CAP’N JAZZの終演後は、3人また集まって遅めのランチを取る。この日は前日に味わったコリアンBBQバーガーをリピート。$12もするので決して安くはないが、それでも味付けのいい加減なチャイニーズや、ぺらぺらに薄いピザよりもずっといい。フードはかなりの種類から選べるが、日本のフェス飯に比べるとどれも大して美味しくはない。PENNYWISEの演奏が遠くで聞こえてきたが、どうしてもこのバンドは好きになれなくて、3人とも華麗にスルーしてDINOSAUR JRの出番を待つ。
この日のDINOSAUR JRは、SST時代に発表したセカンドアルバムYou’re living all over meの完全再現セット。ベースはSEBADOHやTHE FOLK IMPLOSIONの活躍でも知られ、オリジナルメンバーでもあるルー・バーロウ、ドラムはマーフという、黄金期の布陣ある。白髪ロングのJマスシスは、素っ気ない感じでステージに上がり、予想外のTHE CUREのカバーJust Like Heavenでスタート。2曲目にはDEEP WOUNDの曲、3曲目にはいよいよ、あの雄叫びとワウペダルを踏んだディストーションギターが炸裂する名曲Little Fury Thingsである。
やっぱりギターアンプはマーシャルの3段積みで、それを3台並べている。よくみると1つだけヘッドがハイワットだ。酷使され続けたのだろうか、キャビネットのグリルはボロボロだ。そんな、機材をラフに扱うような感じもリアルに彼ららしくていい。以前のJの歌声はピッチが高くて危うい感じであるが、最近は確実に歌が上手くなっている。しかもギターはエフェクターのスイッチングを含めて、完璧な出音である。夕日に照らされたその風貌と超然とした佇まいは、グランジ仙人とでも呼びたくなるくらい。