RIOT FEST 2017 リポート 初日編!

JAWBREAKER

あのJAWBREAKERが20年ぶりに再結成する!

text by Takuro Kawase
Photo by Takuro Kawase & kio

昨年の4月半ば、RIOT FESTというシカゴのロックフェスで、ヘッドライナーとして復活することが正式にアナウンスされた。これは居ても立っても居られない。JETS TO BRAZILとして来日した時に、友人のおかげでブレイクと挨拶することができ感激したが、その時のライブは正直ピンとこなかったのだ。やっぱり生で、オリジナルメンバーのJAWBREAKERを見ないことには、死んでも死にきれない。16歳のときに衝撃を受け、オッサンになった今でも、このバンドは自分にとって特別な存在であり続けたからだ。

とは言ってみたものの、初の海外ロックフェスに一人で参加するという不安、そして渡航費と滞在費などを勘案すると、即決という訳にはいかなかった。そんな懸念を吹き飛ばしたのは、元バンドメイトであるキオからのメッセージだった。「せっかくのチャンスだから、シカゴに行ってみよう」と。この一度きりの機会をみすみす逃すわけにはいかない。

このやりとりにSQUIRREL FOXのヒデちゃんも合流することになり、意気投合。三人寄れば文殊の知恵とはよく言ったもので、そこからはネットを使って、チケット、滞在ホテル、往復の航空券を続けざまに手配した。ゴールデンウィーク後に改めて3人で顔を合わせ、三日間のフェスでの過ごし方などをざっくりと決めておいた。あとはフェス前日となる、9月14日のフライトを待つのみだ。

RIOT FESTについて、ちょっとした予習

ライオット・フェスは、シカゴ中心街にある複数のライブハウスを行き来できる形式(いわゆるライブハウス・サーキット)で、2005年に始まった。基本的にはパンクが主体のフェスだが、回数を重ねるたびに大きなイベントに成長し、出演アーティストもジャンルも多様化していった。2012年には、シカゴ中心街から少し離れたハンボルト・パークを会場とし、現在の大型野外フェス形式へと踏み出した。雨が降ると会場内の芝生が回復不能なまでに荒れてしまうことや周囲住民とのトラブル、さらには資金面での困難などが重なり、2015年からはダグラス・パークへ会場を移すことになった。

こちらが今年発表されたタイムテーブル。ロラパルーザやコーチェラなど、大規模な屋外ロックフェスが数多くあるアメリカにおいて、ライオット・フェスが他と明らかに違うのは、新旧パンクバンドを主軸とすることに加え、下記の3つの特徴がある。今回のラインナップに当てはめるとすれば下記のようになる。

① レジェンドバンドの再結成や再始動
JAWBREAKER, BAD BRAINS, AT THE DRIVE IN
②名盤とされるアルバムの再現ライブ
DANZIG、DINOAUR JR、MIGHTY MIGHTY BOSSTONES、THAT DOG
③ 地元シカゴ出身バンドのパフォーマンス
MINISTRY, CAP’N’JAZZ
往年のパンクバンドという点では、カリフォルニアのX, BUZZCOCKS, G.B.Hが目を引き、ヒップホップ系では、元ビースティのMIKE D, WU-TANG CLAN, M.I.Aあたりが日本でも有名だろう。そして、NEW ORDER, NINE INCH NAILS, QUEEN OF THE STONE AGE, PROPHETS OF RAGEといった旬の大物が要所を締める。なんせ5つものステージで同時進行しているので、どういった順番で回るかが悩みの種でもある。上記した有名バンドはもちろん、個人的にはベテランのHOT WATER MUSIC、マイク・パットンがVoに加入したDEAD CROSSも見逃せない。それにしても、NINやQOTSAと並んでJAWBREAKERがヘッドライナーというのは意外であった。

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