■ゲストプレイヤーについて
・今作の収録曲それぞれが各参加プレイヤーが自らのプレイをする事でPoSの核をより拡張する形に仕上がってますよね。
Yoshi:僕達はゲストプレイヤーに曲を渡して、彼らそれぞれの感性を生かして自由にやってもらいたかったので、正にその通りに彼らが自分なりの解釈でプレイしてくれて、さらに曲に広がりが生まれたのだと思います。
・前作ではYukiさんの中の世界観に対して正式メンバー全員で向かっていくって印象でしたけど、そこから大きく変化したなと思います。
Yoshi:基本的には変わらないんですけど、アプローチの仕方で大分面白く仕上がりましたよね。
Yuki:今回のアルバムはどうしても作りたかったので色々チャレンジしてみて良かったです。
M1「Boundary of Reality and Fiction」
ゲストプレイヤー: Roel van Oosterhout (IZAH) : Guitar
・IZAHのRoelとは以前から面識があったのですか?
Yuki:Roelだけは今回、実際に会ったことがない上での参加オファーでしたが、実は数年前からメールでのやり取りで繋がっていました。
私はIZAHが好きで、前回のヨーロッパツアーをブッキングする時に初めてコンタクトを取ったのですが、すごくナイスガイで丁寧に返信をくれたり、今でも時々メールしてます。
アルバム参加のこと以外でもバンドマンとしてお互いに色々な話もしたりして、会ったことないのにすごく良い友達になれたのがすごく嬉しかったです。
彼は作曲者でもあるし、この曲も彼ならではのフレーズが沢山あって、すごく魅力的な仕上がりになりました。
M2「Antinomy」
ゲストプレイヤー: Jean-Philippe Schopfer (RORCAL) : Guitar, Ryo Amamiya (Funeral Moth) : Vocal
・今作はボーカルでの参加はEric(Rosseta)とAmamiyaさん(Funeral Moth)のお二人ですが、ボーカルは楽器と違って特に精神的な部分にも影響を持つパートでもありますよね。
Yuki:Amamiya君(通称Amakan)は以前から海外ツアーの時にメンバーとして参加してくれたりする仲だったので、彼には「ちょっとスタジオ来て!ちょっと歌って!!」ってやってもらったんですけど、それも上手くハマったのでお願いして良かったです。
Yoshi:やっぱりAmakanはデス声の玄人なんですよ。Amakanはさらっとやってのけてくれましたけど、僕達がやってもニワカにしかならないんですよね。彼はFuneral Mothのセンターボーカルやってるだけありますよね。
今まで歌をフィーチャーするって事は僕達あまりなかったんですが、今回大胆にボーカルを入れて新しい発見がありましたよね。
Yuki:ギターで参加してくれたJPもRORCALはすごく精力的に活動しているので、本当に忙しい中どうにか時間を作ってくれて感謝でした。
彼らの東京公演で対バンした時、彼の歪み音はやっぱりかっこいいなぁって思ってたので、まさにこの曲には必要な存在でしたね。
M3「Silence and Connivance」
ゲストプレイヤー:Dairoku Seki (STORM OF VOID / Ex-envy) : Drums, Ryota Okazaki (LZ129) : Noise
・「Silence and Connivance」は正にデュオでの活動があったからこそ生まれた曲だなと思います。
Yuki:この曲は本当に面白かったですね。正にDairokuさんに叩いて貰って生まれた曲でした。
デュオ形態で作った音源をDairokuさんに渡して、自由に叩いてもらおうと、3人でスタジオセッションしながらDairokuさんも色々意見をくれて仕上げました。音合わせしながら三人で気持ちよくなっちゃって15分近く演奏したヴァージョンもあります。
こうしたやり方もバンドと違った作り方が楽しかったし、これこそメンバー編成が変わったからチャレンジ出来た事ですね。
Yoshi:この曲は3人でやったからこそ自由度が高くなって面白いものが出来たんだと思います。
Yuki:それと曲を作り始めた当初からノイズを入れたくて、岡崎くんに依頼したんですが、彼もすごく快く引き受けてくれて有り難かったです。
出来たらいつかライブとかで一緒に演奏したいなぁなんて思ってます。
M4「Probability of Destruction and Hope」
ゲストプレイヤー: Eric Jernigan (Rosetta) : Vocal and Lyrics
・この曲ではギタリストEricがまさかのクリーントーンボーカルを聴かせてくれますよね。曲自体は混沌とした激しい曲だから意外性ありましたよね。
Yuki:ホント、まさか歌ってくれるとは思ってませんでした(笑)
最初、Ericにはギターでの参加オファーをしていたんですけど、暫くして彼から「ギターよりもボーカルの方がいいアイデアが浮かびそうなんだけど歌っていいかな?」って連絡もらってびっくりしましたが、Ericと曲のテーマや、そこからのイメージの共有をして、あとは彼に自由に歌ってもらいました。その後彼から送られてきた音源を聴いて、そのボーカルが想像を超える物だったから本当に衝撃的でした。
Yoshi:Ericのボーカルを聴いて歌の力は偉大だと改めて思いましたね。ボーカルによって世界の広がり方が違うし、ギターやシンセを増やしてもそこまでならないと思うんですよ。
だから彼から歌いたいって提案してくれて良かったですね。
Yuki:ボーカル音源と一緒に歌詞も書いたよと言って送ってくれたのも嬉しかったです。でもこれが正にコラボ曲だと思ったし、新しい発見や驚きがあって楽しめました。Ericも「サビ部分でYukiとダブルボーカルになってるとこ凄くドラマティックな感じになっていいよね」って言ってました(笑)
・Yukiさんのコンセプトと、Ericがそれを受け取って消化した部分が見事にハマりましたよね。
Yuki:はい、この曲の邦題は「希望と破壊の確率」なんですけど、それに対してのEricがメールで送ってくれた解釈とイメージを読みながら「本当にそうそう」って、1つのテーマをお互いに自然と共有出来た感動で心が震えました。
ああ、こういうアーティスト同士の「響き合い」がたまらなく嬉しくて、やっぱり音楽やってて良かったなと思いました。