今回faucetというレーベルを立ち上げ、みなさんの協力の元、LisaloomeR、2yaGo、ニューロマンティックス参加の「ADULT SLASH」というタイトルの3way split CDを製作しました。
ディスクレビューという事で、自分でやってるバンドをレビューするのも野暮だろと思い、LisaloomeRのレビューは30年来の友人、90年代初期の札幌Hard Coreシーンの若頭的存在だった、GNATS SUCKERのドラムのロペス氏に。
2yaGoのレビューはLisaloomeRのドラムこと私、マサキが。ニューロマンティックスのレビューはCo/SS/gZの録音鬼第三部のジャケの題字を書き殴った「書道鬼」ことM@YUM1氏にお願いした。

LisaloomeR
アルバム冒頭から、歪みの強いギターと重めのリズムにノイジーさを感じるが、曲が進むにつれ、ノリの良さとポップさに引き込まれる。
バンドの荒削りさをそのままに高度に洗練された、歪んだままに磨かれた珠玉とも言える二曲。
マサキ(ex:thugs)率いる新体制LisaloomeR。
かつてのthugsのどこかいい加減な音楽性をバックボーンに、マサキのいい加減な魂に共鳴したメンバーもまた、一人一人経歴を挙上すれば枚挙に暇がないほどのキャリアを持つ面々。
全編に渡る荒さとポップさ、そして何よりどこかローファイなダルさは、握ったこぶしを振り上げることなくダラりと降ろし、両手をぶらぶらさせて踊りたくなってしまう。
そんな大人のバンド。

2yaGo
日本のデトロイトと呼ばれる四日市。その辺バンドに共通で抱くのは、良い意味での「彼らのベーシックは一体何？」という思い。
今回の2yaGoの２曲も自分の中の疑問を最大に膨らませてくれる、最高の２曲。
ラテン系のリズムに、ピアニカ、SAXそしてマンドリンなどの温かみのある楽器がメロディーを奏で、そこに図太いベースとサイケデリックなギターがギッタギタに切り刻み、口だけベリー嬢とヨキテルがパワフルに歌い上げる様は、こちらの深読みの介入を許さない程とても痛快。
2yaGoを紐解く鍵として、メキシカンポップという言葉を使うなら、彼らが世界をどんな眼鏡で見ているのかが凄く気になるし、俺にもその眼鏡を貸して欲しい。

ニューロマンティックス
慈愛も肉欲も含めた広義の愛をギリギリ猥褻なボーカルと性急で強めの淫欲なリズムで攻め立てられ、「ニューロマンティックス」というバンド名が控えめに思えるほどに中身は「ブレイクスルーエロティックス」。
曲の雰囲気は不粋を承知で物凄い乱暴に説明するとしたら「Paint it, Black」 と「Time of the season」からアンニュイを差し引いた後、テストステロンぶっ掛けフェロモン3回爆発させたような合法合成麻薬。
これを聴いたらそのまま2人でシーツにくるまり、あとは手脚絡めて体液交換するしかない欲情One night standソング。
発火寸前のトロけそうな今夏に相応しい腰砕けADLUT “Melty” SLASHな２曲。