さてSAMIAM来日の報せを受けNEW RED ARCHIVES時代の作品を聴き直してみました。Lookout!からのdebut 7”、1stアルバム&”underground” 12”EP、2nd”Soar”と“Beauf”ミニLP”を経て初期SAMIAMの集大成と言える3rd”Billy”&”don’t break me”10”。この1989~1992年頃リリースした作品で聴くことのできる彼等の特異な音楽性は一体何なのでしょうか?どうやったらこんな曲構成とアレンジを考えつくのかな?私達が普段よく耳にするAメロBメロからサビといった基本セオリーを無視したソングライティングセンスは、最初聴き手の期待感を拒絶することがあるかも知れません。だけどその独創性豊かな曲展開の中には、幾つもの印象的なフックが散りばめられ聴けば聴くほど曲の虜になっていくのです。癖になるというのでしょうか。絶妙のバランスで鳴り響くツインギターのアンサンブル、ギターSergieの奏でる悲しげな単音ソロのメロディ、そしてバンドの代名詞とも言えるJasonの情熱的いやもう情念といった類の爆発的な歌声とシャウト。Emoなんて言葉が一人歩きしている昨今ですが、彼の歌を聴いていると、曲と親和性の高い憂いを帯びた歌詞と相まって「Emotionalとはコレなんじゃないのか」と感じてしまいます。あまり語られることはなかったと記憶していますが、ドタバタしつつ妙な味のあるMarkのドラミングもその孤高性に一役買っているような気も。あれは狙って出せないよね、この辺りSAMIAM好きPunk/HCドラマーさん達のコメントを聞きたいところです。
そしてその唯一無二の音楽性故か、90年代世界中で雨後の筍の如く出現したCRIMPSHRINE/JAWBREAKERフォロワー達とは対照的に似た音を出すバンドが殆ど思い当たらないのが凄いところ。いや、「SAMIAM好きなんだろうなぁ」と感じるバンドは存在するのですが…きっと初期SAMIAMはバンドが撒き散らすオリジナリティが強烈で真似できなかったのだと思います。ちなみに私がギターを弾いているバンドNAVELでも結成当初彼等に影響されまくった曲を作ってスタジオへ持っていきましたが見事にボツってしまいました。チッ。
そんな中「SAMIAMファン必聴!」ってなレコード屋さんの宣伝文句に騙されまくっていた私が初期SAMIAMに近い音楽性で心よりお勧めしたいのはBADGER, SOUTHPAW, TWO LINE FILLER, PAINTED THIN, SLAP OF REALITYです。これを読んでくれてる方なら知ってるバンドばかりかも知れませんが、未聴の方は是非聴いてみて下さい。
BADGER
SOUTHPAW
TWO LINE FILLER
PAINTED THIN
SLAP OF REALITY
【お知らせ】
7/14(日)にSAMIAM Japan Tour 2019の名古屋編をサポートします。只今絶賛来日ツアー中のUKリバプールPop PunkレジェンドCROCODILE GODもSAMIAMの大ファンで「共演させてくれ!」と駆けつけてくれることになりました。東京からも名古屋からもSAMIAM愛に溢れるバンドが集結します。この奇跡のバンドSAMIAMの奇跡の再来日ツアーを体感しに来て下さい!
2019/7/14(日) 16:30/17:00
名古屋・鶴舞DAYTRIP
★SAMIAM (California, US)
★CROCODILE GOD (Liverpool, UK)
★DIRTY SATELLITES(東京)
★CAMUS(東京)
★ANGRY NERD
★NAVEL
前売りはこちらから!