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さて、来日を2カ月後に控えたSAMIAMですが、ここでDISC REVIEWのコーナーをスタートさせます!
第一弾はCamusの今西さんによる4th アルバムの名盤”Clumsy”のレビューです。
まだ聴いたことのない方はyoutubeを流しながら読んでみてください。
Clumsy ディスクレビュー
SAMIAMはその30年の活動の中で8枚のアルバムを出している。本人達も語っているが、その活動を大きく分けると、1st、”Soar”、”Billy”を初期、メジャーデビューの”Clumsy”から”You’re freaking me out”、”Astray”までを中期、ギターのJamesが脱退し”Sean Kがギターになった、”Whatever’s got you down”、”Trips”〜現在と三期に分けて捉える事が出来る。
メロディックエモレジェンドと言われている所以は、初期の「Sky flying by」や「Don’t break me」などで、憂いを帯びたメロディー、熱く伸びのあるボーカル、緩急つけたリズムにソリッドなリフで十分堪能できるが、やはり1994年メジャーデビューの本作からそのSAMIAM節は中期にかけて、叙情性を足し込んで一段上の表現力で本領発揮していった。
「Full on」、「Dull」、「Sunshine」のようなキラーチューンは無く、ジャケのイメージも暗いので地味な印象だが、SAMIAM美学が確立したアルバム。
1.As we’re toldでアルバムは幕を開ける。ライブではあまり演奏されてないようだが、SAMIAMらしいマイナー調で疾走感のあるパワフルな一曲。Jamesのギターが絶妙。
2.そしてシングルになったSAMIAMを代表する名曲Capsized。抑えたミドルテンポだがサビではで爆発。ビデオクリップではサビでJasonがShure55マイクを平手打ちながら歌うシーンこそエモ。
3.Stepsonも前曲に続きシングルになった憂いのあるミドルナンバー。Sergie のチョーキングを使ったSAMIAMらしいリフと動静ある展開のある渋い名曲。
4.Bad dayはアルペジオから始まるメジャーコード&疾走ナンバーで、これぞエモメロディックといったギターワークとJasonの伸びのあるボーカルでモッシュ必至曲。
5.MetallicaのOrionを彷彿させるフェイドインから始まるミッドスローでドラマチックなTag alongは、一皮剥けた感のある、このアルバム前半のハイライト。サビに繋がるメロディは素晴らしくSAMIAM屈指の名曲。
6.Routine はスピードのあるメロディックナンバー。印象的なオクターヴと演奏のキメが熱くさせる。
7.Simca。このアルバムの強さを感じる曲。前半から力強くバリエーションに富んだ曲が続きそろそろダレそうな中、コンパクトな質の高いミドルテンポの曲がグッとくる。①、⑤同様、辞めてしまったJames作の名曲。
8.No size that smallはアルバム中一番のポップチューンだが、只のポップパンクソングにはならず、しっかりテンポダウンパートがシビれる。
9.She’s a part of meも明るめなミドルテンポナンバー。
10.Cradleは荘厳なイントロから始まりIron Maidenばりのフレーズでアルバムのピークに向けた叙情性の高い楽曲。
11.そして最終曲Time by the dime。Jasonのエモーショナルなポーカルがパワフルに響きわたる、6分の大作。
本作はSAMIAMにおけるRide the lightningではないかと密かに思っている。以降、曲の多様性を広げSAMIAMスタイルを築きあげて行き、あたかもMetallicaがPuppets〜Justiceと続いたように、James、Sergie、Jasonという不動の布陣で続いた初期〜中期SAMIAMは名盤”You’re freaking me out”、そしてSean Kをベースに迎えて最高傑作”Astray”を作り上げる事になる。