MAN AGAINST MANとして奴らが帰ってきた!恐れ、戦け!そして崇めよ!

text by Yoshinobu Yada, Sakaue(Man Against Man)

久々のDISC レビューになります。今回は関西のハードコアバンド”MAN AGAINST MAN”の待望の1stアルバムをレビュー。
例によって、LIVEAGE編集部と制作者(MAN AGAINST MANの阪上さん)の二名でレビューします。

Man Against Man

アーティスト:MAN AGAINST MAN
タイトル:”speed,power & aggression”
フォーマット:10曲入りCD
レーベル:Superlame
価格:1500円(税別)
発売日:3/5
流通:完全自主流通

Yoshinobu Yadaによるレビュー
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1996年冬に私はバンドをはじめた。同じ大学(法政大学・八王子校舎)にパンク・ハードコア仲間はいないかとバンドメンバーと探った。
ほどなく、市ヶ谷校舎の2つ上の学年にFOODCHAINという素晴らしいUS HARDCOREのバンドがいることがわかった。
FOODCHAINはとにかく活動的であった、竹内さんと前田さん(TOO CIRCLE RECORDS)は日本中のUS HARDCOREバンドと連携しようとしているように見えた。
北のSPIKE SHOESを初めて観たのもFOODCHAIN企画のスタジオライブだった。
そして、TOO CIRCLE RECORDSの名作テープコンピ”DENY THE REPORT”で西のYOUTH STRIKE CHORD(後のMAN AGAINST MAN)を知ったのである。
YOUTH STRIKE CHORDを初めて観たのは南大沢文化会館の”END OF SUMMER(BurstYourNoiseとThere is a light that never goes outの共同企画)”だったか。
私のやっていたTHIS WORLD IS MINEもこの企画に出ていたはず。
一発でこのYOUTH STRIKE CHORDに我々のクルーはノックアウトされた。まさに、スピード、パワー、アグレッション。
アジテートする強烈な存在感のあるボーカル。いかついベース。笑顔が素敵なドラム。
YOUTH STRIKE CHORDはsnuffy smileのコンピ”OUR CARDS”にも参加していた。
そして素晴らしい1枚の7インチを残して解散した。その7インチは本当に何度も何度も聴いた。
歌詞、演奏、アートワーク(いっぺいさん作:当時OUT OF TOUCH)全てが完璧な7インチであった。とにかく楽曲の質と歌詞の怒りが半端ないのだ。
あまりに素晴らしかったので私の下の代のクルー?がYOUTH STRIKE CHORDのコピーバンドを学祭の度に演奏していたほどだ(汗)

YOUTH STRIKE CHORDが解散してからベース、ドラムの梅川兄弟がやっていたREDUCTION(MAN★FRIDAY/FOODCHAINと衝撃連鎖GIGというツアーを行っていた)とボーカルの阪上さんがやっていたgordon ivy and the jaybirdsはリリースがある度に高円寺のRECORD SHOP BASEで買っていた。
しかし、ライブは観れていない。梅川のお兄さんとは何度か電話やfacebookで話したりもした。
そして時が来た。阪上さんと梅川兄がまたバンドをはじめてデモをリリースした。(残念ながら梅川の弟さんは亡くなっている。本当に残念だ)
MAN AGAINST MAN(おそらくNO FOR AN ANSWERから?)の音源を聴いた時、
「これ、これを待っていた!」とおもわずガッツポーズしたものだ。
スピード、パワー、アグレッション。三拍子そろっている。まさにアップデートされたYOUTH STRIKE CHORD。

このMAN AGAINST MANのアルバム”speed,power & aggression”はその名前のとおりのアルバムだ。
そして、なぜか、ボーカルはブラックメタルのようなイーヴルさを非常に感じる。怒りが憎悪に変わっているからなのか。
歌詞カードをみると88 YOUTH CREWが使う標語に満ちあふれている(笑)
阪上さん(Vo)がこれは意図的にそういった熟語を使っているのであろう。マニアを唸らせ、笑顔にさせる単語選びである。
もちろんYOUTH STRIKE CHORDの時のような最高水準の楽曲の質もある。
阪上さんの言うようにNegative Approachも感じるが、NYのLIFE’S BLOODなんかも感じる。
そして、あえてのこのRAWな音質。アメリカの非常に洗練されていくUSハードコアバンドに突きつける挑戦状のような粗いサウンドだ。
怒りに満ちた歌詞も素晴らしい、歌い手、読み手が理解できる英単語で表現するという点はYOUTH STRIKE CHORDの時から変わっていない。
梅川の兄さんのベースもブリブリである。
これだ、これを待っていた。我々はライブに行き、ピットで暴れなくてはならない!!!
ポーザーどもを駆逐するハードコアが帰ってきたのだ。憎しみをパワーに変え、エナジーに変え爆発する時が来たのだ!(Havoc風)

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