板垣周平のYUBISUCKERDIARY 9月

板垣周平
9/1
夜も車を運転しなければならない日は飲酒が出来ない。出来ないと思うと飲みたくなるものだ。車内でスピッツの「雪風」という曲を聴きながら泣く。
9/2
蔦屋にDVDを返却しにいったら渋滞に巻き込まれた。大声でピストルズの「God save the queen」を合唱し中和。
9/3
高速道路を駆け抜け、町を走り抜けて上映時間になんとか間に合ったのに「アメリカン・スリープオーバー」立ち見席含め満員で見れず。下北沢「宿場」でシュートン、ノゾミさん、北ちゃんと飲む。ほぼ開店から閉店まで居座る。皿うどんの皿一杯の涙を流したあと、人はまた前を向いて進まなければならない。
9/4
かなりの二日酔い。それでもがんばって長野へ帰宅。
9/5
職場のギャルが髪を染めたので褒めたら板垣さんも染めないのと聞かれたので俺は染めると一生懸命カモフラージュしている薄毛が露呈して所ジョージみたいになるから染められないと答えた。ギャグのつもりだったが思ったよりもギャル達が爆笑してくれたので逆に不安に。
9/6
朝、構内に猫の死体。搬入のトラックに轢かれたのだろう。市役所に連絡。「構内は回収に行けないのでビニール袋か何かに入れて工場の外の公道まで運び出しておいてください」との事だったので、ビニール袋に入れて道路に置いた。昼休みの前に確認しにいったらもうなくなっていた。
9/7
リンキン・パーク好きの倉庫担当と共にひたすら物の大きさを測る仕事。夏が終わった感じの微風が頬をなでたのでだいぶおセンチな気分に。
9/8
倉庫のスペアキーの作成を頼まれたので「イオン」へ。アラレちゃんくらいオーバーオールが似合うお父さんが素早く作ってくれた。去り際のありがとうございましたの発声がめちゃくちゃデカくてビビる。「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」開始に間に合わず、後半の広瀬すずが変装して町を闊歩するコーナーから見る。このコーナーもすずも相当にキツかった。
9/9
「マサラキッチン」で晩飯。店名はヒドいがここのカレーはかなり旨い。現地の男性店員さん達の愁いを帯びた笑顔もまたスパイスになるのだ…
9/10
結婚指輪を見に新宿~表参道へ。表参道は「湘南乃風」のタオルを肩にかけた人々と、「ファッションズ・ナイトアウト」という胸糞の悪いイベントに群がる人々で芋煮状態。骨の髄まで憔悴しつつ、指輪購入。出費ばかりで不安が募る。久しぶりに実家で飯を食わせてもらい、平ちゃん家でバドを飲みながら野球観戦。広島カープ優勝。25年ぶりの優勝との事。俺と平ちゃんは25年前からすでに友達。
9/11
スタジオにて練習。楽しかったが相当に疲れた。10月のワンマンの予約伸びてないから友達沢山誘ってねとメンバーに訴えるも手応えあまりなし。帰りしなフィーバーにフライヤーとポスターを置きに行ったら隣のRRでアカセさんが個展をやっていた。ゆっくりしたかったが長野へ帰宅。
9/12
各地域の友人達にフライヤー・ポスターの配布の協力を仰ぐ。ユウマ君をあおる。バンドキャンプを開設して約1ヵ月、3件注文があった。ありがたい。
9/13
上田市にしては珍しく朝から雨。朝から部屋の灯りをつけなければならないのは何だか憂鬱。朝は自然光の中ヌーヴェル・バーグ風にブレックファストをキメたい。
9/14
テレビドラマ「せいせいするほど愛している」この徹底した人物描写のなさ、感情移入のさせなさは、これはこれですごい。やるせない。タッキーのエアギターの場面は毎週挿入するべき。
9/15
「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」ほぼノーメイクでメガネ姿の川口春奈に魂をブチ抜かれる。
9/16
山口君、古高君とポッドキャストの収録。長野での鬱生活が電波を妨害し、序盤原因不明のノイズが入りまくったようだ。
9/17
上里SAに設置してある「PEPPER」に向かって自作のかなりデカい人形を使って、いっこく堂スタイルで話しかけている中年女性がいて恐怖を感じる。スタジオの後、ガス欠しそうになって今まで避けていた荻窪のガススタに入ったら初利用なのに「今までお世話になりました」と店員に言われる。どうやら今月一杯で閉店とのこと。リッター130円も取られ「潰れちまえ!」と心の中で叫んだが、潰れるのは決定しているのだから空しい叫び。吉祥寺ワープ・too smellに寄ってフライヤーとポスターを赤石君とレオナさんに託した。
9/18
昨晩・今朝と「サーデグ・ヘダーヤト短編集」を再読し、相変わらずの衝撃。ここまで陰鬱で美しいのに何だか笑えるのが凄い。父・母、妻と花小金井「同心居」にて中華料理を食べる。氷川きよしファンクラブに加入している母の氷川君トークはやはり鉄板。
9/19
東村山「エミュー」でサンドイッチを食べ気合いを入れ、長野へ帰る。クマちゃんより三陸産のサンマがチルドで届く。塩焼きにして食べつつ、Mステスペシャル見る。とてつもない方向に変貌を遂げた浜崎あゆみのパフォーマンスに衝撃を受ける。彼女は身を以てジェンダーフリーを希求しているのかもしれない…という考えは穿ち過ぎであろうか。サンマはとても旨かった。
9/20
「せいせいするほど愛している」の最終回に戦慄。徹底した心無さに感動すら覚える。トオルお勧めのWHITNEYのアルバムにそれなりにハマる。ギターがチマチマと小賢しいのは無条件に好きなのかもしれない。
9/21
他部署との飲み会。さつま揚げを抹茶塩で召し上がれ……というスタイルの店。さつま揚げは何が何でも生姜醤油だろ……何だかんだ2次会まで行く。ハイチオールCをキメたのに帰り道の記憶なし。
9/22
エイモさん、一樂さんが遊びに来たのでサンマの塩焼きを振る舞う。夜は「草笛」で蕎麦。イオンのガチャコーナーで2時間近くガチャる。
9/23
仕事後、間髪入れず東京へ。飲酒する余力すらなく別宅で泥のように眠る。
9/24
ノブさん、ババさんも含めたスタジオ。母と銀の皿をデリバり食べる。別宅で一人ビールを飲みながらブラッド・オレンジの「Augustine」を聞いたら泣いてしまった。
9/25
吉祥寺のオーエスドラッグで爆買いしたあと長野へ戻る。エーコープで買った卵を車から落として割り、部屋に戻ったら小麦粉を床にブチまけてしまった。
9/26
セカンドアルバムの内職作業に追われる。この最高の装丁、結構いい内容の音源が今回もまたずっと売れ残り押し入れに眠り続けるのかと思うと涙が出てきた。
9/27
職場の駐車場に車を停め外に出るともう木犀の香り。仕事を終え部屋に戻っても肩と腰を痛める内職作業が待っているだけ。ワンマンの予約も全く伸びない。なぜ好きな事を継続しているだけなのにこんなにも惨めな気分になるのであろうか。ベランダから見る稲穂もこうべを垂れて静まり返っている。
9/28
今日もまた仕事と内職。新婚さんなのに売れないバンドの内職作業をやらされた結果妻の機嫌の悪さがMAXに。毎日一生懸命ツイッターを使ってワンマンの告知をするのも空しくなってきた。今日も1件も予約が来なかった。
9/29
曇りや雨の日が続く&ワンマンの予約来ない現象により、アンゲロプロス映画の登場人物達のような歩き方になってきた……今週は「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」放映なし。ツラい。内職作業も佳境。部屋が音源の在庫ですさんできた。予約も伸びず、もう涙も涸れてしまった。
9/30
日が沈むのがだいぶ早くなったものだ。初回オーダー分とレコ発物販分の内職作業終了。初回オーダー分を郵送し、「大戸屋」で夕食。