DCハードコア パンクスが使用していたギターと影響についてのLIVEAGE的考察

DCハードコア パンクスが使用していたギターと影響についてのLIVEAGE的考察

しかし、ここで考えてみた。DCで一番ミュージシャンシップが高い人はだれか?

ブライアン・ベーカー

ブライアン・ベーカー&レスポール

そうMINOR THREAT~DAG NASTY~現BAD RELIGIONの「ブライアン・ベイカー」である。
圧倒的なセンスとテクニックをもつDC屈指のギタリストである。
しかし彼はSGも使うが、メインはレスポール派である。

彼のプレイを分析するに、AC/DCとVAN HALENの影響が強くあると私は考えている。

ShinoShit本人もアメリカ滞在中にブライアンから「AC/DCはルーツである」と聞き出したらしい。インターネット上のインタビューでもAC/DCの”Back in Black”は毎月聴いているという記事があった。

そう、AC/DCを二倍速でプレイするとかなりMINOR THREATになるのである。
AC/DCの33回転のレコードを45回転でプレイし、さらにスピードをあげていくとこうなる。ためしにAC/DCの倍速バージョンを作ってみた。これ、リフにMINOR THREATを感じませんか?(強引)


ギター・マガジンの記事にもあるがDCのミュージシャンの多くがSGを使うのはAC/DCのアンガス・ヤングの刷り込みがあるのかもしれない。BLUE TIPタイプのロッキンHARDCOREはかなりAC/DCの音楽性に近くもあるし。

dag nasty ライブ盤

DAG NASTY “Live in philadelphia”

あとは、DAG NASTYの”Live in philadelphia”というブートのライブLP盤をできれば手に入れていただきたい。速弾きを狂ったように弾きまくるブライアン・ベイカーはエディ・ヴァン・ヘイレンの影響丸出しだ。

パンクスでありながら、ベッドルームではAC/DCとVAN HALENのレコードを聴きまくっていたのがブライアン・ベーカーなのではないだろうか。DCシーンで一人、頑なに長髪をまもった理由もそうなのではないだろうか。その証拠に彼はDAG NASTY解散後にTHE BIG BOYSのメンバーに誘われJunkyardというハードロックバンドを結成し、GEFFINと契約し二枚のアルバムをだしている。音は完全にGUNS ‘N’ ROSES タイプのバッドボーイズロックンロールである。しかし、Junkyardで聴けるサウンドは紛れも無く、ブライアン・ベイカーのレスポールサウンドだ。ピッキングハーモニクスを多用した速弾きも満載だ。

ブライアン・ベイカーは太くボトムのしっかりした音を好む。おのずとSGでなくレスポールを選ぶことになるのだろう。現在の彼のメインギターは’90 Les Paul Standardだ。

一攫千金を狙った?Junkyardもグランジムーブメントに押され解散し、途方にくれていたブライアン・ベーカーに美味しい話が2つくる。
一つは「R.E.M.のツアーメンバーとしてワールドツアーに参加しないか?」というもの
もう一つは「BAD RELIGIONにパーマネントメンバーとして加入しないか?」というもの
この話からもわかるようにブライアン・ベイカーのギターテクニックへの信頼というのは全米に広がっていた。当時、「世界で最も重要なロックバンド」といわれていたR.E.M.からの誘い。これは意外と思われるかもしれないが、R.E.M.のライブではシンガーのマイケル・スタイプがMINOR THREATの”out of step”のTシャツをよく着用している。単純にファンなんだと思われる。

悩んだブライアン・ベーカーは賢明な判断でBAD RELIGIONのパーマネント・メンバーの座を確保する。いまでも十分、音楽で食えているようだ。
しかしDAG NASTYの再結成後のアルバム”Minority of One”がかなりBAD RELIGION節になっていたのはズッコけたが。。(下記youtube参照)

ちなみにブライアン・ベーカーについてもっと知りたい場合はこのDag Houseというサイトがオススメだ。以前このサイトに載っていた情報では、Goo Goo Dollsのドラマーとバンドをやったり、THE Replacementsのベースとバンドを組んだりも彼はしている。

また、80年代のほぼ同時期にLA METALにブライアン・ベーカー的なギタリストを擁するバンドがでてきた。DOKKENのカミソリギタリスト、ジョージ・リンチである。下記を聴いていただきたい。DAG NASTYの新曲と言われてもわかりませんよね。ブライアンとは同じルーツ・スタイルを持つギタリストと言える。

毎度の事、話が随分とそれてしまったので、一旦ここで、筆をおくことにします。

いつの日かギター・マガジンさんにはUS HARDCOREにおけるレスポールの重要性の記事を書いていただきたい。特に88 YOUTH CREWのNEW YORK HARDCOREシーンではレスポールが重宝されていたような気がする。それはこの一枚の写真のせいである。JUDGEのポーセルが「完璧なポーズ」をレスポールを使ってとっている。これは銅像にして家の玄関に飾りたいくらいだ。

Judgeのポーセル

Judgeのポーセルの完璧なポーズ(観客が誰一人としてポーセルを見ていないのがポイント)

 

PS.
これだけ、ブライアン・ベーカーについて書いておいてアレですが、私が個人的に一番好きなDCのミュージシャンはドラマーのジェフ・ネルソン(MINOR THREAT~THREE~HIGH BACK CHAIRS, DISCHORDレコード, ADULT SWIMレコード経営)です。彼のポップセンスはDISCHORDに新しいバンド(swart went crazyなど)を呼び込み、シリアスな面だけでないDISCHORDを表現しました。現在ではカントリーレーベルのADULT SWIMを運営していたり、SUPERCHUNKのマットのソロやボブモールドやTED LEOのバックでドラムを叩いています。とにかく”HIGH BACK CHAIRS”はDCサウンドにR.E.M.が合体したような素晴らしいバンドで大好きですね。

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