ヤダンジグ、じゃなくてダンジグきたー!
昼間の主要アクトを見届け、ステージ後方の物販スペースなどを散策しながらビールを追加する。DANZIGを観に、心地いい疲労感とともにROOTSステージへ。すでに演奏中だったが、傾き始めた陽に映し出されたステージには、あのダンジグ・スカルのバックドロップと楕円形レリーフが配されていた。
この日は、3枚目のアルバムDANZIG IIIの完全再現ライブ。鍛え上げたマッチョな身体でおなじみのグレン・ダンジグは、脂が乗ってムチムチしていた(なんとなく、長州小力と世良公則を思い浮かべてしまった)が、声量もたっぷりのヴォーカルと堂々たるステージング。音は小細工なしの骨太ハードロックで、シンプルでタメの効いた8ビート主体の楽曲は、少しも古臭さを感じさせない。伸びのある低音の効いたヴォーカルは、あのジム・モリソンを感じさせる。一通りアルバム曲を演奏すると、名曲Motherを演奏し、会場の皆が大合唱。本当にダンジグは色んなタイプのオーディエンスから愛されていることを実感。ホラーっぽい一面ばかりが目立つアーティストだけど、ソングライティングが巧みでキャッチーなのだ。まさかこれほどDANZIGに魅せられるとは予想外だった。
その後はMIKE DのDJプレイを少しだけ観て、VIPエリアに戻って小休止。WU-TANG も観たかったが、やっぱりこの日に楽しみにしていたAT THE DRIVE INを優先する。炎天下の中で集中して観ることのできるパフォーマンスには限りがあり、気になるアーティスト全てをチェックするのは無理だと踏んでいたから。ヒデちゃんだけは忙しなく5つあるステージを移動しながら、たくさんのアクトを楽しんでいたようだが、僕はほとんどメインの2ステージと休憩エリアを行ったり来たりという感じ。2〜3バンドを見たら30分ほどの休憩を入れるようにして体力を温存していた。
いよいよアット・ザ・ドライブ・インですよ
再びROOTSステージに戻ると、版画タッチのバックドロップが降りて、カラフルな照明が灯るとメンバーが一人ずつ定位置につく。オマーがギターストラップを斜めがけして、エフェクターボードのチェックを済ませると、ついにセドリックが登場。大歓声と爆音のArcarsenalで幕を開ける。名盤Relationship of Commandoからの曲が中心で、選曲もベストと言える。オリジナルメンバーによる復帰作が予想を上回る出来だったこともあり、ツアーで磨き上げてきたパフォーマンスも圧巻。
ちょっと太ったせいもあるが、MC5のVoであるロブ・タイナーを思わせるアフロヘアのセドリックは、ステージを縦横無尽に動き回る。メリハリのある楽曲をヴォーカルがひっぱり、コーラス部分ではオーディエンスとの一体感を煽る。2本のギターがサイケデリックなアルペジオや硬質なリフを自在に繰り出し、安定感あるリズム隊がそれらをがっちりと受け止める。新譜からのシングルカット曲を挟みながら、ラストのOne Armed Scissorまで、曲間を入れずにひたすら飛ばしまくる。