perfectlife “CPU”レコ発 ファイナル @新代田FEVER レポート

perfectlife

3バンド目 perfectlife

perfectlife

perfectlifeというバンド名は”完全な生命体”という意味なのだろうか。それとも”完璧な人生”という意味なのだろうか。板垣周平に聞いたことがあったが忘れてしまった。
「”完璧な人生”に程遠い4人が”完璧な人生”というバンドをやっているというのがいいんだ」と説明されたような気がするが酒が入っていたので覚えていない。
perfectlife…おそらく、日本に存在するギター・バンドでもっとも芸術的であり文学的であるバンドと言っても過言ではないと思う。
もう彼らはそういう域に達している。演奏力も申し分ない。板垣周平は飄々としたカリスマ性もある。
しかし、、しかし、、かれらの音楽は高尚すぎるのだ。
針の穴に糸を通すような音楽を彼らはやっている。高次元で展開される文学的な詩はかなり本を読んでいる人でないとピンとこないかもしれない。
繊細なギターワークはかなりこういった音楽を長年聴いていないと、その繊細さに気づけないかもしれない。
HUSKER DU~THE SMITHS~THE WEDDING PRESENTに青春をささげ、現代のINTERPOLやTHE NATIONALに共感するような人だ。
村上春樹的なギター・ポップバンドは東京に沢山いる。そして、そういうバンドは支持されやすいだろう。わかりやすいし、気持ちよくなりやすい。
大学生にはもってこいだ。しかし、板垣周平の世界は三島由紀夫文学と並ぶ(これは言い過ぎか?)くらいのレベルで言葉が用いられていると感じる。
多くの学生や社会人にはこの微妙な表現の”揺れ”を察知することはできないのではないか。
今の世の中、「君の名は」がヒットし「RADWIMPS」が評価されるのである。いわばあれは村上春樹的偏差値をマーケティングした作品である。
言い換えると、道を踏み外さないで生きてきた中学生くらいの文化レベルがあれば分かる作品なのだ。それはそれで素晴らしい事だが。
perfectlifeの世界は誰にでも扉を開いてはいない。この世界にたどり着いたものだけが味わえる至福の料理なのだ。

それは私がPOWER ELEPHANT!というレーベルをやっていて強く感じたことだ。
WEARE!の2ndアルバム“Treatment Journey”は完璧なギターロックアルバムだ。しかし、在庫がまだある。(といってもそんなに数はないので通販してください!)
それより二年後にリリースしたHELLO HAWKの1stアルバム”さかなの目”は売り切れて、廃盤である。
両バンドとも素晴らしいアルバムだったと思う。だが、HELLO HAWKはある程度、誰にでも理解できる世界観を提示している。開けたギターサウンドだ。(これはこれで素晴らしい事だ)
WEARE!の世界観を簡単に説明することはできない。まさに「明かりのついた後の教室の暗さに気付いたやつらがハスカーデューと出会う」のだ。(WEARE!の1st EPの歌詞から抜粋)

私はperfectlifeに武道館でライブをしてほしい。いや武道館は音が悪いから横浜アリーナか。でも、そのくらいのクオリティは出せているのだ。
ただ、だれも気付けないのだ。だから、聴いてほしい。聴き込んで研究してほしい。音楽を沢山聴き、本を読み、映画を沢山観てほしい。
吉村さんも天国でそう思っているんじゃないだろうか。そんなことをぼんやり考えながら彼らのライブを観ていた。

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