20年近くに渡り活動を続け幾多の試練を乗り越えながら突き進んできたPresence of Soul(以下PoS)。そんな彼らの4thアルバム「Absence of Objective World」は前作以上に重厚かつ漆黒のダークサイドな作品に仕上がった。
今作は国内外問わず多数のゲストプレイヤーが参加し、PoSの核となる世界にそれぞれのプレイヤーが自らの表現を加えた結果、よりイメージを拡張させる事に成功。サウンドの気迫も桁違いな物に仕上がり、PoSの進化を見せつける一枚に仕上がっている。
5人だったメンバーが2018年5月に脱退し、Yuki(Vo.Gt.Key)とYoshi(Gt)の二人だけになってしまったPoSは大きな危機を迎えていたと言える、それでもデュオ形態でのライヴ活動からサポートメンバーを迎えてのライヴ活動とPoSは決して歩みを止めず、逆境から傑作を生み出した。
今回はYukiとYoshiの2人にPoSの新作について徹底的に聞かせてもらったが、サポートメンバーやゲストプレイヤー達のPoSへの敬意と愛、そしてYukiとYoshiの二人の強い絆が作り上げた作品である事、何よりもどんな苦境に立たされても進んでいく強さが伝わってくるだろう。
YukiとYoshiの二人の言葉は音楽を愛する人達だけでなく、日々を生き抜く人達への強い希望になるはずだ。
■アルバム完成までの経緯とサポートメンバーについて
・まずは2018年5月にメンバー脱退があり、正式メンバーがYukiさんとYoshiさんのお二人になりましたが、今回のアルバムは現体制になってから作られた楽曲でしょうか?
Yuki:「Silence and Connivance」だけが2人になってから作った曲です。
元々デュオ編成でやっていた曲をDairokuさん(STORM OF VOID、ex.Envy)がドラムを叩いてくれて出来上がりました。
それ以外の曲は前々からやってた曲です。
・まずデュオ形態でライヴをしようと思ったのは?
Yuki:ライヴ自体はいいタイミングでお誘い頂いたからなんですけど…活動をどうしても続けたかったんです。
丁度、周囲のバンドのメンバー脱退とか多かった時期で、活動休止とや解散など余儀なくされてるのを目にして、そして自分達もこれからどうするかすごく悩みました。
でも、メンバーが抜けることで活動を止めたくなくて、Yoshiと話して「二人でも続けよう。やれることを探す為にまずはスタジオ入って音を出してみよう!」ってスタジオで2人でジャムりながら曲を作っていたところに、Kimiさん(TOKYO JUPITER RECORDS)からデュオ形態でライヴのオファーを頂いて、それでデュオ形態でのライヴを始めました。
Yoshi:本来なら正式メンバーで活動した方が良いって思ってたし、ずっと今までそうだったんですよね。
だからメンバー脱退があって、そこから新しいメンバーを探すとなるとそれは狭き門になってしまって動きが止まってしまうことが多かったんです。
・PoSは海外でのライヴ活動もあるから余計にハードルが高くなってる部分はありますよね。
Yuki:意外にメンバー募集に応募してくれてる人がいないんですよ…別に難しい曲をやってる訳では無いはずなんだけど…
Yoshi:僕たちは技術とかよりも、雰囲気や世界観を作り表現するということにとても神経を使っているので、その言葉に出来ない部分が捉えにくいのかもしれません。 でも、そうしてYukiと二人で色々なことをやっていく中で、もしかしたら二人のコアメンバーに、他はちゃんとサポートしてくれるメンバーがいるならその形でも良いんじゃないかって思い始めました。
今までは正式メンバーに拘ってたから制作の時間もかかってしまってて動きが遅かったのもあります。
でも、二人になった事で逆に動きやすくなりましたし、サポートメンバーは他に自分たちのバンドをやってるけどすごく融通つけてサポートしてくれてるから、良い感じで活動が出来て助かっています。
・サポートドラムのSatoru(ex.wombscape)も元々はSatoruがwombscapeで叩いていた頃からの付き合いですもんね。
Yuki:サポートメンバーはお互い知ってる人が良かったんですよ。お互いの音楽性の理解や演奏力が分かってるから。サポートベースのKei君(SweetSleep)もSweetSleepと対バンしたり、企画に誘ってもらったりして付き合いもあって、演奏力がシッカリしているのは分かっていたから思い切って誘ってみました。後にSweetSleepの作品に私がゲストボーカルで参加したりとかもあっていい関係になりましたね。
Yoshi:対バンして良いと思うバンドってドラムが良いから、wombscapeとは仲良くしていたし、Satoru君のドラム良いねってところからお願いしました。
Yuki:音楽性は違うからやってみないと分からない部分はあったんですが、Satoru君の伸び代は凄かったです(笑)
私達の要望に柔軟に応えてくれるし、何より昔から知ってる仲間だからこその安心感はあります。知らない人だと色々気を使うことが多くなってしまうので。
Yoshi:信頼関係がある人がサポートしてくれるからこそ良さがあるんですよ。
サポートギターは普段はMinoさん(Gargle)がやってくれてるけど、先日のライブではJinnouchi君(OVUM)がサポートギターを弾いてくれました。その2人のプレイのアプローチは全然違うんですよね。でもそれぞれのプレイが安定感もあってすごく良いし、PoS的には僕達が作った曲があってサポートがそれぞれ自分のプレイしてくれて、でもPoSの核がしっかりしていれば、それも新しい在り方なのかもしれないなって。
Yuki:Atake君(COFFINS、SUPER STRUCTURE、ex.weepray)がベースでサポートしてくれた時も、前のベーシストが脱退するって話したら、Atake君が「俺弾こうか!?」って言ってくれて、だからこそ感謝ですよ。仲間がいるって大切だなって。
Yoshi:今は色々な人とプレイする事で僕たちも新しい発見があるって感じですね。
・改めて今回のアルバムは国内外問わず本当に沢山のゲストプレイヤーが参加されてますよね。
Yuki:だからそういう流れですよね。「縛られずに、やってみよう」っていう。
Yoshi:前作でもオーストラリアのCaz Gannell(Cello / Laura)が参加してくれたりとかあって、もうデータでの音源やり取りが出来ることも経験していたので。
Yuki:もちろん、インターネットで色々出来るからって誰でも良かったって訳では無かったし、私達がオファーした方々みんなが快く引き受けてくれたからこそ出来たんだと思います。