LIVEAGE : そうなんですね(笑)で新しくできたFog&Ritesなんですけど名前もちょっとこう難しいと言うか、お洒落な名前なんですけどもFog&Ritesっていうのはどういう意味なんですか?どういうとこからとったんですか?
ヒグさん : CAOSみたいに美容院ってのは、だいたい一単語だよね。サロン「ヒデコ」とか。
LIVEAGE : スナックみたいですね(笑)。
ヒグさん : どうせやるんだったら「なんとか&Rites」にしたかった。Rites Of Spring、そこらへんからモジって。
ヒグさん : 最初はVan Pelt(伝説のインディーエモバンド)っていう名前にしようと思ってたんだよ。
LIVEAGE : え?(笑)。
ヒグさん : そしたらVan Peltが再結成してやがって。それで駄目だなと、いくらなんでも駄目だなと。店、作ってくれたハードコア好きな大工さんと考えて。「ヒグっちゃん、霧は?」「フォグはどう?」「ヒグっちゃん霧、好きじゃん?」って言われて。「俺、霧、好きだったかな?」って。
LIVEAGE : (笑)。内装とかをinstagramで見ると60年代のアメリカと言うかそういうちょっとオールドスクールな感じに見えるんですけども。
ヒグさん : でもね店に入ってみるとオールドスクールな感じやトラディショナルな感じじゃなくて。やっぱそういうのって「床屋色」が出ちゃうからね。そういうのはあんまり好きじゃないし。
自分のハードコアのルーツ?を出したいなと。一緒に作ってくれた大工のノリ君が言ったんだけど「ヒグちゃん、どんなコンセプトにしたい」って言われて俺は「Refusedのレコーディングスタジオみたいにしたい!」っていう風に言ったんだよね。最終的にはノリ君が「ヒグちゃんのホントの遊び場みたいな、部屋みたいな全部の趣味が入ってる感じにしたいよね」って。ノリ君はわかってる人だからね。ノリ君のセンスが強いかな。
LIVEAGE : 木目のものが多いですよね。
ヒグさん : あとは鉄格子つけたり。
LIVEAGE : 鉄格子?
ヒグさん : 窓に鉄格子つけたらお袋が「あんた、あんま鉄格子つけたらいかんよ」って言われて。「それ刑務所じゃ」って。
LIVEAGE : (笑)。
LIVEAGE : 今、代官山と表参道とかにアメリカのサロンというバーと床屋が合体したような業態の店が何店舗かでき始めてて興味があると言うか。雑誌の記事とか読むと「いかした男たちがブランデーとかを飲みながら、奥さんの愚痴とか言いながら髪を切ってさっぱりして、心身ともにリフレッシュしていて出て行く」とそういうアメリカスタイル?ニューヨークスタイルとかどう思います?
ヒグさん : すごい良いと思う。そういうの。FREEMANS SPORTING CLUBっていう店があって。 あれってPortraits Of Pastのメンバーがやってたんだよ。バーがあったり、スーツをつくれたり、髪を切るスペースがあったり。それこそ、アメリカのカリフォルニアが発祥で。東京にも3店舗あるはず。Portraits Of Pastが昔、ウチに泊まったんだよね。後から聞いたら「FREEMANS SPORTING CLUBやってるらしいよ」って聞いて。異業種そうやってやるのは全然悪くないなと思って。
昔CAOSやってた時に東京進出しようと思って。東京CAOS。何回も東京に視察に行って。でも他の人とやるのはちょっと。そういうスタイルになってくると他の人とやらなければいけないから。
LIVEAGE : 「酒出す人」とか「スーツ作る人」とか。
ヒグさん : 最初のキッカケみたいに、自分はそういう他人に迷惑かけちゃうなと思って。
ヒグさん : 今のFog&Ritesは夜になったら「BAR Fog&Rites」みたいになるんだよね。電気暗くして、スコッチとか飲みそうな感じになるんだよ。「お前、ちゃんとヘアサロンFog&Ritesに来いよっ!」って。レコード聴いてね、髪切ってる時はレコード聴けないからさ。「ちょっと待ってください!」とか言えないからさ45回転とか「あの人、腕はいいけど、すぐレコードで腕止まるからナシかも…」とか言われてね。片面シリーズだったら大変だからさ。「あの人、ジャケット静かにしまうんだよな」とか。
夜はアナログ聞いてFrodusとか聴いて「全然よくねえな!」とか言いながらそっちの方がみんなに浸透してるね。酒とか出してもいいんだけど車で来ないといけない場所だから。