやSam McPheetersのように極端に振れたポリシーを持っている人たちだけでしょう) メインとなる会場、集まる人の特性から時に”ART CORE”と形容されていたABC NO RIOのハードコアシーンですが、独自の音楽スタイルがあったわけではなく、音楽的バラエティに富む中で、RORSCHACHはSWANSやSLAYER、PRONGなどに影響を受け、不協和音と変則的なイントルードパートを組み込んだメタリックなハードコアを鳴らしていました。

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