ベトナム最大のハードコアイベント「School of Mosh」レポート

School of Mosh

初めまして。私、東京でキャンビーザライトという小さなWEB制作会社を営んでいる高山と申します。以前はDAIEI SPRAYというバンドの、今は03OOI(ゼロサンオーオーアイ)というバンドのベース担当です。ちなみにLIVEAGEにもレビュー載ってましたが、DAIEI SPRAYの新譜は激マストです。

さて今回、LIVEAGE矢田さんが快く引き受けてくださったので、ベトナムのイベントレポートという形でベトナムのハードコアシーンの一端をご紹介させていただきます。日本に住んでるとあまり想像することもないベトナムの音楽シーンの雰囲気が伝われば幸いです。

と、書いたところでいきなり他人の力を借りますが、イベントレポートの前に、まずこのイベントに出演したベトナムローカルのハードコア/メタルバンドを聴いてみてください。今回実はローカルバンドには、このイベントに出演するためには、期限日までに新曲を出さなければいけないというルールが設けられていました。それらの新しい曲が集まったプレイリストです。いい楽器は買うのが難しい、練習は個人の家の2階でやってるようなスタジオで、みたいな過酷な状況でやってるとは思えないクオリティです。

SCHOOL OF MOSH 2017

ベトナムを含む東南アジアという地域は、もしかしたら料理以外は馴染みが薄いかもしれませんが、実は様々な音楽が根付いている地域です。パンク/ハードコアに限って言えば、フィリピンやインドネシアでは日本と同じぐらい歴史がありますし、マレーシアやシンガポール、タイその他の国でもアンダーグラウンドで活動を続けているバンドがたくさんいます。アジアのパンク・ハードコアの最新情報を知りたければ、Unite Asia(英語)というサイトもあるので是非。国名とジャンルとそのアクションでシンプルにタイトルをつけてくれてるので(例:Death metal band Nocturnal Kudeta release new demos [Indonesia])、英語わかんねー、って方でもタイトルを追うだけで楽しめると思います。

ちょっと話がそれましたが、その中でもベトナムで流行ってる音楽は何なの、というと実はK-Pop、それを独自解釈したV-Pop、ビルボード・チャート、ロックはと言えばメタルがメインです。

ただ、これはあくまでオーバーグラウンドの話。実はアンダーグラウンドでは着実にハードコアシーンが根付きつつあります。

元々、歴史的な背景から言うと、海外の音楽が入ってきだしたのは、インターネットの普及に伴ってだと聞いています。その当時に欧米でも流行っていたのが、Korn、Limp Bizkit、Slipknotのようなメタルコア的な音楽。今の若いハードコアキッズはそこを入り口にしている第二世代のようです。ちなみに第一世代はベタベタにメタル。第二世代の彼らはその入口の音楽からニューヨークハードコアにたどり着き、現代の音楽をミックスして自分たちの音楽を作り上げているように見えます。

あ、ちなみに、ベトナムの第二世代的なバンドが全てハードコアというわけではなく、ポップパンク的なバンドや、NGOTのようなインディー/オルタナティブな人気バンドもいます。一応念のため。ただ、シーンみたいなものがあるわけではないようです。

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