異形のフォーク・アルバム。Bob DylanとThe Bandによる所謂Basement Tapes的な異形さ。フォークでもないカントリーでもないブルースでもない…1920〜30年代のアメリカのルーツ・ミュージックが、枝分かれする前の音楽。Harry Smithが編集した『American Folk Music』(アメリカのルーツミュージックの探求には欠かせないコンピレーション)を21世紀の視点で…いや…ジェフの視点で新たに作り上げたような、そんなアルバム…これは考え過ぎだろうか?
Wilco最初のアルバムには選ばれないだろうが、最終的には聴かねばならないアルバムだと言えるかも知れない。
ただ…本当に惜しい…。
例えばこのアルバムをDaniel Lanois(カナダ出身のミュージシャン/プロデューサー。彼独特の音像はアメリカのルーツミュージック、アメリカーナ等への理解と愛情に溢れている。Wilcoと同じくANTI所属。)がプロデュースしたら…。
もしくはかつての盟友Jim O’Rourke(ミュージシャン/プロデューサー。Wilcoの『Yankee Hotel Foxtrot』と『Ghost Is Born』は彼の協力なくしては傑作となりえかったであろう。メムバーとのユニットLoose Furも印象深い。)が協力してたら…もっと面白かっただろうな…と妄想させるスキがあるにはある(笑)。
そして…ジャケのアートワークが素晴らしい!
Joan Cornella…全く知らないアーティストだったが、一目で魅了される可愛くてキモい素敵なイラストだ。
ファンは勿論マストだが、僕以外のWilcoファンはどう聴いたのか…とても気になる作品だ。
編集Y氏は「理解不能」と言い放っていたが(笑)。