お父さんのためのメタルコア講座~Killswitch Engageで読み解く編~KMひとり語り

こんにちはKMです。

祝!LIVEAGE Recordsオープン!で関連した事をイッパツかましたかったのですが、その話を聞いた時には記事が大体出来上がっててですね…。

というわけでこんな間の悪さも可愛いところだと思って、僕が長年ぼんやり考えていた事を書いたので、気分転換がてらお付き合い頂ければと思います。

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<目次>

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1,新しいジャンルが獲得するものはいつも同じ

2,メタルコア元年はある2バンドから

3,祝!Killswitch Engage20周年!

4,メタルコアのゴッドファーザー

5,ナニと天才は紙一重

6,時代の移り変りの影にホラー映画のサントラ

7,終わりに

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数年前、とあるハードコアバンドのライブをYouTubeで見ていた。バンドの名前は伏せさせて頂きたい。何気なくコメント欄を見ていたら「このボーカル、わたしのお父さん!」と女性の名前のアカウントからコメントが。どうやら娘さんのようだ。これまた何気なくその人の動画リストを覗いてみると、テイラー・スウィフトやエド・シーランといった流行りのアーティストに混じって、Killswitch EngageTriviumといったバンドが好きなようだった。

これはしょうがない。

煩悩の数をバンド名にしているお父さんのが無いのはしょうがない。でも、もう少しキャッチーで同時期に活動していたsnapcaseやCIVやsense fieldといったバンドの名前は…無い。察するに世代的に00年代頭に流行ったメタルコアを聴いてきたようだ。

ふと疑問になった。『メタルコア』の解釈を巡って家庭内で意見が分かれやしないだろうか?と。余計なお世話も甚だしい。

上記の家庭で仮定していくと、娘世代は上記の通りKillswitch EngageやTriviumがメタルやメタルコアやラウドミュージック、お父さん世代は恐らくIron MaidenやBlack SabbathやMetallicaがメタル、UKや日本のハードコアパンクやクラストがメタルコアという認識という可能性がある。

ここで父娘の会話の際「お父さんの時のメタルコアって言うのはな…今の若い人は知らないだろうけど…」と語り始めようものなら「うわ、キツい。これだからおじさんは…」と結末になりかねない。これはいけない。

といったわけで今回は流石に全部をカバーするのは無理だけど、丁度名前が挙がったので『お父さんのためのメタルコア講座~Killswitch Engageで読み解く編』を始めていきたい。




■1,新しいジャンルが獲得するものはいつも同じ

メタルコアに限った話ではなく、いつの時代も新しい音楽ジャンルが誕生する。太古の昔にはロックでさえ不良の音楽と言われ…それは古過ぎか。メタルはメタルで“ダサい奴が聴くもの”的な扱いを受け、それでも換骨奪胎新陳代謝を繰り返し定番となっていった。

続々と出てくる新しいジャンルが、今回だとメタルコアが、何故2000年代初頭に支持されたのか。世代間によって解釈が異なり、時に分断を生むのか。要因はたくさん有るが、数多のジャンルに共通する事は、若年層や新規層を獲得するからではないだろうか。

例えば、2020年ふとメタルに興味を持ち、全くゼロの段階から聴いてみようしている10代高校生がいたとしよう。気まぐれに聴いてみようにも、これまでの歴史が長く、彼はどこから手を付けたら良いのかわからない。ディスクガイドのディスクガイドが必要じゃないかと思うほどジャンルは細分化されている。

そこで2000年代ならMTVだったり、雑誌やネットだったり、メディアとのタイアップだったり、所謂トレンドとして取り上げられているものから手を出すのが定番だろう。今日だったらサブスクで勧められたものから聴くみたいな流れだろうか。

音楽に限らず、どんなに違う芸能でも、このルートに大差は無い。

更に00年代はイヤフォンやヘッドフォンが安価になり音が良くなり始めた時期とも重なる。良い音質に慣れた世代が、今でこそリマスター盤は増えたが、80年代90年代の発展途上の音質では物足りなさを感じていた事も大きいのでは無いだろうか。

様々な要因が考えられるのだが、これが今まで汗かいて苦労して音源を漁りライブに足を運び続けてきた一部のおじさん達にはたまったものではない。浅はかに映り癇に障る。解釈や認識の分断が生まれるのはそういった経緯からだ。感情が優先し、分析や批評といったものは後回しばかりの傾向がある。

加えてメタルコアは『メタル』としてメディアの評価を受けたので、余計に反感を買う事になった。新興勢力とは常にそういうものなのだけど。

前置きが長くなったが、Killswitch Engage史観でメタルコア誕生の触りの触りの一旦を、メタルコアが如何にしてオーバーグラウンドに登っていったのかを追っていく。

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