四ヶ月連続新曲リリース！！冬蟲夏草が生み出す混沌と恐怖

改めて思ったんだけど冬蟲夏草はバンドというよりも総合的なアートチームなのかもね。

高島：メンバーそれぞれ役割分担とか出来てますね。曲作りとかアートワークとかは河内さんが全部やってますけど。

例えば俺とかは河内さんのイメージ通りのベースを弾くようにしているんですけど、ベーシストとして「こうした方が良いんじゃない？」って意見はしますけど、自分から「こういう事をやりたい！」って言うことは一切ないですね。

それに俺がアイデアを出して、それを取り入れた所で冬蟲夏草として曲が良くなるかって言われたらならない気がするんですよね。

河内さんの価値観で作った曲の統一性的なのも大切にしたいですし。

俺、渋谷HOMEで働く前は雑誌の編集の仕事をしていたんですけど、執筆者に対してサブみたいなポジションで仕事してて。バンドもそういう意味でそういうポジションがしっくり来ましたね。

河内:でも昔、高島が曲作って来た事があったんですけど、高島が作った曲の方が受けは良さそうだなって感じでしたね。CONVERGEっぽい感じで。

冬蟲夏草は世界観やコンセプトが色濃いから、河内以外が曲を持ってくるとそれが崩れたりもあるだろうから難しいだろうね。

メンバーそれぞれがコンポーザーとしての役割を担っていて、それを擦り合わせて生まれたのがそのバンドの音になるならそれが一番なんだろうけど。

河内:明日の叙景がそんな感じですよね、全員がコンポーザーで全員が技能集団で。

改めて4ヶ月連続でリリースパーティをやろうと思ったのは？

高島:今回リリースする4曲ってこれまでの冬蟲夏草の曲の中でも特に癖の強い曲なんですよ。

だから曲に合わせた対バンを呼んで全部2マンライヴをやるのが良いと思ったんですよね。8月25日のGraupelとの2マンを皮切りに、毎月企画を打っていきます。メタルコア界隈とはこれまで絡みが無かったので、これから増えたら良いなと思っています。かなり混沌とした感じになると思います。会場は渋谷HOMEで全部やるので是非とも来て欲しいです。

今回こうした形での新曲リリースになったけど、アルバムって実際どうなると思う？

高島:俺たちまだ1stアルバムを出していないんですけど、アルバムを出したいって感じでも無くなってきているんですよね。

新曲が出来たら絵が一枚完成しましたって感じで派手に展開したいってのが今は強いんですよね。その方がうちらには合ってますね。

河内:アルバムも出せたら良いけど…（笑）頑張ります

今の時代がアルバムをリリースしてナンボって時代じゃ無くなって来ているのかもね。

河内:今サブスクが広まる中、色々な意見があるとは思うんですけど、昔超容量が小さいiPodしか持ってなくて、限りがあるのでアルバムを聴いてiPodに入れる曲を1曲1曲精査していたんですよね。

そう考えると昔からサブスク的な音楽の聞き方をしていたんじゃないかと思います。

アルバム愛がある人ってアルバム全体で音楽が好きな人が多いのかもですけど、個人的には結構コンセプチュアルなアルバムじゃないと流れで聴かないというか好きな曲だけひたすら聞いちゃいますね。

アルバム全体を通しての世界観もあるだろうし、その1曲で完結する世界観もあるとは思うんだ。初期パンクがシングルをよくリリースしていて、その曲はアルバムに入らないのと同じ感じかもしれないけど。

河内:アルバムを通して聴く音楽もありますけど、バンドはやっぱりサブスク的な聴き方が多いです。

高島:ここ数年でサブスクとかそうしたデジタルなフォーマットが普及して来たじゃないですか。そうなると過去のフォーマットもいずれ崩れる時が来ると思うんですよね。

だからいま周りと違うことやってもそれが全然普通になると思いますし、それがまた新しい流れを生むと思います。