津:話は変わるけど、nimが1st albumを僕が運営するレーベル waverwaverからリリースしたのは10年も前だね。
そして今年9月5日に10年振りとなる2nd albumをリリースとのことだけど、ここまではどういう経緯で?
加:2008年に1stをリリースさせてもらってからは、シングルやスプリット作品を沢山リリースさせて貰ってきました。そして3年前に大きなメンバーチェンジがあって、そこから去年ミニアルバム1枚を経て今回って感じです。
津:けっこう沢山リリースしてるんだね。10年間やって来たってこと、本当にすごいと思う。
モチベーションはどこから?
加:メンバーそれぞれに思いがあると思いますが、僕としてはいろんな面で自分たち自身が変わり続けていっている事が大きいです。特にメンバーチェンジという変化はとても大きくて、大変なことももちろん沢山ありましたけど逆に新しくやれるようになったことも多くて。その変化が特に今回の作品に対して大きなモチベーションになっています。
津:新作聞いたよ。率直な感想だけど、いい意味ですごくポップになったなって。
例えば女性ギターのHisanaがリードヴォーカルする曲もあるみたいだけど、ツインボーカルを押していきたいの?
加:ありがとうございます。僕自身そう思います。
彼女はとてもいい声をしているし曲も歌詞も書くので、その良さを新しい部分としてグッと押し出したいというのはあります。
津:1stアルバムの時はすごくストレートにエモーショナルな音楽性で、サウンドも轟音って感じだったけど、ポップな音楽性に変わっていったのはシンプルに聞くけど売れたいから笑?
加:もちろん売れたいという気持ちはありますよ。でもそれ以上に大きな理由があります。
バンドを10年以上やってきた中で、オリジナリティということに関して何度も考えてきました。その際に出た答えがそれにあたります。
十代の後半〜二十代の前半、いわゆる音楽思春期と言われる頃に聞いた音楽に影響を受けて、結構みんなバンドを始めるじゃないですか、しばらくはただただ楽しくて。だけど何年もやってるともっとオリジナリティのあるものにできないかという壁にぶち当たるんですね。僕もそうで。
そこで思ったことは、もっと自分が純粋だったそれこそ子供時代に影響を受けたものを、自分たちのフォーマットに落とし込みたいということだったんです。
津:わかるわかる。
加:僕の場合はJPOPだったり、学校の音楽の授業で歌うような合唱曲、洋楽ならビートルズやカーペンターズみたいな本当にポップなものが元々は大好きですし、メンバーそれぞれにそういったものがあるんですよね。今回の作品ではこれまでのnimに各々それをしっかり落とし込めたかなと思っています。
津:なるほど、Quicksandも20年ぶりという事だけど、長い期間を経て得てきた経験や考えの下に今作が出来上がったということなんだね。
聴く音楽ももちろん変わってくるよね。聞くものによってアウトプットも本当に変わってくる。バンドってそこが本当に面白いよね。
加:そうですね。日々影響は受けていきますね。
バンドの活動暦が浅いうちはやっぱりただ憧れの再現というか、真似事になってしまうことも多々あると思うんです。それをやりきった上で俯瞰して見て、もっとオリジナリティーの高い表現ができないかと。
津:ということは今回の2nd アルバムでもって、本当のnimが完成されたって感じなんだね?
加:そうですね。1stを出した時にやりたかったけどできなかったこともやれたし、
バンドとしては完全に次の段階に行けたなって思っています。
津:nimはすごい本数のライブもやってるよね。最近nong (nim Dr.)とも話をしたんだけど、ちょっとやりすぎじゃないの?って聞いたら、「番長(DRUMKAN津ケ原)が、ライブはやっとけ!って言ったからですよ」って笑
加:そんな話あったんですね笑
津:ものすごい勢いでやってるけど体力とかコストとか、もつの?
加:ここ数年は年間100本近くLIVEしてますが、なんとかやってます!
津:多いなー!ライブバンドになりたいって感じなの?
加:そうですね。それにここ数年はメンバーチェンジもあったので、新編成でのライブの完成度を仕上げていくという狙いもあったと思います。
あと、海外のバンドってめちゃくちゃツアーするじゃないですか?個人的にはそれに憧れている部分もあります。
津:そうだね。Quicksandももう50歳近くだけどすごいツアー回ってるもんね。
今回日本に来てその後もすぐ次に行っちゃうしね!
加:だからやっぱり、強いんですよね。
それに太刀打ちできるようになりたいっていうのがあります。