オーストラリアからの不穏なる刺客、Lo! が初来日。 その正体に迫るインタビュー!

――アルバムタイトルは、例えば尾てい骨のように「進化の過程でなくなったものの名残」を意味するそうですね。
サム「身体の中には、進化のプロセスで捨ててしまったものがいくつかあるよね。盲腸とか、尾てい骨とか。そういったものは、今は機能として必要ないものではあるけれど、身体には依然として残っている。それを、誰もが持っている、過去に心に負った傷や記憶といったものになぞらえる形で、コンセプトとして取り入れてみたんだ。リスナーには、ただ単に曲を聴くだけじゃなくて、アルバムを通して何かを感じて、自分の中に刻み付けてほしくてね」

――そのコンセプトの内容はどんなものなんでしょうか?
サム「このアルバムには、3人の神についてのストーリーを潜ませている。曲名にもなっている“Locust Christ”、“Judas Steer”、“Gods Of Ruin”が、その神たちなんだ。“Locust Christ”はドナルド・トランプや金正恩のように、世界を破滅に導く恐るべき者。次に“Judas Steer”は早い話が嘘つきで、世界に間違った情報をばら撒き、混沌に陥れる存在。そして“Gods Of Ruin”は、兵器をもって人々を傷つける存在だ。俺はキリスト教徒でもなければ悪魔主義者でもないけど、どんな立場から考えても、世界中どこににでも間違いなく存在しているやつらだよね。そしてそういったストーリーを散りばめているんだ」

――今後の作品でも、こういったサムのコンセプトを取り入れつつ制作していくんでしょうか?
カール「実は今日、朝飯を食べながら次の音源にも取りかからなきゃっていう話をしていたんだ(笑)。この後日本に帰って一息ついたら、曲のアイデアを考え始めて、年内にはまとめておきたいよね。曲については、サムのコンセプトを踏まえて作る場合もあれば、曲が先行してできあがるケースもあるから、どうなるかはわからないけれど…。とにかく、来年早々にレコーディングに入れたらと思っているよ」
――最後に確認しておきたいのですが、Lo!っていうバンド名の由来はなんなんでしょう? なんだかバンド名とサウンドがリンクしないというか、実はもっとポップなことをやっているバンドなのかと思っていましたし(笑)。
カール「アメリカのエドガー・アラン・ポーっていう作家がよく使っていたフレーズの“Lo and behold!”から来ているんだ。“さぁ、俺たちを見ろ!”みたいな意味なんだけど、言葉の響きも面白いし、音楽をやるにはピッタリだと思ってさ。でも元ネタの詩はすごく短いものだから、相当なファンじゃなければあちこち調べてもなかなか見つけられないと思うよ(笑)」

<各種リンク>
Lo!:http://www.lookandbehold.net/
facebook:https://www.facebook.com/lookandbehold
bandcamp:http://music.lookandbehold.net/
Fortitude Artist Services:http://fortitude.agency/

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