RIOT FESTレポート! JAWBREAKER編

JAWBREAKER

24 Hours Revenge Therapyという大傑作アルバムを輩出し、メジャー契約まで漕ぎ着けながら、96年にあっけなく解散してしまったJAWBREAKER。ちょうど、同じベイエリア出身のGREEN DAYがDookieで世界的な評価を得ていくのとは対照的であった。僕はずっとJAWBREAKERのユニークな音楽性と立ち位置こそ、オルタナティブロックとUSパンクのミッシングリングを繋ぐ最重要バンドであると思っている。そして当時のパンクシーンの中で、飛び抜けたインテリジェンスを感じさせた稀有なバンドでもある。

僕のような一部のマニアの間だけで神格化されてしまったバンドだと思っていたが、その不当に低い評価というのは、当のアメリカ人にとっても同じであったらしい。なぜなら、世界的な知名度を誇るNINとQOTSAと並ぶヘッドライナーなのだから…。今回のRIOT FESTの最終アクトに集まった野郎どもの気迫は、単なるノスタルジアと片付けることはできないほどの熱量を伴っていた。再結成ライブにつきものの「あの頃よ、もう一度」的な牧歌的な空気はほとんど感じられず、今か今かと皆がイラついていたように感じた。

JAWBREAKER

JAWBREAKER解散後には、幾多のフォロワーが生まれては消えていった。その20年続いた喪失感は、オリジナルメンバー3人によるパフォーマンスでしか埋め合わせることができない。それを証明するかのように、ステージの両袖にはびっしりとバンド関係者や仲間達で埋め尽くされ、びっしりのオーディエンスに迎えられたメンバーたち。僕は演奏前にステージまであと5メートルほどの距離に近づいており、満員電車のような状態でその瞬間を待ち望んだ。

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