・TRIKORONA
普段から何度もライブに足を運んでる異形のエモ・ヴァイオレンスことTRIKORONA。普段都内でライブをみているバンドも、こうしてローカルな土地でライブをみるとなると、なんだか新鮮な気持ちになる。
しかしTRIKORONAに関しては良い意味でいつも通りのライブをしたに過ぎない。
STUBBORN FATHERとのスプリット、BROILERとのスプリットでよりキャッチーなりながらも、禍々しさが増したサウンドを展開していたが、この日は新曲含めてより異次元へと飛び立つTRIKORONAを目撃した。
MCはkoreedaが最後に軽く挨拶をするのみといった所までいつも通りだったが、爆音かつノイジーに、音の全てが強烈な右フックとして顔面に飛び込んでくる様な無慈悲さと不条理さはこの日も健在。
オリジナリティあふれるエモ・ヴァイオレンスを展開するTRIKORONAに群馬のフリークスもノックアウトされたはずだ。
・ENSA
今回全く予備知識なくライブを拝見する事になったENSA。REDSTOCKというバンドのメンバーによって結成されたバンドらしいが、ENSAは今回高崎まで足を運んだ一番の収穫となった。
ライブ時間は約7分ほどという超短距離走スタイル、これだけ書くと色物バンドみたく映るかもしれないが、その音楽性は現在進行形のハードコアの今が詰まった2017年のリアルそのものだ。
ネオクラストなどの影響を感じさせながらも、基本的にトラッシュに爆走するサウンドの洪水。ブレーキなんて最初から存在しないと言わんばかりにクライマックスを全速力で駆け巡るテンションとサウンドにただ度肝を抜かれた。
まばたきを全く許さないまま、あっという間にライブは終了。物販で音源が売っていなかったのは残念だったが、高崎からとんでもないバンドが登場した事に心がたかぶった。
今後、都内でもライブをする機会もあるかもしれないので、その際はぜひともライブを見て欲しいバンドだ。
・STUBBORN FATHER
大阪が誇る孤高のハードコア。安売りされた唯一無二で無く本物の唯一無二を鳴らすスタボンは高崎でも全開のライブをかましてくれた。
多展開でドラマティックに繰り広げられるカオティックなサウンド。その一瞬に込められたエネルギーはいつ観ても無敵だ。
一曲目の『裏側』から異様な緊張感の中でスタート、暴発する感情のたかぶりりと熾烈なるメッセージをフック満点で振りかざすスタボンはこの日も絶好調。
途中ベースのMorishitaの機材トラブルもあったが、不穏のクリーントーンのギターからインフェルノを生み出す新曲がとにかく素晴らしかった。
スタボンと同様に孤高の存在であったANODEの『隠された太陽』のカヴァー、シリアスな怒りの鉄槌に目の前でバチバチ火花が飛び散る大名曲『痣』から、ラストの『創造の山』まで、一瞬たりともまばたきを許さない光景が足元の蛍光灯の照明と共に広がり、肉体と心を突き刺すエモ・ヴァイオレンスに度肝を抜かれた。