Nothing “Tired of Tomorrow”

Nothing “Tired of Tomorrow”

最近のパレルモはライブの映像をみるとSTONE ROSESのTシャツを着てイアン・ブラウンのような浮遊するようなステージアクションをしている。いわゆるQUICKSANDのウォルターのような動きだ。

アメリカのバンドがイギリスのバンドに憧れる事は60年代からよくあるが90年代もしかり。

例えば、伝説のメタリック激情HCバンドのUNBROKEN(メンバーはライブでTHE SMITHSのTシャツなどを愛用していた)が解散後に結成したKILL HOLIDAY。
このKILL HOLIDAYのブリット・シューゲーザーサウンドにNothingはかなり似ている。

話はそれるが、90年代を彩った数々のemoバンド。
例えば、TEXAS IS THE REASONやTHE PROMISE RINGは後のインタビューでブリットポップへの憧れをよく口にしている。blurやRide, OASISへの憧れだ。

1996年頃、大学生であった私はTEXAS IS THE REASONやTHE PROMISE RINGというのは
完全に新しい音楽を作ったと考えていた。アメリカのストレートエッジ・ハードコアから生まれた奇形のように感じていた。
そして同時に憎むべき敵はブリットポップであった。あの能天気てカジュアルな感じが許せなかった。
大学の軽音サークルで演奏されるOASISのカバーバンドに対し、私は気づけば罵声をあびせていた(ごめんなさい。。。)

しかし、TEXAS IS THE REASON解散後、Vo/Guのギャレットが始めたThe New Rising SonsはOASISそっくりであった。私には訳が分からなかった。

今、振り返るに、90年代のハードコアのエナジーにブリットポップを混ぜ込むと歌物のemoになるのだ。
特にRideやSTONE ROSESからの影響は大きいと思う。(QUICKSANDのウォルターはRIVAL SCHOOLSでそういったサウンドを披露している)

当時、THE PROMISE RINGのセカンドでみせたメンバー写真。全員がカラフルなポロシャツをきて芝生に寝転んでいた。
衝撃だった。なんというか「新しい時代が来た」と思った。しかし、今思えば、それはシンプルにblurのファッションのパクリであったのだ。。。

話は完全にそれてしまったが、そんな事をこのアルバムを聴いては思い出していた。

PS. Nothingのメンバー、Nick Bassettはトランスジェンダーに対する差別発言が問題となりバンドから脱退したらしい。
このあたりのエピソードもまた、このバンドの闇を感じさせる。

レコードレーベル:RELAPSE/US
カタログNo:RR7343
リリース日:2016/05/13

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