南半球の小国で生まれた、壮大な音像。CITY OF SOULS、デビューアルバムリリース記念インタビュー

――活動開始後、“Water”、“Sleep”、“Long Gone”の3曲をシングルとしてリリースしたよね。その3曲はDEFTONESやA PERFECT CIRCLEといったバンドの影響が強かったけど、アルバムではよりシューゲイザーやポスト・ハードコア、ポスト・ロックの要素が強くなった感じがする。

「このバンドは僕のほかに、5人の才能あるメンバーが揃っている。コリィ(・フリードランダー:IN DREAD REPONSEほか多数)なんか、ニュージーランドでもトップクラスのドラマーだしね。その中でも、みんなで顔を合わせて曲のアイデアを練っていくのが好きな奴もいれば、家で一人で考えたものを持ち込む奴もいる。そんな僕たちが初めてひとつにまとまったのが、1曲目の“Lifeblood”なんだ。これ以降、バンドの方向性が固まったのは間違いない。ほかにも、当時の僕はBURIED INSIDEみたいなポスト・メタル系のバンドをよく聴いていたから、その影響もあるかもしれないね。それとリッチーはFAILUREとか、ほかにも僕があまり通ってこなかったスペース・ロックやグランジの大ファンで、低い声で歌うのが得意なんだ。それをスペーシーなサウンドと組み合わせて“Long Gone”を作った。いろんなことに制限なく挑戦するのはすごく楽しいし、サウンドにも現れていると思う」

――JOY DIVISIONの“Love Will Tear Us Apart”をカヴァーしているよね。淡々とした原曲を、よりドラマチックにアレンジしているのが、すごく意外だった。

「僕自身、この曲は昔のバンドのメンバーから教えてもらったんだけど、重苦しい歌詞に比べてプロダクションが控えめというか、ちぐはぐな気がしていたんだよね。そういう意図がバンドにあったのかもしれないけど、歌詞の内容とリンクするように、曲をヘヴィにしてみたいとはずっと考えていた。もちろんメロディックな部分は生かして、原曲のファンががっかりしないように気を付けた。日本では、JOY DIVISIONやNEW ORDERはすごく人気があるんだよね?気に入ってくれるといいな(笑)」

――アルバムの最後は、インストゥルメンタルのタイトル曲だね。ヴォーカルの代わりに、同郷のHEAVY METAL NINJASのリッチー・アレン(g)が参加しているけど、彼はギターじゃなくてオーケストレーションを担当しているんだね。

「アルバムを作ることになったとき、最後はインストで締めたいというアイデアがあったんだ。この曲の原型を僕が作ったとき、リッチー…うちのヴォーカルのほうね。彼が“これは俺が歌う必要ないんじゃない?”って言うからさ。それじゃあこの曲を最後のインストにして、HMNのリッチー・アレンにオーケストレーションを頼むことになったんだ。どんな感じにするのかもお任せでね。リッチー・アレンはニュージーランドどころか、世界でも指折りのギタリストだけど、オーケストレーションで音を豪華にすることについても、ものすごい才能の持ち主だ。もう、彼かハンス・ジマー(パイレーツ・オブ・カリビアンほか)かってくらい(笑)。そのセンスを注入してほしかったから、僕らからはどういう風にしてほしいとか、そういったオーダーは一切していないよ」

――アルバムタイトルの『SYNÆSTHESIA』は「共感覚」という意味だよね。

「スティーヴが共感覚を持っていて、音を聴くと、色がついているような感覚になるみたいなんだ。“この音は青だね”とか、よくそんなことを言っているよ。いい曲だけに見える色があるらしくて、曲作りのとき、彼がその色を感じられたかどうかが、完成の判断材料になることもある。それで今回のタイトルになったんだ。ブックレットやYou Tubeで公開しているオーディオヴィジュアルも、その色をみんなにも見てもらえるように作っている。スティーヴとしては、このバンドの曲はいろいろな音が組み合わさることで、複雑な色ができあがっていくのが好きみたい。そういった意味では、例えばDEFTONESなんかは、チノ・モレノの声も音のレイヤーのひとつとして機能しているよね。そういった部分でも、影響を受けているんだと思う」

1 2 3