国分寺Morganaドネーションコンピ『DENY THE END』激烈紹介!!

初めましての方も、そうでない方もいるとは思いますが、改めましてGuilty Forest/Under the SurfaceのAKSKと申します。LIVEAGEでは不定期にインタビュー記事を掲載させていただきましたが、今回は昨年9月25日にリリースした国分寺のライヴハウス、Morgana(モルガーナ)のドネーションコンピ『DENY THE END』について宣伝させていただきたいと思います。

ことの始まりは、国内屈指の異形の音楽レーベル「HELLO FROM THE GUTTER」のオーナーである松田さんから、国分寺Morganaをサポートすべくコンピレーションをリリースしたいという旨と、その監修を僕にやってほしいというお願いの連絡でした。尊敬する松田さんのお願いであり、僕も大好きなMorganaをサポートしたいという気持ちは同じだったので、即受けさせていただきました。

この『DENY THE END』では、僕が観てきたMorganaという西東京の爆音地下室にふさわしいバンドのみを選び抜き、お声かけしています。ありがたいことに、どのバンドもMorganaをサポートしたいという想いに賛同し、参加を決めてくれました。そしてアートワークに柳原氏(SPEARMEN)、マスタリングにアントン氏(NOVEMBRE RECORDS/illya/Sun Chirdren Sun)のお力添えを受けて完成した作品です。

僕はこのコンピをMorganaをサポートする為だけの作品にはしたくありません。あくまで僕の視点と価値観の上ではありますが、Morganaにとっても、HELLO FROM THE GUTTERにとっても、参加してくれたバンドにとっても、この作品に関わった人たち、そして手にして下さった人たちにとっても、未来に繋がる作品になることを心から願います。
『DENY THE END』というタイトルは僕がつけさせていただきました。日本語に訳すると「終わりの否定」という意味です。見果てぬ未来に向けて放たれる音を、全感性で体感してもらえたら、監修者としてこれ以上の喜びはありません。
以下、コンピ詳細と各バンドの簡単な紹介になります!!

『DENY THE END』

国分寺Morganaドネーションコンピレーションアルバム 『DENY THE END』 2020年9月25日リリース!! 異形の音楽レーベルHELLO FROM THE GETTERから、西東京爆音聖地こと国分寺Morganaドネーションコンピがリリースされる。 Morganaではお馴染みのバンドからこれからのシーンを担う新世代まで全10バンドが集結。 監修はGuilty Forest/Under the SurfaceのAKSK、アートワークにSPEARMENの柳原氏、マスタリングにNOVEMBRE RECORDS/illya/Sun Chirdren Sunのアントン氏が参加。都内のライヴハウスシーンで異彩を放つMorganaを守るべく生まれた今作は、単なるドネーションに終わらず、2020年代のアンダーグラウンドを象徴する一枚になるだろう。

【収録曲】

01. North by Northwest “burning pork (2020Remaster)”
02. ixtab “社会倫理による黙殺”
03. TRIKORONA “冷たい珊瑚礁(Frozen Coral reef)”
04. 沈む鉛 “8.8cm (live)”
05. MUGANO “AVLG-07”
06. SUNDAY BLOODY SUNDAY “Rise And Fall”
07. Inverted Clap “Former justice”
08. slak “senseless”
09. Anise “Boredom Daydream”
10. umanome “少年の最期”

HELLO FROM THE GETTER
レーベル直販ページ
国分寺Morgana

【参加バンド紹介】

North by Northwest
新丸子ディビジョンにて結成された、平均年齢24歳の若手サイケデリックスラッジバンド。老人の仕事の影響を受けて結成され、既に若手感ゼロな貫禄のあるライヴが各地で高評価を集めている。
ただスラッジなだけでなくインプロヴィゼーションも多く盛り込み、あくまでロックバンドとしてのアティテュードから放たれるヘヴィネスとサイケデリックの融合は、エクストリームミュージックとしてだけでなく、ピュアなロックとして新たなる未来を切り拓くものになっている。


ixtab
群馬県高崎市を拠点に「反自殺斡旋体制」を掲げて活動する3ピースハードコアパンクバンド。kaospilotの影響を感じさせる混沌とした楽曲展開、不穏なコード進行。楽曲こそショートカット仕様だが、わずかな時間に詰め込まれた情報量は圧倒的。常にギアを限界まで上げてフルスロットルで繰り出されるライヴパフォーマンス。混沌の中に確かな怒りをメッセージとして放ち、ハードコアパンクの次なる地平を目指す。


TRIKORONA
都内を中心に、神出鬼没に活動するファズの轟音に取り憑かれた大妖怪ハードコア。ケミカルかつ禍々しいファズサウンド全開のギターの応酬。不気味なうねりをあげるベース。どこまでもパンキッシュに繰り出されるドラム。そして異端のカリスマkoyamaの、化け物そのものなヴォーカル。
メンバー4人それぞれのキャラクターも強烈であり、楽曲もフックに満ちたフレーズに溢れ、エクストリームの中から更なる困惑へと突き落とす唯一無二の存在だ。


沈む鉛
ベースヴォーカルとドラムのみの、2ピースドゥームロックバンド。「貴方の暮らしを重くする」というバンドコンセプト通り、あくまで日常の中の困惑や感情を歌に乗せ、ただ重いだけでなく、異様に感傷的な気持ちを呼び起こさせるサウンドスタイルは、沈む鉛の大きな持ち味だ。
沈む鉛はプログレッシブでありドゥームであるが、何よりも悲哀の歌としてどこまでも叙情的に、だかたしかに重く聴き手の心を揺さぶり続けていく。


MUGANO
西東京を拠点に活動する、ベースレス2ピースヘヴィロッカーズ。MUGANOもまたスラッジを通過した上で、あくまで普遍的なロックに帰結させるバンドであり、楽曲こそ極端に重く遅いが、反復するリフと力のあるビートのみの引き算の美学で最大限の豪音波を展開。
メンバーが特にBorisの影響を受けているのもあるが、Borisが鳴らしている悲哀のヘヴィロックの先をMUGANOは常に模索している。


SUNDAY BLOODY SUNDAY
埼玉県の、ALICE IN CHAINSやSOUNDGARDENといったヘヴィなグランジバンドの血を受け継ぐ3ピースオルタナティブロックバンド。リフ、メロディ、歌、グルーヴ…どれを取っても一線級であり、メイアニック極まりない音楽に対する愛によって生まれるべくして生まれたバンドだ。
猛者ばかりが集結した今作の中で最もスタンダードなグッドミュージックを鳴らし、圧倒的な存在感を放つ。


Inverted Clap
都内の若手ハードコアオールスターとも言えるメンバーにより結成された、エモヴァイオレンスバンド。ただエモヴァイオレンスを鳴らすだけでなく、多方面へとリーチするサウンドの多様性、そして徹底してシリアスでダークな音を鳴らす。
90年代の在りし日のエモヴァイオレンスの血筋を感じさせながら、懐古的な古臭さを感じさせず、現行のバンドとしてありったけの衝動を放つ。


slak
国分寺Morgana発の若きポストハードコアバンド。メンバーの平均年齢は20代前半でありながら、その音は円熟の渋さを誇る。QUICKSANDやUNWOUNDといったバンドの影響を強く感じさせるサウンドであるが、絶対にそれらの真似事にならず、間をすり抜けていくのはslakのセンスが成せる技だろう。
今回提供された楽曲は、slakの中でも屈指の殺傷力を持つ鋭利なポストハードコアナンバー。ヒリヒリとした焦燥感に静かに拳を握りしめるのは必至だ。


Anise
どこまでも無垢に憎しみと虚無を鳴らすオルタナティブロックバンド。シューゲイザーとグランジと00年代初頭の日本語ロックの影響下にあり、そのサウンドはどこまでもメロディアスでありながら、甘さは皆無。血をそのまま飲ませてくるような切迫感と悲哀に満ちている。決して現行のシーンに受け入れられるバンドではないのかもしれないが、轟音の先にある虚無から何かをつかもうとするエネルギーは、本物のオルタナティブロックだ。


umanome
slak同様に国分寺Morgana発の3ピースエモーショナルロックバンド。サウンドスタイルとしてはポストハードコア色の強いエモと言えるが、umanomeの魅力はどこまでもギリギリの熱情だ。音も言葉も型にハマれなかったからこその絶望感、そして絶望の先からまだ光を信じるかのような力強さ。
いつからかエモと言う言葉も大分安くなってしまったが、umanomeはそれでも常に崖っぷちから希望を求める熱情だけを鳴らす。