BBがついにアルバム『BLACK BABEL』をリリース!孤高かつ異形のバンドの全貌に迫る!

――そのアルバム『BLACK BABEL』ですが、リリースまでに長い時間がかかりましたよね。

Ryuji: 2017年にREDSHEERとのスプリット(『In the beginning of noise slaughter』)を出したときに、7曲くらいはレコーディングしているのよ。スプリットに入れたのはそのなかの1曲。それで残りの6曲をどうしようかとなったときに、自分らでなにかデモ音源みたいなものを作って出すかっていう話もあった。別にレーベルが決まっているわけでもなかったし。でもその時点で新しい曲も作っていたから、それならレコーディングした時期の違う音源じゃなくて、新曲も含めて全部録り直して、自分たちのベストな形を出したいと思った。

――実際にアルバムを聴いたとき、ライヴの濁流のようなサウンドとは全く違って、各パートをハッキリ分離させたクリアな音質にまず驚きました。

Ryuji:マスタリングしてくれたブラッド(・ボートライト)も、BBの繊細な部分をきちんと理解して音づくりしてくれた感じがするね。ライヴと音源を同じ感覚でやりたいっていうバンドもいるだろうけど、俺としてはライヴと音源は別物と考えていて、音源ではライヴでは表現しきれない部分を盛り込んで、自分たちの本来の姿をちゃんと出したいと思った。今後は、音源でしか表現していない部分をライヴでどうやるかっていうのも、BBの課題になると思う。

――言い方は悪いですけど、どのパートもテクニック的には難しいことをやっているわけではないんですよね。でも複雑に入り組んだリズムや展開を解きほぐすといろんな発見があるし、この四人の表現力や個性がひとつになって、足し算以上のパワーやグルーヴが生まれているのがわかるようになっていて。

Ryuji:変拍子って難しいものと思われがちだけど、ぱっと聴いたときに、ストレートなロックに感じられるノリのいい変拍子をやりたいっていうのが、曲作りであるね。いかにロックのノリがありつつ、実はこんな奇数拍子で、ここでドラムが裏返っているんだとか、しっかり聴けばわかるようになっているし、分析の楽しさがあると思う。メンバーみんないい歳だから、いろんな音楽も聴いてきたし、引き出しはあると思うのね。その引き出しの中には何が入っているのかはともかくとして(笑)。

――ブックレットは最低限のクレジットしか情報が載っていないですよね。このそっけなさ、90年代だなぁって感じがしました。

Ryuji:今回、歌詞を載せるかどうかは悩んだのよ。「BBの曲ってどんな内容を歌っているかわからないけど、聴いていて情景が浮かぶとか、それぞれ自分なりに想像してくれてそんな感じのことを言ってくれるお客さんがいて、俺の言葉を正解として載せて、せっかくお客さんが感じてくれたことと違ったときに、違和感が出てしまうのもいやだったんだよね。それならばいっそのこと聴いてくれる人にCDで聞き取れる歌詞だけを聴いて自由に想像を膨らませてもらおうということで、何も載せないことにした。あとは嬉しいことにBBの曲は、1曲ごとに1つのドラマみたいだって言ってくれる人もいて。てことはこのアルバムは、第1話~7話まで入ったコンセプト・アルバム的に感じてくれている人もいるみたいだね(笑)。で、次のアルバムはその続きの8話からスタートするかもしれないし、まったく別のストーリーを1話から描いていくのかもしれない。

――バンドが始まってから、1stアルバムまでおよそ9年。これまでも音源にしろライヴにしろ、じっくり自分たちの納得いく形を追求して活動してきましたが、今後についてはどのように考えていますか?

Ryuji:BBの音はジャンルが定まってなく色々な要素があるから、いろんな方面で幅広く活動していけるっていう強みがあると思う。どこでも自分たちのやることは変わらないし。バンドをいつまで続けられるかもわからないけど、もちろん続けてはいきたい。おっさん集団だけど、オリジナルを作るっていう伸びしろが俺たちにはまだたっぷりあると思うからね。いろんな意味で、若い子にかなわない部分は多くあるけど、その子たちにはまだ表現しきれないことや引き出しはあると思うから、それをうまいこと生かしてオリジナル・サウンドを作っていきたいと思う。自分のこだわりを貫いて、売れなくてもいいし、アンダーグラウンドと言われてもいいし、おっさんの趣味と言われてもいいから、自分の好きなことを死ぬまでやり続けていきたいね。

――これまでライヴは東京近郊ばかりで、それ以外は2018年に大阪で一度だけでした。でもアルバムのレコ発として、6月から各地に遠征が控えていますね。

Ryuji:本当ならもっと色んな場所に行きたかったんだけど、今回はとりあえず仙台、岐阜、大阪の3本、7月に東京でファイナルの予定。地方でBBを見たいって言ってくれている人もいるし、実際、地方からBBを見に東京まで来てくれる人もいたからさ。俺も可能な限り日本全国でも海外でもライヴやりに行きたいし、たくさんの人に生のBBの音を体感してほしいね。

<作品情報>

BB『BLACK BABEL』
Daymare recordings/DYMC318
Now on sale

<各種リンク>
twitter:https://twitter.com/BB_officialinfo
facebook:https://www.facebook.com/BB-437048603112670/
bandcamp:https://bb2017.bandcamp.com/releases

<BB Live schedule>
5/25(土)東京 東高円寺二万電圧
6/8(土)宮城 仙台BIRDLAND
6/28(金)岐阜 柳ヶ瀬ANTS
6/29(土)大阪 TBA
7/14(日)東京TBA

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