INTO IT. OVER IT. 来日直前!岸野はじめ氏(the lost boys)インタビュー対談!

岸野はじめ

text by Yoshinobu Yada

the lost boysこと岸野はじめ君からINTO IT. OVER IT.来日に際して、あるやり取りの中でLIVEAGEでのインタビューを持ちかけられた。
八王子の後輩のでもあるはじめ君からの頼みでもあるし、彼の脳内は現在どういうふうになっているのか気になってもいたため、LIVEAGEでインタビューと言う名の「対談」をしてみたいと思う。
はじめ君のインタビューはネット上にけっこうあって、そこで聴かれていないエグいことを「ざっくばらん」に聞いていこうとおもう。

彼は八王子のmalegoatというバンドのベーシストであるのは周知の事実。
私は八王子でTHIS WORLD IS MINE~LINEというバンドで活動していた時代がある。
私が活動していたころ1997~2001年頃は八王子には我々以外にemoバンドはほとんどいなかったと記憶している。
BURST YOUR NOISEのボスの御大(石浦さん)とどうやったら八王子にDIYやemoが根付くのか一緒に悩んでいた時期もある。

当時、都内23区では、D.I.Y. emoのムーブメントがあり、私はそれを劣等感をもって見ていた。どんどん23区には洗練されたバンドがでてくるのだ。
御大(石浦さん)はWISE UPのラストGIG、ENVYの招聘、There is a light that never goes outとの”end of summer”、mangrove recordsとの”衝撃連鎖GIG”を八王子の南部の南大沢文化会館に持ち込み、南大沢は当時のD.I.Y. emo kidsの聖地となった。が、八王子駅周辺のライブハウスのRIPS周辺にはその波はまったく届かず、、たまにRIPSにライブを偵察に行っても「はぁ、、、あれは、、、メロコアだな。。」と言っては肩を落として帰っていた。

私も大学を卒業し就職し、拠点を川崎に移し、八王子から離れた時期だったと思う。malegoatとpeace of breadいうバンドが八王子からでてきて、あっという間に八王子をD.I.Y. emoの街に染めていった。SENSELESS RECORDSというmalegoatの洋介くんと、peace of breadの故、土屋くん(読んでるか〜?!)が運営していたレコード屋の影響が多大にあるとおもう(現在は場所を少し移動して営業中)。そのレコード屋には8スタという格安でライブができるスペースが隣接されており、一種の理想郷的な場所に見えた。SENSELESS RECORDSではビールも飲めたし。

私と石浦さんは呆然としながら、それを見守っていた。。(俺らができなかったことを、こうもスムーズにやりやがった。。俺ら、やっぱPOPじゃなかったからかな?)

そのmalegoatのベーシスト、岸野はじめ君は非常に活動的な男であり、単身、アメリカに行って海外のemoバンドのツアーに同行したり、海外のemoバンドの日本ツアーに同行したり、まさに現在の日本のemoシーンの中核にいる人間といっていいであろう。そんな彼に今回は色々と聞いてみようと思う。

ーーはじめ君、今日はよろしく!INTO IT. OVER IT.のツアーの成功の為にも色々、答えてもらうよ。フフフ。

急なお願いだったのにありがとうございます。よろしくお願いします!

ーーINTO IT. OVER IT.はエモリバイバルでも中心的なバンドのようだね。俺も聴いてみたけど、非常によくまとまった、完成度の高いemoだと思った。これは個人的な意見であるだけど、俺はいわゆるエモリバイバルのバンドをかなりチェックしているけど、やっぱり、グッと来るバンドが少なくて。これは96年からリアルタイムでemoを追っていたせいもあり、どうも焼き直しに思えてしまうんだよね。これは多くのリアルタイムemoジジイの共通の悩みなんだ。
リアルタイムのemoって、音が悪いし、演奏は下手くそだし、でもパッション凄いし、「わけわかんねーけど、なんかすげー!」って感じだったんだよね。
THE PROMISE RINGの1stアルバム、TEXAS IS THE REASONの1st EP、BROKEN HEARTS ARE BLUEの1stアルバム、Christie Front Driveの1stアルバムとか。
今、俺が気に入ってる現行のバンドはBEACH SLANG(元Weston)で、やっぱり40歳くらいバンドなんだよね。この世代間ギャップってのはもう埋めようが無いと思っていて。ただ、ライブを観たら考えも変わるかなとは思っている。FOOTBALL, ETC.の来日映像をYOU TUBEで観て良いバンドだな〜と思った。「観ればよかったな〜」と後で思ったよ。
この事象についてどうおもう?もうジジイは出る幕はないかな。。。

僕はリアルタイムでemoムーブメントを体感してないのでリアルタイムの90’s emoもemoリバイバルも聴いて好みかだけで判断してるのであまり気にしてない感じあります。
矢田さんがfootball, etc.の映像を観てその感想を持ったのもその感覚に近いんじゃないかと。それと彼女たちもそうですがdogsもIIOIもライブが兎に角良いんです。音源よりハッキリ言ってよかったんですよ笑 そういうのも体感すると印象が変わるんじゃないかなーと思います。‎なので僕が招聘してるバンドのライブ観て、もし印象変わってくれたら嬉しいですね。malegoatもそのカテゴリーに入ると思うので同じくそう思っています(笑)

はじめ君とINTO IT. OVER IT.のEvan

はじめ君とINTO IT. OVER IT.のEvan

ーーいままで、FOOTBALL, ETC.とDogs on Acidというエモリバイバルのバンドを呼んで外からみてるとツアーは成功したようにみえたんだけど。実際はどうだったのかな?
バンドに飛行機代は出してる?全体の収支はどんな感じ?答えられる範囲でかまわないので。

両バンドとも飛行機代は自腹でお願いしましたが結果的に飛行機代を賄える位のバックが出来ました。宿泊等もこっちで負担しているのでバンド側はプラスはほぼないにしろマイナスはない形に持っていけています。
今までの繋がりで車や宿泊を友達の車や家を借りて出来てた事や仲良くしてくれてるライブハウスといい条件でお願いが出来てるのがその結果に繋がっています。レンタカーでホテル取って普通にライブハウス借りたら成り立ってないですね。
個人的にサポートしてくれた日本のバンドには十分な金額ではないですがギャラを渡せてるのも継続していく上で重要だと考えてやってます。
招聘だからかノーギャラが当たり前かの様に何も言って来ない企画者とか居ますからね(笑)
こっちは状況わかるんでノーギャラ無理とか全く思わないんですが、一言”運営きついんで、ごめん”とか言ってくれればなーと思ったりする事はあります(笑)
僕も偉そうな事言える程の金額は出演してくれたバンドに払えてないので今後はその部分もクリア出来る企画を組むのが課題だと思ってます。
あと今回IIOIは前払いで飛行機代込みの最低保証金も払っているのでいつもよりツアー内容を決めるのに頭を悩ませました。
結果的に以前の招聘と内容に変化をつけつつ、自分の手が届く無理のない形で収める事が出来たんじゃないかなと思ってます。
過去2バンドより‎IIOIの知名度があると言うのも大きいと思いますが、過去二回より前売りの動きはよく、吉祥寺編はありがたい事に売切ました。

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