川瀬拓郎のメロディック道場 reloaded vol1

takurock

DO ANYTHING YOU WANNA DO

よく勘違いされたまま使われている格言の一つに、「健全な精神は健全な身体に宿る」というのがある。しかし、正しくは「健全な精神は健全な肉体に宿ればいいのに」と訳されるべき文章だ。要するに、心身ともに健やかであるだけでも幸せなことなのだと…

平日は仕事をして休日は余暇を楽しむ、そんな当たり前の日々は健康あってのこと。日頃の健康維持や体調管理に気をつけるべきなのであろうが、自分はタバコがやめられず、泥酔するまで酒を飲み、脂っこい食事もやめられない。唯一の健康維持法といえるのは週課としているランニングくらいのものだが、幸いにして大病や大怪我もせず厄年を終え、健康そのものである。身体だけでも丈夫に産んでくれた両親には感謝の念しかない。

トンデモ系医学情報を垂れ流したキュレーションメディアの杜撰さが話題になったばかりであるが、大手ニュースサイトでも健康法や食事法に関する懐疑的なコンテンツは非常に多い。加工肉食品は発ガン性リスクがあるだの、炭水化物の摂りすぎが寿命を縮めるだの、水素水は体にいいだの、あれやこれやと健康維持を訴えかけてくる。私はそういう記事を見つけるたびに、“健康という名の強迫神経症”を患っている人がそんなに多いのかと…。

最近読んだ本で『知の遠近法』(著者/山口昌男:1978年、岩波書店)というのがあった。その中に“病の宇宙誌”という章があり、そこでは「病を根絶するのではなく、病と付き合う方がはるかに身体にとって健康的である」ということが語られていた。ほとんど風邪をひかない人がいざ風邪にかかると大病になってしまったり、一方でよく風邪をひく人が大病はほとんどしなかったり、人によって(そして民族学的な見地によって)病はいろいろなケースがあるものだと。

普通に生活していれば、誰もが風邪に罹る。私の場合は風邪をひけばとにかく寝る。それでも改善しなければ漢方薬を呑む。そして、なるべく抗生物質は避ける。それでほとんどの風邪は治ってしまう。昨年患ってしまった副鼻腔炎も抗生物質で治療しようとしたのだが、かえって気分が悪くなってしまい漢方を処方してもらった。原因となるウィルスを、強力な薬によって根絶しようとする西洋医学的なアプローチには、自分の経験上同意できない。

規則正しい睡眠、栄養バランスの取れた食事、適度な運動…。結局のところ、小学生時代からずっと教えられてきた当たり前のことが健康の基本であるように思う。ネットやテレビで話題になっている、これさえやればすぐ治る!といった眉唾ものの医療情報などに反応せず、まずは日常をつぶさに見つめ直すことで多くの改善策やヒントが見つけられるはずだろう。ラーメン二郎を食べまくっても健康そのものというバンドマンもいるのだから、結局のところ食事法だって人それぞれ。好きなときに好きなものを食いたいのであれば、そのぶん足りない栄養素を補って、そのぶん運動すればいい。

1 2