DIRTY SATELLITESが約6年ぶりにフルアルバムを完成させた。「EIGHT SHADES OF BLUE」(8段階の青色の色調)と名付けられたアルバムには、全8曲が互いに手鏡を合わせるように、失われた青春、青い夜、青白い夜明け、青い目で見る未来…というような「青のグラデーション」が楽曲と歌詞で彩られ、反射している。経験と初期衝動という相反する要素を軽やかに融合させつつも、紡がれた楽曲はシンプルで力強い。勢いを失わないように丁寧なミックスを施されたサウンドからは3人の個性が響き合う。ポップだがシャープ、ライブ感があるが作り込んだ部分もある、ギターオリエンテッドだからこそ、隙間のあるバンドアンサンブルが活きるこの感性!生活と地続きに鳴らされたからこその説得力がここにはある。レコーディングについて、各楽曲について、メンバーを取り巻く環境や今作の思い入れについて、矢田(G.Vo.)、足達(B)にじっくり話を聞いた。
Interview by Shuhei Itagaki (perfectlife)
Photo by RiNAKiM
・まずは、前作から約6年ぶりのアルバムとの事です。少し期間が空いたと感じます。この間はどのような活動をしていましたか?
矢田:曲は作っていたのだけど、俺と安原(Dr.本日欠席)君も子育てがあったりと、生活優先でペースを組み立てていたらいつの間にか時間が経っていた感じ。あと、足達さんが…
足達:私の方も父親の病気、他界があったり、私自身の入籍があったりで、仕事・バンド・私生活のバランスを見直さざるを得ない状況になってしまいまして。でも、「生活ありき」でバンド活動が進められているのも、メンバーの足並みが揃っているからやれているからなのかなと。生活をある程度犠牲にして活動しているバンドもいる中で、それはありがたい事です。
・活動を止めていたわけではなく、3人の家庭と仕事の事情でペースが少し落ち着いていただけだったんですね。そうなると、今作の全8曲は作った時期もバラバラなのでしょうか?
矢田:そうだね。バラバラというか、ちょくちょく作曲はしていたので、「熟成させた」って感じだね。それで、今年の1月にちょうど3人のスケジュールが噛み合ったので、満を持してレコーディングに臨んだ。
・今回も、BEA POT STUDIO(聖蹟桜ヶ丘に君臨する伝説の自宅改造型スタジオ。数々のインディーバンドが録音で使用)での録音だったのですか?
矢田:今回は、俺がギターを弾いているベスチャル・パンク・メタル・バンド”BROILER”で以前レコーディングさせてもらった南千住のVoid)) Labでベーシックを録音したんだよね。BROILERもいい音で録音出来て満足していたので、今回もお願いすることにして。で、ボーカルとギターのオーバーダビングは、小谷君(Sunday Bloody Sunday、MiDDLE等のレコーディングを担当)のスタジオでお願いして。小谷君のスタジオが俺の自宅から徒歩3分くらいの所にあったから、細かい歌の録り直しやギターダビングも時間を見つけて納得いくまで出来たかなと。最後まで付き合ってくれた小谷君には本当に感謝です。
・自宅から徒歩圏内の録音環境に出会えて、時間をかけて納得いくまで作業出来たと。
矢田:うん。1月から初めて、結局4月までやってたから。ベーシックは2日間で終わったから、歌とギターに相当時間をかけたね。
・今作も前作に引き続き、インパルスレコーズからのリリースです。
矢田:1年前くらいにはすでに「曲が出来たからアルバムを作りたい」と井川君(インパルスレコーズオーナー)には相談していて。リリースを快諾してもらったので、あとはいつもの流れで。
・今作のアルバムタイトル「EIGHT SHADES OF BLUE」、恰好いいです。タイトルに込めた思いは?
矢田:「FIFTY SHADES OF GRAY」というアメリカでヒットして、映画化にもなった官能小説があって、そこからとったんだよね。その原作や映画の内容には自分はピンと来なかったんだけど、「50段階の灰色の色調」っていう意味が恰好いいなと思って。で、アルバムに収録した8曲ほぼすべてが、青春だったり、ブルーな何かを感じる内容だと自分では感じたので、「エイト・シェイズ・オブ・ブルー」で行こうと。元ネタがSM小説なのもウチららしくていいかなと(笑)。
・格好いいタイトルに対する照れ隠しもありつつ、ですね(笑)。
矢田:そうそう。あと曲数も、アルバムとして成立する最小単位が自分は8曲とだと思っていて。自分達の集中力の限界って意味でも8曲にしてよかったと思ってる。
足達:ジャケの話しもしといたら?
矢田:そうですね。ジャケットの写真と、インナーの写真もすべてウチの奥さんが撮影したものを使ったんだ。
・素敵です。今作のフォーマットはCDのみですか?配信は?
矢田:CDのみだね。配信はやらない予定。前のバンド(THIS WORLD IS MINE, LINE)で配信を試みてみたんだけど、採算が取れないと感じてしまったので。ブラジルとか、アメリカとか世界中からリアクションが来るのは励みになるし、楽しかったんだけど…現時点ではウチらには見合わないかな。
・それでは、具体的に内容について聞いていきたいと思います。今作で一番印象的だったのは、ボーカルの録音とボーカリゼーションの変化です。今まで矢田さんの声や録音は艶っぽさや伸びやかな感じの印象が強かったのですが、今回は乾いていてアグレッシブな印象です。上手く言葉に出来ないですが、パンクロック的な何かへの原点回帰というか…
矢田:そう?それはたぶん、BEA POT STUDIOじゃなくなったからかな。BEA POT STUDIOのハンヤさんにはいつも同じダブルトラックボーカルの調整をお願いしてたから。でも1曲目は確かにガナって歌った部分もある。録音では、何回も録り直して、曲ごとにも違う歌い方しようと心がけたりもしてみたんだけど、でも歌に関して今回はテクニック的な部分よりも、精神的な変化が大きい。今回はじめて、「誰に届けるか」「どう伝えるか」ってことを考えて歌入れして。今まではそんなこと考えたこともなかった。今までやってきたバンドはどちらかというとコンセプト優先で「これが最新のエモロックだ!」とか「俺たちのオルタナカントリーの解釈はこうだぜ!くらえ!」みたいな事を考えて録音してたので。自分のマイブームだったり、自分内の音楽的なMAX値に向かって歌っていただけというか、聞き手の事は全く考えてなかった。
・変わったきっかけは何だったのでしょう。
矢田:歌録りをしている時に出たKOHHのアルバムをたまたま聞いて、「俺の歌と全然違うな」と思ったのがきっかけとしてあって。宇多田ヒカルの「Fantome」を聴きこんでいる時に、すでに歌の力みたいなのは感じていて。あとアヴリル・ラヴィーンの最近のアルバムの歌もすごく良くて。自分の中でその3人が重なって。そんな中、某インディーバンドのスプリットを聞いて決定的に感じたのが、「この人達には伝えたいことがあるし、伝えるテクニックがある」という事だったのね。で、自分を振り返った時に、自分は今までライブでも音源でも「伝える」ってことを考えて演奏したり歌ったりしたことが一度もなかったなって。で、そんな聴き方で今回の録音した自分の歌を聞いてみたら、何も感じない曲が何曲かあって。「自分が何も感じないなら、聴いてくれる人も何も感じないだろう」という基準を設けて、そういう(何も感じない)歌は何回も録り直した。それこそ、50回以上リテイクした曲もあるくらい。歌録りの後にやったライブも、「伝える」ってことを意識して演奏したら、すごくいいリアクションが返ってきたんだよね。不思議だけど。
・「伝える」って言葉がめちゃくちゃ出てきました。そもそも、「伝える・伝わる」という言葉自体、あいまいで危ういものです。伝えるという意味をもう少し掘り下げてみたいです。伝えたいのは、歌詞?曲?
矢田:そうなんだよね…そもそも歌詞も英語だし、俺の作る歌詞の内容も、あいまいとしている部分を大切にしたりしている。俺がもうひとつやっているWEIGHTというユースクルー・ハードコアバンドのメンバー、高山にも「伝えるとは…」って話をしたら、「何を伝えたいの?」ってすごい突っ込まれて。「いや、歌詞で伝えたい事はない」って答えたら、「それは矛盾している!」って言われたんだけど、「矛盾はしてない!だって歌詞が分かんないハードコアパンクのライブ見てお前だって感動することあるだろ!それは何かが伝わって受け取ってるってことなんだ!」みたいな返しをし、白熱したんだけど…
・いい感じで核心に近づいてきました(笑)。
矢田:結局何が言いたいかというと、「伝える」っていうのは究極、男性と女性の関係に近いと今は考えていて。
・どういうことでしょう?「FIFTY SHADES OF GRAY」感もやはり、あると?(笑)。
矢田:いや、なんていうか伝えるってことは結局、「自分の存在を認めてもらうために、相手の心をこじ開ける行為」なのかなと。自分がアヴリル・ラヴィーンの「Head Above Water」って曲に歌詞も分からず感動しているのは、曲を通じて彼女の存在にヤラレて自分の心に刺さった結果なんじゃないかと。
足達:でもライブでも「この曲はこんな事を歌っています」ってMCしてから始める曲とそうでない曲があるよね。矢田さんの中でその辺は切り分けて演っているのかなと俺は思ってたけど。
矢田:今回レコーディングする前まではそうだったです。英詞なんで歌詞の内容を伝えてから演奏した方がいいかなと思っていた時期もあり…でも今は、どうやったら聞き手の心を開けられるかって事に重きを置いているというか。自分が聴き手として好きなバンドのライブを観ていても、感動する日もあればそうじゃない日もある。その心の動きの変化は何なのだろう?とずっと考えていて。答えがない事だから、送り手としては、自分の心を解放して「曲を通じて人の心を開いて自分の存在を伝える」って事をやっと意識した感じで。「自分の心に届かなければ、他人に届くはずはない」ってやっと気付いた。多分、売れているミュージシャンなら18才くらいには気づいている事を、バンドを20年以上やってきて初めて気づき始めたという(笑)。
・それでは、各収録曲ごとにも聞いていきたいと思います。曲順でどうぞ。
矢田:1曲目は「マグノリア」という映画と「ブレードランナー」からインスピレーションを受けて。マグノリアに出てくる”quizkid”ともスプリットを出したしね!歌詞の内容は聞き手が自由に想像して欲しいから今回はあまり話さないけど、サウンド的には1曲目にしては俺らにしては新基軸のつもりで。近未来感というか。
・新基軸という事でしたが、私は矢田さんの原点であるEversor辺りを感じました
矢田:なるほど。確かにサビではそういう雰囲気もあるけど、演っている側の意識としては、REFUSEDのデニスが今やっているバンド、INVSNやJOY DIVISONのサウンドに影響受けたかな。
・私は実は、ほんの少しソシャデ(SOCIAL DISTORTION)も感じたんですが…
矢田&足達:それはないなー!(笑)
・すいません…実は私はむしろ2曲目の方が新基軸な印象を受けたんですよ。いわゆる、日本のビジュアル系的耽美な、スギ様(SUGIZO)直系のギターソロが素晴らしい…
矢田:確かにそうだね(笑)!でも、SUGIZOが新宿のNATやALLMANでワシントンD.C関連のハードコアをディグりまくっていたというのは、都市伝説だったらしいよ……(しばし脱線)……とにかく、いわゆるビジュアル系でいうとBUCK-TICKも最近凄く聴いていたし。でも、サウンドの影響としてはTHE KILLERSとか昔のU2が濃厚かな。THE KILLERSはこの前の武道館公演も観に行ったし。ベースのしっかりしたルート弾きの上に上物がフワッと乗ってる印象がね。
・3曲目は、ズバリ、リードトラックですね?アルバム前半のピークって感じがしました。後半のコーラス部分(矢田さんの息子さんもコーラスで参加!)はライブハウスでのオーディエンスのシンガロング風景が見えましたよ!
矢田:やはり?今日のインタビューの前に5人くらいにアンケート取ったら、やっぱりこの曲が「シングル曲だ!」って言われたんだよね…バンドのモード的には2曲目とかの楽曲が最新モードなんだけどね。
足達:MVをどれにするかっていうのも、結構井川君(IMPULSERECORDSオーナー)含めて揉めたというか、難航したよね。俺は1〜3曲目までのどれかだったらいいな、と思ってたけど。
矢田:バンドが向いている方向が今は2曲目なんだよね。(結局3曲目の”Baby face”をPVにしました)
・今作は全編を通して足達さんのベースにコーラスがかかっていますけど、この曲は特に深くかかってますね。
足達:コーラスエフェクトは深さだけじゃなくて、曲によって種類も変えたりしてみましたね。
・4曲目は珍しくマナー調で、ダークな感じですね。
矢田:マイナー調だけど、サビでは開けるよね。うちらのバンドではあんまりない感じなのかな。自分ではお気に入りです。今回はCDだけど、レコードだとするとこの曲がA面の終わりの曲って感じで。
・KILLING JOKE感もありますね。
矢田:そうだね。限界まで早いハイハットの16刻みの曲をやってみたかったんだよね。安原君は凄く疲れるって(笑)。
・5曲目は、先ほどお話しが出たquizkidとのスプリット10インチ収録曲の再録ですね。
矢田:再録にあたって、コード進行もアレンジも変えてみたり。スプリットではシーケンス音も大きかったから80’s POP的な要素が強かったからね。
足達:ありがたい事に、スプリットがほぼ完売したってのもあり、まだ聞いていない人がいるかもしれないからCDにも収録出来たらなと。
・80’s POPという言葉が今出ましたが、今作はその要素は薄いですよね。ミックスもストレートなギターロックです。
矢田:前回のファーストアルバムを聴いた知人約2人から、「ギターの音が小さい」と言われたから、今回はギターと歌を全面に!
足達:2人(笑)。
矢田:今回のミックス作業、実は初めは「Cactus World News(U2のボノがプロデュースした80年代のバンド)みたいに!」ってエンジニアの小谷君に言ったりもしてたんだけど、俺のギターのディストーションサウンドでそういうミックスにしてみても全然しっくり来なくて。結局、「JAWBREAKERの”DEAR YOU”みたいにして下さい!」って(笑)。
・6曲目はCOUNTING CROWSのカバーという事ですが、収録に至った経緯は?
矢田:単純に、すごく好きな曲だったんだよね。息子が将来結婚するときには、入場曲で使って欲しいくらい好きで。で、息子の結婚まで待ちきれずに、今回レコーディングしてしまった…という事で(笑)。
足達:(笑)。GAMEFACEと来日公演で共演した時のエピソードも追加でお願いします…
矢田:あれですね!LIVEAGEで彼らを招聘した時に、彼らもオレンジカウンティの出身でCOUNTING CROWSと同郷だったからこのカバー曲を演奏したら喜んでくれるかなと思って演奏したら、「彼らとは友人でもない。彼らの音楽は素晴らしいけど、俺らはパンク・ソサエティで、彼らはただのプロだから…」っていうとても微妙なリアクションを頂戴したという…
・(笑)。とても、最高のエピソードをありがとうございます。
足達:矢田さんらしいエピソードだよね。
矢田:「まあ、いい曲だよね」って言われたよ(笑)。
・7曲目は、すべてのサラリーマンになった元ナード少年達に対するアンセムですね。
矢田:(笑)。確かに、歌詞の内容は「俺にはこういう生き方も出来たかもしれない…」っていう部分もある。聴き手がどう感じるか幅を持たせているけどね。楽曲としては実は少し変拍子で。JAWBOX的な要素もありつつ。
・最後の曲は、初期GREEN DAYな感じもありつつ。でもHUSKER DUではなく、SUGARに近い感触で。
矢田:スタンダードなアメリカン・ロックというかね。俺がこのバンドをはじめた時には打ち込みの曲もやりたかったんだけど、足達さんが「俺たちはギターロックでしょ」って言ってくれた言葉もずっと残ってて。「餅屋は餅屋」という事で、今回のアルバムは全曲を通して歪んだギターの快感を大事にしたんだよね。使ったギターも原点回帰でSG1本。「伝える」って事にも繋がるけど、今作は「自分達がグッとくる」ところまで、とことん追い込んでパッケージ出来たから、是非とも多くの人に聞いてもらいたいですね。SAMIAMの来日公演にもアルバム発売間に合うし、来年まで続く息の長いツアーも決まっているので遊びに来て下さい。
DIRTY SATELLITESのツアー予定などはここからチェック!
https://dirty-satellites.tumblr.com/
DIRTY SATELLITES 2nd album “EIGHT SHADES OF BLUE”
from IMPULSE RECORDS, imps-97, 2019/6/21 release, include 8songs,
1800yen(tax in) at store / 1500yen(tax in) at show.
Recording : Inari@Void)))Lab
Recording, Mixing & Mastering : Kotani@Kotani Studio
Design : Steinski
Photo : Maki Taguri
Band Photo : RiNAKiM
Music Video : DUCT-san
Interview : Shuhei Itagaki(perfectlife), Yamaguchi(bed)
Executive Producer : Ikawa(Impulse records)
DIRTY SATELLITES “EIGHT SHADES OF BLUE TOUR 2019~2020”
6/16(日) 鶯谷What’s Up What’s Up presents
7/13(土) 新代田FEVER LIVEAGE presents w/SAMIAM(US)
7/14(日) 名古屋鶴舞DAYTRIP NAVEL presents w/SAMIAM(US)
8/3(土) 名古屋鶴舞RIPPLE THE T.V. DINNERS presents
9/21(土) 仙台BIRDLAND ANSWER presents
9/22(日/昼) 福島アートスペース傘 SATO(RedTemple) presents
10/13(日) 高松TOONICE OFF-END presents
10/14(祝/昼) 徳島bar txalaparta IMPULSE RECORDS presents
11/30(土) 横浜OLIVE have fun time with you! present
1/18(土) 下北沢ERA DIRTY SATELLITES presents
2/29(土) 大阪 扇町para-dice bed & DIRTY SATELLITES present
東京のエモーショナルロックトリオ”DIRTY SATELLITES”の1stアルバムから約6年ぶりとなる2ndアルバムが四国のIMPULSE RECORDSよりついにリリース!
DIRTY SATELLITESの1stアルバム”Beautiful & Blue”では前身のMOD LUNGで培ったオルタナティヴカントリーに、かつて彼らが90年代にリアルタイムで経験したエモーショナルロックのメロディーを持ち込んだ。1stアルバムで彼らが見本としたバンドはアメリカのR.E.M.の後輩にあたるようなCOUNTING CROWS, TOAD THE WET SPROCKET, GIN BLOSSOMSといったバンド達。
1stアルバムはエモーショナルロックでありながら温かみのあるサウンドとなった。
その後、quizkid(東京・福岡)との10インチ・スプリット・レコードではシーケンサーを使うなど、さらに洗練されたロックサウンドに挑戦した。
上記スプリット発売後、Vo/Guの矢田は編集長を務めるPUNK/HC/EMOのWEBメディア”LIVEAGE”としてアメリカのエモーショナルロックのレジェンドバンド招聘活動に力を入れた。
伝説的EMOメロディックバンドGAMEFACE(2018年2月来日)、SAMIAM(2019年7月来日予定)、ギャレット・クラン(TEXAS IS THE REASONのVo/Guのソロ : 2017年2月東京公演を企画)と直接コミュニケーションを取った。それは90年代に彼ら3人がリアルタイムで経験したエモーショナルロックの熱を再び強く楽曲に取り戻すきっかけとなった。
それはまた、彼らが過去に在籍していたエモーショナルロックバンドのTHIS WORLD IS MINE(矢田Vo/Gu)、THREE MINUTE MOVIE(足達/Ba)、ONE THOUSAND WISH(安原/Dr)の要素をこの2ndアルバムに注入する引き金ともなった。
さらに今回の2ndアルバムではNEW WAVEという領域に深く踏み込んだ。80年代のU2, THE CURE, THE SMITHS, NEW ORDERといったバンド、現代のバンドではTHE KILLERS, THE NATIONAL, INVSN(REFUSEDのデニスがボーカルを務めるバンド)などの影響を強く受けた。
いわば、このアルバムは彼ら20年間の音楽活動の歴史の総決算であり、振り返りであり、また、再構築であると言ってよいであろう。
と同時にNEW WAVEとエモーショナルロックの融合を試みた意欲的な実験作でもある。
90年代後半より活動を続けている人間が奏でる現在進行形のエモーショナルロックサウンドを是非、体感してほしい!