今年12月。
spike shoesは自らの主宰するレーベル、“TINY AXE”の招聘でアメリカはニューヨーク・ブルックリンを拠点とする3ピースバンド、「DUB TRIO」の初来日ツアーを敢行する。
高い演奏スキルと特異な音楽形態で小さなバーからホールクラスの会場まで場所を選ばず世界中で聴衆を魅了している彼らだが、さてどうだろう?ここ日本ではいささかニッチな印象。
しかも帯同する我々は結成こそ1993年と活動期間は長いが、クールなビジュアルイメージ1枚でドカッと集客出来る程人気も実力も無いときてる。
うーん、これは足掻かないとならないわけで。
コネも後ろ盾も資本も無い。
ただ不思議と縁には恵まれてると思う。
今回もそうだ。LIVEAGE代表の矢田君はある種“過ぎた同じ時代”をサバイブした仲。
彼自身、今でも会社勤めしながらバンド活動を続け、GAMEFACEやSAMIAMといったアメリカのエモゴッドを次々と招聘している猛者中の猛者。
気持ちが分かるのか、俺が券売に苦戦しているところを察したのか、救いの手を差し伸べてくれた。
有難く甘えることにしたが、既に自分のTwitterでも「来て!来て!」と騒いでいるのだから、それなりの内容は求められて然るべきと思っているので、ガチなハイプ野郎にはならんようにとフンドシをクイッと限りなくV字に締め直しているところ。
まずはこの記事を読んで少しでもDUB TRIOというバンドと彼らの初来日ツアーを知ってもらい、会場まで当日足を運んでいただけたらこれほど嬉しいことはない。
まずは簡単にDUB TRIOのプロフィール紹介。
ハッキリ言ってアメリカのハードコアバンド、といったスタンスではない。
それでもLIVEAGEでの紹介が有意義であると確信しているのが、彼らの持つ音楽の多面性。
DUBやEXTREME HEAVEYMETALを軸に、PUNK、HARDCORE、Stoner Rock、Doom、Psychedelic、Electronica、Shoegaze等さまざまな要素を織り交ぜ、独自のサウンドで空間を支配していく。
腕ブン回し系のビートダウン野郎にも、トレモロ叙情派ポストハードコア・エモ太郎にも突き刺さるフレーズが随所にあるのだ。
そして単純にエフェクターが好き!という機材マニアや凄いドラマーを観るのが好き!なんてシンプルな理由からも十分に彼らのライブは一見の価値があるはず。なんせブッ飛んでる。
バンド名を読んで字の如くというか、名は体を表す!ってな具合に純粋なダブ/レゲエミュージックファンにも勿論体感して欲しい。メンバー自身の操作で演奏がリアルタイムでダブワイズしていく音空間は一級品で、どんなダブバンドにも見劣りしないはずだ。
ベースでバンマスのStuはLady Gaga,50 Cent, Tupac Shakur, Slick Rick, Lloyd Banks, Tony Yayo, Young Buck, Mobb Deep, Lauryn Hill, Collie Buddz等、世界的に活躍するヒップホップ/レゲエ/ソウル系アーティストの録音作品にも携わっているし(ギターのDaveも)、ドラムのJoeはあのThe Fugeesのツアーメンバーとしての経験もある。
レゲエやヒップホップをオルタナ解釈した個人的に大好きなアーティスト、Matisyafuのバックバンドとしてツアーにも参加。その様子がYouTubeにもいくつか上がっているので観て欲しい。超イケてます。
DUB TRIO自身の作品でも過去にFACE NO MOREのMike Pattonや、最新アルバムではMELVINSのKING BUZZOやMASTDONのTroy Sanders、Meshell Ndegeocelloもfeat.している。
ここ最近はIncubusのダブルプラチナを獲得したアルバムのリリース20周年を祝う北米ツアーにゲストとして帯同していた模様。まぁ語ってる俺、Incubusとか知らないんですけどネ(笑)。
もうなんちゅうか、当然だけどスケールが自分らと違い過ぎて笑うしかない(ちょっとおもらし)。
ただ映像から見て取れる彼ら3人はロックスターなどとは遠くかけ離れた印象で、ひたすら寡黙な職人というイメージがしっくり来る。実際会ってとんでもなく無口でおまけに極度の神経質だったらどうしよう?ぐらい思ってる(そん時ゃ全モラシ)。