MIRRORキモトのいつだって生涯原液 ~ コイめ・オオめ・カタさはフツーで ~ vol3

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バンドに限らず、個人が楽しんでいることにあまり否定的なリアクションしたり、馬鹿にしたりってのはイクナイと思うんですよね。
例えば、レディ達が趣味:料理やお菓子作りって言って、ソレに対して、ウマイの?ねぇ、ソレってウマイの?アイアンシェフばり?トシ・ヨロイナントカヅカばり?とか聞かないでしょ。好きで作ったモノ、それを笑顔で食べてもらうことが素直に嬉しい、そうやって喜んでもらえるともっと次はオイシイものを作れるようになりたいっていう自己研鑽・努力、それが趣味というか楽しくて、という感じで“バンド”も、ええ。

そもそも、イイ歳して、というフィルターも不要。大人が自慰行為していたら恥ずかしいことなのか。勃たなきゃ勃たないで蔑んだ白い目で見るくせに。世の中、矛盾だらけ。なんとなくの価値観と曖昧な誰かの引いた線でアリかナシか決めちゃってサ。

まぁ、押し付けても無理なものは無理でしょうから、気分次第では、趣味は特に無いです、で会話ブッタ切ることも往々にしてアリマス、当方。身も蓋もない返し。だから、交友関係乏しくもある。

ノーガキは分かったけどサ、なんでアナタ、そこまでバンド推すの?的な御意見へのアンサーここから。

これは私個人の語りになってしまうのですが、バンド以外にバンドほど熱を込めて打ち込めたものがこれまでの人生において無いのです。
小学生の頃は運動も大して得意ではないし、週の半分以上は家で過ごして夕方に再放送される「あぶない刑事」シリーズを見ては「赤レンガ倉庫行きたい」と思っていて、女子からもからかわれていて、たまに遊びの声がかかると尻尾振ってついて行くけど、遊びの輪の中心にはなれず、今思うとあまり友達として必要とされていなかった存在。よくある、とりあえず声かけてみるけど、居ても居なくても周りに影響は大して無いよね的な存在。
中学生になっても、その本質は変わることなく、ただ、放課後は部活時間を過ごすという、それまでひとりで過ごしていた時間を、部活という集団活動時間として代替付与されていただけ。練習は一生懸命やっていたけど、やはり身体能力には限界もあるわけでレギュラーにはなれなかったチームには不必要な存在。学校生活では、ヤンキーと運動神経抜群者・ノリのいいハンサム男子だけが女子との接見行為が許され、俺のようなヤツは日々悶々とし、その悶々具合がまた女子との距離感を生んでいたあの頃。ドント愛読。
高校生になり、入学したばかりの頃、ラグビー部のセンパイに勧誘を受ける。誘い文句は“こわくない”“痛くない”“マネージャーとヤレる”の三重奏に惹かれ入部したのが地獄の始まり。どの誘い文句も全て真逆で嘘の三重苦。苦悶・地獄の日々。今では当たり前の水分摂取=根性なしという基準。熱中症で倒れて気を失うと罵声とヤカンの水を浴びせられる。立ち上がらないとヤキに近いソレ。毎日毎日「今日こそ辞めるって言う」と言いながら、結局センパイおっかなくて言えず、辞められずに3年間続けたマゾ。そして、色々ワケあって、学年中の女子から忌み嫌われ続けた三年間。俺を追い出そうと女子何十人が放課後の教室でミーティングしているのを見てしまったリアル迫害系。
でも、そんなイカど真ん中な高校2年生の頃、以前から思っていた“エレキギター弾けるようになりたい”という思いが爆発。親に懇願し、ギターを手に入れてしまったのである。童貞捨てるより先に。
中学生の頃、Xやルナシーをコピーし音楽室で演奏会を開いて女子からキャーキャーチヤホヤされ、ヤンキーからも一目置かれていた同級生の彼ら、俺はその光景を羨ましく思い、単純にカッコイイなぁと思っていたわけで、ソレへの憧れ、俺もソレしたい的初期衝動。
高校には既に軽音楽部があり、その連中と一緒にコピーバンドを組んで音楽室にステージ作って演奏披露することになったアノ夏は忘れない。因みに、初めてのコピバン演奏曲はSEX PISTOLS・RAMONES・7SECONDSという謎な組み合わせ。
結論としては、演奏もグダグダで思い描いていたアノ光景とは全く別物感。客席ガラガラブタ踊り。
それでも、誰でも出来ることではないエレキギター演奏を人前で出来たことに高揚感・興奮をおぼえたし、高3の頃には自分でもバンドを組んでオリジナル曲を演奏したいという気持ちにはなっていましたね。
ちなみに、高校生活でコピーバンドやってみて、俺が女子からワーキャー言われることはなかったし、他のメンバーは言われていたし、結局のところ、俺は女子から生理的に受け付けられない生命体なのだと解釈。ソレは今もそう。妻=希少。

でもですね(ココ、BOYS BE・・・パート)、1コ下のミドリちゃんていう黒目オオメ・タレ目・唇ウスメ・照りオオメ・ショートボブの激マブなコlike小学生の頃の初恋相手アヤちゃん直系がいて、当時、俺のスペオキだったことはMIRROR愛聴者なら知っていて当然のミドリちゃん。露骨に音に出ているレベルのミドリちゃん。
夏の夕暮れ時に、多摩川河川敷で軽音部の連中とアコギ片手にダベッてたら、後ろから「センパ~イ」というオロC飲用後のションベンばりに真っ黄色な声が。そう、その声の主はミドリちゃんと、友人A子。その黄色い声は俺にではなくて、仲のよい他メンバーにかけられたモノ。でも、ミドリちゃんが「センパイ、今度の文化祭でスタンドバイミーやるって聞いたんですケド~、ホントですかぁ~?アタシ、チョ~好きなんです~楽しみにしてます~・・・ていうか、今聞きたいナァ~ダメですかぁ~?」と。

ダメじゃない。全然ダメくない。むしろスタンドバイ俺フォーエバー系。

そのままの流れで、急遽弾き語ったバイミー。歌い終わった後のミドリちゃんの表情、忘れないバイミー。
「センパイ、本番も楽しみにしてます!ありがとうございました!」そう言い、河川敷から駅へ向かうミドリちゃんの後ろ姿が鬼バイミーだった夏の日の夕暮れ。
しかし、この時点ではミドリちゃんに言い忘れていた大事なことがひとつ。

「俺達が演るのはスタンドバイミーの原曲コピーじゃなくて、ペニーワイズのカヴァーVerのコピーなんス」

ということ。知ってる方はピンとくると思いますが、ええ、原曲をクソうるさく・速くしちゃってるアレ。

そして、迎えた本番当日。会場にはミドリちゃん達が来賓。高まる。そして、件の曲目。このペニーワイズVerてのが、入りは原曲どおりゆったりしてるんですけど、途中から一気に畳み掛ける系一揆なんス。だから、ミドリちゃんも、ニコニコでイントロからAメロ聴き入ってたんス。DA・KE・DO、速くなってからのド肝抜かれた感like詐欺に気付いた瞬間。曲が終わって、まだ、俺達の演奏曲はあるにもかかわらず、音楽室を出て行ったあの後ろ姿鬼バイミー。散った感。

あの時の想いが、のちの“EMO”であると気付くのはそれから数年後であった。。。

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